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いわゆる機械学習を利用して生成されたアルゴリズムを適用して,入力された取引内容に対応する勘定科目を推測している会計処理製品が,発明の名称を「会計処理装置,計処理方法及び会計処理プログラム」とする特許権を侵害しないとした判例(東京地裁平成29年7月27日判決)

主文事実及び理由第1 請求第2 事案の概要第3 当裁判所の判断 オレンジ法律事務所の私見・注釈 弁護士 辻本恵太 1 本件は,発明の名称を「会計処理装置,会計処理方法及び会計処理プログラム」とする発明についての特許権を有するXが,Y製品の生産等,Y方法の使用が同特許権を侵害していると主張して,Yに対し,特許法100条1項及び2項に基づき,Yによる上記各行為の差止め及び被告製品の廃棄を求めた事案である。 2 本件特許に係る特許請求の範囲の請求項1,10,13及び14記載の各発明を「本件発明1」,「本件発明10」,「本件発明13」,「本件発明14」といい,これらを総称して「本件発明」という。  なお,本件発明13を構成要件に分説すると,次のとおりである。  13A ウェブサーバが提供するクラウド

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契約書に訴訟についての管轄合意しかない場合に調停についての管轄合意があったと解釈されないとされた事例(大阪地裁平成29年9月29日決定)

オレンジ法律事務所の私見・注釈 弁護士 辻本恵太 1 基本事件は,X(相手方・基本事件申立人)が,Y(抗告人・基本事件相手方)との間でレンタル基本契約を締結した上,Yに対し建設機械等を貸し渡すなどしたにもかかわらず,Yが賃貸料等を支払わないとして,その支払を求めるというものである。  レンタル基本契約の契約書には,「合意管轄等」として,「この契約について訴訟の必要が生じたときは,大阪地方裁判所又は茨木簡易裁判所を管轄裁判所とすることに合意します。」との条項があるところ,Xは,本件条項における「訴訟」には「調停」も含まれるとして,茨木簡易裁判所に対し,調停を申し立てた。  これに対し,Yは,本件条項は,飽くまで,訴訟に関する管轄合意であって,調停に関する管轄合意ではないとして,基本事件の大津簡

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ある表示が商品の不正競争防止法の品質誤認表示といえるためには,その前提として,需要者の間において,当該表示が商品の品質や内容を示す表示であると一般に認識されることが必要であるとし,品質誤認表示該当性を否定した事例(大阪地裁平成29年3月16日判決)

主文事案及び理由第1 請求第2 事案の概要第3 争点に関する当事者の主張第4 当裁判所の判断 オレンジ法律事務所の私見・注釈 弁護士 辻本恵太 主文  1 原告の請求をいずれも棄却する。 2 訴訟費用は原告の負担とする。 事実及び理由 第1 請求  1 被告は,別紙物件目録記載の商品に別紙表示目録記載1及び2の表示を表示し,同商品の説明書に同目録記載3の表示を表示し,同商品の広告に同目録記載3及び4の表示を表示し,又は同目録記載1及び2の表示を表示した同商品を販売し若しくは販売のために展示してはならない。 2 被告は,別紙物件目録記載の商品,同商品の説明書及び同商品の広告における別紙表示目録記載1ないし4の表示を,それぞれ抹消せよ。 3 被告は,原告に対し,別紙謝罪広告目録記載の謝罪広告を同

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特許法102条2項の推定覆滅について,製品に対する特許発明の実施部分の割合に基づく覆滅率を25%,その他の観点からの覆滅率を25%として損害賠償を認めた事例(東京地裁平成30年3月1日判決)

主文事実及び理由第1 請求第2 事案の概要第3 当裁判所の判断 オレンジ法律事務所の私見・注釈 弁護士 辻本恵太 1 本件は,発明の名称をいずれも「ブルニアンリンク作成デバイスおよびキット」とする2件の特許権を有するXが,①Y1おいて,Y製品を輸入し,販売し,販売のために展示し,又は販売の申出をした行為,②Y2において,Yの各製品を輸入し又は販売した行為が,いずれもXの上記各特許権を侵害していた旨主張して,不法行為に基づく損害賠償等を請求をした事案である。  なお,Yの各製品が特許権2に係る特許発明の技術的範囲に属すること,特許権2に係る特許が有効であることは当事者間に争いがなく,主たる争点は,Xの損害額である。 2 裁判所は,対象期間におけるY1,Y2の限界利益額を認定したうえで,Y製品全

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書面による通知が宛先に尋ね当たらないとして返送された場合であっても通知の到達を肯定した事例(前橋地裁高崎支部平成31年1月10日判決)

主文事実及び理由第1 請求の趣旨第2 当事者の主張第3 裁判所の判断 主文  1 被告は,原告に対し,1億0370万3520円及びこれに対する平成10年1月14日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 2 訴訟費用は被告の負担とする。 3 この判決は,仮に執行することができる。 事実及び理由 第1 請求の趣旨 主文と同旨 第2 当事者の主張  1 請求原因 (1) 当事者等 原告は,訴外A及び訴外Bの間に生まれた子であり,訴外C(A,B及びCを併せて「Aら」という。)は原告の祖母である。 (2) 被告の不法行為 被告は,平成10年1月14日,群馬県群馬郡a町大字b(現・群馬県高崎市b町)所在の当時の原告宅(以下,単に「原告宅」という。)において,Aらを殺害した(以下,この事件を「本

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債務名義の執行力の向上(民事執行法改正)

弁護士 辻本 恵太 1 はじめに  「民事執行法及び国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律の一部を改正する法律」(令和元年法律第2号)が令和元年5月17日に公布され,令和2年4月1日に施行となった。 この改正は,私たちオレンジ法律事務所の弁護士を含む,多くの交渉,訴訟に携わる弁護士にとって,心躍る改正であり,施行される令和2年4月1日を心待ちにしていた。判決などの債務名義の執行力の向上は,民事司法制度への信頼を飛躍的向上させることと期待している。 民事執行法改正は多岐にわたるが,一部を紹介したい。 2 裁判で勝つことと金銭を支払ってもらえることは同じではない  まず,①貸した500万円を返してもらえないので裁判を起こした(貸金返還請求訴訟)。②1年近く裁判をして勝訴判決

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コロナと案件の変化と裁判所の動向

弁護士 辻本恵太 事務所での依頼案件の変化 今,オレンジ法律事務所では,弁護士としての仕事として,通常どおり,共同開発,特許,その他知的財産の相談などは多い。企業側の相談業務が多く,BtoB,BtoCを問わず,オンラインサービスを提供している企業の相談も少なくない。各種業務委託契約書,共同開発契約,取引基本契約,NDAなど契約書のレビューも多い。他方,この数日間,例えば, 自宅待機,解雇などにまつわる労務問題や,早期に売掛金を回収してキャッシュフローを改善したいなどの交渉案件,強制執行など,性質上,緊急,切迫したものが多くなっている。 さらには,新型コロナウィルスの影響により,売上回復の目処が立たず,法人破産をするにいたるという相談案件も増えてきた。 裁判所の動向 そもそも, 政府の新型イン

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嗚呼「紅秀峰」(種苗法の話)<その1>

弁護士 片山輝伸 先日(平成30年7月頃),尾形大先生が私に向かって,「近日中に,親戚から超美味いサクランボが送られてくる。そんじょそこいらのサクランボではない。事務所に持ってきて食わせてやるから,楽しみに待っとけ。」とおっしゃいました(注1)。 ここだけの秘密なので口外禁止なのですが,私は,いつも喧しい尾形大先生のことが好きではありませんから,「ああ,そうですか。それは大変楽しみですねぇ。ええ。」と適当に聞き流していました(注2)。 数日後,尾形大先生が何やら立派な段ボール箱を持ってきて,その段ボール箱を開けるや,私に「ほれ。食べてみろ。」と,サクランボ様の物体を差し出してきました。そのサクランボ様の物体は,私が普段目にするサクランボよりも,色が鮮やかで,大きかったので,直ちにサクランボと

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空手の話(特許技術文献サーチ入門 FI検索編)

弁護士 片山輝伸 なにやら,先日空手の話をしていた兄弁の有馬弁護士は,たかだか石ころ如きを叩き割ることすらできないと聞きました。そんな軟弱な有馬弁護士でも叩き割ることができる空手用の瓦があるに違いありません。 そこで,特許実用新案の文献を探してみることにします。 今回は,FI(File Index)という,特許庁独自の技術分類をたどって探してみます(FI検索)。   まず,特許庁のHPに行き,右側のカラムの「特許情報プラットフォーム(J-PratPat)」をクリックします。 J-PratPatのページの左上の「特許・実用新案」にカーソルを合わせると,メニューが出てくるので,「4.パテントマップガイダンス」を選びます。 FI照会の(分類表)をクリックします。 セクションがAからHまで

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視線の先にあるもの(著作権法の話)

弁護士 片山輝伸 冒頭に貼り付けた動画は,YouTubeなる動画投稿サイトに投稿されている動画です。 この動画は,2011年頃,JR総武線の車窓から万世橋駅跡を俯瞰的に撮影され,編集されて作成されたものです。 私は,以前,埼玉県は大宮にあるオレンジ法律事務所で営業事務を担当しているという女性から,動画投稿サイトの動画を,埋め込み用タグを用いてブログ等ウェブページに貼り付けることは,当該動画をウェブページ上に複製(コピー)している(ウェブページデータが記録されているサーバに複製している)ことになり,動画の著作者の複製権(著作権法21条)を侵害しているのではなかろうかとの質問を受けたことがありました。 言われてみると,確かに,上に貼り付けた万世橋駅跡の動画は,このブログ(のサーバ)に複製されたも

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