オレンジ法律事務所でのスタッフの働き方

弁護士 辻本恵太 オレンジ法律事務所は,埼玉の大宮のとある法律事務所である。オレンジ法律事務所の弁護士,事務スタッフの働き方は,ベールに包んでいるつもりはないが,外から見えにくいので,少しづつ説明しようと思う。もし,入所を希望する人がいれば,参考にしてもらうと良いかもしれない。 1 女性スタッフと高齢者のスタッフの活躍 私,辻本は,常々,女性,高齢者,若者がおもいきり能力を発揮できるような職場を創出することがオレンジ法律事務所にとって重要だと思っている。女性のポテンシャルは非常に高い。高齢者の社会貢献への熱意,経験は非常に有用である。若者の,まだ世に出ぬ,鬱屈とした高い能力を活かさない手はない。いかに彼らの声に耳を傾け,力を借りることができるかが大事で,私自身の感覚を研ぎ澄ませたり,リフレッ

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弁護士が書く埼玉の中小企業のための秘密保持契約

1 秘密保持契約とは2 秘密保持契約の効果3 注意すべきポイント ①秘密保持の対象となる情報の特定 ②秘密情報の取扱・管理 ③知的財産権4 さいごに5 参考ひな形 弁護士 尾形 駿 1 秘密保持契約とは  情報社会とも評される現代では,企業の経営資源である人・モノ・金・情報のうち,情報の重要性は高まってきたことから,より一層情報の管理に力を入れる中小企業も増えてきた印象を抱く。そして,情報管理の一環として,企業は,従業員や取引先と秘密保持契約を締結することがある。 秘密保持契約とは,英語でNon-disclosure agreementと表記し,略して,NDA呼ばれることも多い。その名称からも分かるとおり,企業の秘密情報が第三者に外部漏洩したりすることを防ぐことを目的とした契約である。 弊所

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化合物をヒト結膜肥満細胞安定化の用途に適用する薬剤に関する特許発明に関して発明の効果が予測できない顕著なものであることを否定した原審の判断に違法があるとした事例(最高裁三小令元年8月27日判決)

弁護士 辻本恵太 1 本件は,被上告人Yが,ヒトにおけるアレルギー性眼疾患を処置するための点眼剤に係る本件特許(特許第3068858号)につき,その特許権を共有する上告人Xらを被請求人として特許無効審判を請求したところ,同請求は成り立たない旨の審決を受けたため,同審決の取消しを求めた事案である。本件特許に係る発明の進歩性の有無に関し,当該発明が予測できない顕著な効果を有するか否かが争われた。  本件特許は,発明の名称を「アレルギー性眼疾患を処置するためのドキセピン誘導体を含有する局所的眼科用処方物」とし,ヒトにおけるアレルギー性眼疾患を処置するための点眼剤として,公知のオキセピン誘導体である本件化合物を,ヒト結膜肥満細胞安定化(ヒト結膜の肥満細胞からのヒスタミンの遊離抑制)の用途に適用する薬

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オレンジ初の動画作成の裏側

弁護士 辻本恵太 オレンジ初の動画を制作し,YouTubeに限定公開でアップしてみた。まだ,ご覧になっていなければ,ぜひ見て頂きたい。 1 オレンジ初の動画はどんなもの? 見てもらうと,すぐわかるが,最近ブログで紹介してきた丘恵美利先生(ブログ:古きを知る丘先生)と馬場直仁先生(ブログ:「神は細部に宿る」と馬場弁護士)の①新しく入った2人の弁護士を紹介する部分が中心となり,スタッフそれぞれに,②最近のオレンジの様子,③オレンジでの夢,④スタッフ自身の趣味,⑤その他フリートークが続く。半分くらい真面目な内容で,半分くらいがカジュアルな内容である。 また,予告編のようなダイジェスト版であるショートバージョン (1:51)と,本編にあたるフルバージョン,ロングバージョン(11:56)の2つからなる

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古きを知る丘先生

弁護士 辻本恵太  前回のブログでは,馬場先生を紹介したが,同じ月にオレンジ法律事務所に入所した丘恵美利先生を紹介したい。 丘先生の弁護士歴も10年になるようである。 丘先生は司法試験の受験の時から知っているので,かれこれ15年以上になる。私,馬場先生と同じ慶應大学出身なので,急に慶應率が高くなった。埼玉の大宮という地を選んでくれて,ありがたい。  丘先生とは,ゼミで一緒に勉強したりすることもあれば,10数人でテニス合宿に行ったり,40人以上で忘年会などもした。ミカン法律事務所の中野先生と丘先生とも,その頃からの知り合いである(また,ミカン法律事務所を宣伝してしまった!)。その頃の知人は,弁護士,検察官,裁判官になっていたり,他の分野で活躍されている人も多く,私にとって,貴重な人脈である。 

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刀剣の引渡請求訴訟において自白の撤回の可否が認められて時機に遅れた攻撃防御方法とはいえないとした事案(山形地裁令和元年8月6日判決)

主文事実及び理由第1 請求第2 事案の概要第3 当裁判所の判断第4 結論 オレンジ法律事務所の私見・注釈 弁護士 辻本恵太 1 本件は,いずれも重要文化財に指定されており,X告の評価によるといずれについても,少なくとも1振り8000万円程度の価値がある3振りの刀剣を所有していたと主張するXが,盗難にあった本件各刀剣を買い取ったYがこれを占有しているとして,Yに対し,所有権に基づき,本件各刀剣の引渡し及びその執行不能に備えた代償金の支払を求めると共に,Yが本件訴訟において本件各刀剣を占有している旨の自白を撤回したのは違法行為であるとして,不法行為による損害賠償請求をした事案である。 2 Yは,本件訴訟で,本件各刀剣を所有していたこと及び本件各刀剣を占有していることを認めていたことを認めていたが

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「神は細部に宿る」と馬場弁護士

弁護士 辻本 恵太 1 神は細部に宿る 私の好きな言葉に,「神は細部に宿る」というものがある。私は,難しい局面を何とか突破しようと,頭をひねり続けることが大好きである。きっと,数学に狂い,プログラミングに明け暮れた学生時代から変わらないのかもしれない。 ところで,数学は,一発逆転の発想が突然に下りてくるように思えるが,そんなことはない。緻密にロジカルに発想を巡らせていたからこそのホームランなのである。 弁護士の仕事の中での裁判や交渉も,同様である。敗戦濃厚な局面でも何とか逆転できないか,頭をひねり続けるのが楽しい。とにかく冷静に,基本を大事に,細部にこだわる。細部の資料の検討,細部のリーガルリサーチ,細部の戦略検討。 裏を返すと,大ざっぱな事件の進め方が嫌いである。大ざっぱな資料の検討,大ざ

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前略 オレンジ様

営業秘書 田中真琴 こんにちは,現在育休中の秘書の田中です。オレンジ法律事務所で初めての産休・育休取得者となりました。産休・育休に関する手続等でご迷惑お掛けしておりますが,お陰様で,日々育児に専念できており,幸せな毎日を送っています。 さてこの度は,一旦仕事から離れてみて感じたことを書いてみたいと思います。 私のモットーのひとつに,「固定観念にとらわれない」というものがあります。 固定観念にとらわれている人は, 変化を恐れたり, 人からのアドバイスを素直に受け入れることができなかったり, できない理由を「○○だからしょうがない」と決めつけ改善を諦めたりする傾向がある ように思います。 このような仕事の仕方では,一緒に働く周りの人を困らせてしまうと思うので,固定観念にとらわれないで仕事をするよ

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アナロジー的な考え方と弁護士

弁護士 辻本恵太  今日の話もあまり,弁護士っぽい話はでてこない。 ただ,こういう日常を暮らしている,埼玉の一弁護士がいるのだなと思って読んでもらえればと思う。  先日,マイナスにマイナスを掛けるとプラスになるということが,姪が理解しにくいので,わかりやすく説明できないかと言われた。 マイナスにマイナスを掛けるとプラスになるなんて,言われてみれば,ちょっと浪漫を感じると,文学的な思いを馳せながら,姪への説明の仕方を考えてみた。 数が数直線上に表わされるという理由は,さておき,とりあえず数直線を使って説明するのがわかりやすいなと思って,次のように考えた。 (了)

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違法な仮差押命令申立てと債務者がその後に債務者と第三債務者との間で新たな取引が行われなかったことにより喪失したと主張する逸失利益の損害との間に相当因果関係がないとされた事例(最高裁平成31年3月7日判決)

主文理由 オレンジ法律事務所の私見・注釈 弁護士 辻本恵太 1 本件は,上告人Xが,被上告人Yに対し,売買契約に基づき代金2813万8940円及び遅延損害金の支払等を求めるものであり,Yは,Xによる債権の仮差押命令の申立てがYに対する不法行為に当たるとし,これによる損害賠償債権を自働債権とする相殺の抗弁を主張するなどして,Xの本訴請求を争った事案である。 (1)上告までの経緯については,判決記載の通りであるが,Yは,日用品雑貨の輸出入及び販売等を目的とする株式会社であり,平成22年から平成27年までの年間売上高が26億円から57億円程度であり,同年9月当時,現金,預金債権及び売掛金債権だけでも16億円余りの資産を有しており,複数の大手百貨店との間で取引を行っていた。 Xは,Yに対し,印刷物等

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