広報・営業 土肥
オレンジ法律事務所に入所し,1か月半が経ちました!
電車に揺られて,毎日,埼玉の大宮に来ることもようやくなれてきました。まだまだ慣れないことも多い毎日ですが,法律事務所で先生方が事件や紛争を解決するために,取り組んでいる背中をみながら,私自身も次に進むべく,日々奔走している毎日です。
今回は,私が,法律事務所の広報・営業としての第一歩を踏み出すにあたり,具体的にどんなことをして,どんなことがわかり,どううまくいかないのかを,お伝えしようと思います。
国語ってむずかしい(ブログ制作にて)
やはり,広報といえば,ブログ!ということで,まずは,ブログ作成に取り組みました。
ブログは,オレンジの看板的存在で,オレンジのことを外部の方に知ってもらう大事な広報活動のひとつです。ブログを書くことは,ブログを書いている本人だけではなく,オレンジ法律事務所の特色や考え方,しいては辻本先生の思いや考えをも表しているものなので,事務所の方向性を打ち出す広告塔でもあることに,間違いはありません。
これまで私は,一度もブログを書いたことがありませんでしたが,入所した翌日には,入所したことをご報告する,ごあいさつのブログを投稿し,そして翌週には,弁護士先生方の紹介ブログ(馬場先生,尾形先生 ,丘先生,有馬先生 )を投稿しました。
当然ながら,先生方を知らないと紹介ブログを書くことができないので,1人ひとりにインタビューをし,じっくりと先生方のお話に耳を傾け,先生方の特色について掘り下げてみました。先生方の青春時代をひも解いたり,ときには,幼少期の生い立ちまで,さかのぼりました。
たとえば,尾形先生は,子どもの頃,喘息持ちで,発作が起きたりして,病院にかかっていたそうです。さぞかし,尾形先生のお母様は,心配が尽きず大変だったことと思います。それを尾形先生に伝えると,我,関せずといった感じで,あっけらかんとしていました。親の心,子知らずとは,このことでしょうか。尾形先生が幼少期に,はじめたサッカーのおかげもあってか,気が付けば喘息が治っていたそうで,今では,幼少期の頃をものともせず,フットワーク軽く,弁護士業に従事されています。
インタビューをした膨大な内容をまとめるのも大変でしたが,私が,最も苦戦したのは,文書の書き方でした!
まずは,「句読点」。
例えば,接続詞の後は,「句読点」を打つように言われますし,接続詞はひらがなで書くように直されます。「従いまして」と書きたくなりますが,ひらがなに直されます。最初のうちは,一文に句読点を1つもつけずに書くなんてことは,ザラでした。入所当初に,投稿した,いくつかのブログは,息継ぎする隙間もあたえず,酸欠とはならずとも,やけに文字だけがたくさん並び,読みづらい印象だったことと思います。ただ,辻本先生も,私の文章の個性を活かし,伝わることを重視して,すべて直すということはしていないようです。
つぎに,よく直されるのが,「主語と述語」。
主語と述語の関係をきちんと整理できていなかったり,「は」と「が」の使い方を意識しておらず,わかりにくい文章になってしまいました。
「時に,その物差しは,自分の物差しと他人の物差しとが違うと感じる瞬間は否応にして訪れます。」
これが実際に原稿段階で私が書いた文章ですが,なんともごちゃごちゃした文章で,主語と述語が入り乱れ,何ともむず痒いですね。日本語のようで日本語でない文章でした。私が言いたかったのは「ときどき,自分の物差しが他人のそれとは違う!と気づく瞬間があります。」ということでした。
文章の順列がばらばらになったり,何を伝えたいのか,書く目的がゆらいでしまったり。見出しと内容がちぐはぐになることもありました。書けば書くほどにわからなくなり,ブログを投稿する回数を重ねるごとに文書を書くということの難しさを実感しました。
辻本先生は,しっかりとした内容でありながら,軽くジョークを入れてねと,むちゃぶりをしてきます。すべっていないことを願いつつ,毎回,どきどきしています。
基本的には,私の個性も尊重していただきながら,本当に気になる箇所のみ,辻本先生に修正をしていただいています。
経営者の話ってむずかし(打合せ同席で学んだこと)
前回のブログ,「DOYのふりかえる入所1か月(その①)」でも書きましたが,オレンジで広報活動するにあたり,辻本先生から4つの指摘をいただきました(①サービス内容を知る難しさ,②クライアント企業のニーズを知る難しさ,③社長が持つ経営感覚を理解することの難しさ,④大型高額サービスを販売することの難しさ)。
オレンジ法律事務所のサービスを知らなければ広報をすることができないため,依頼者の企業からの許しを得て,打合せに同席をさせてもらっています。
これはとても貴重な体験ですが,打ち合わせに同席して,まず思うのが,とにかく事件の話が難しいということです。
「瑕疵」「留置権」「特許ライセンス料」「オプション契約」「治具」「独占禁止法」「景品表示法」「不実告知」「債務不能解除」「限界利益」「商標権侵害差止等請求」「不使用取消審判」「訴訟信託」「損害論」などなど。
聞き慣れない言葉が並びます。法律用語だけではなく,ITの用語であったり,建築の用語であったり,コンサルタントなどでよく使われる用語であったり,依頼者の業界ごとに,使う専門用語も全く違っていて,聞き取るのが大変!メモに残し,わからなかった言葉や内容は,打ち合わせ後に確認をしました。企業の代表者の方が多いので,抱える問題も複雑で,一筋縄ではいかないことばかりのように感じました。
複雑な相談ではありますが,テンポ良く打合せが進み,依頼者の会社の社長,従業員の方々は,楽しそうに満足している様子は,よく伝わってきます。また,アドバイスをした内容自体は,何となく理解できるように思います。
もっとも,入所したばかりなので,オレンジ法律事務所が,一体どのような価値を提供しているのか,私には,きっと深くは理解できていないところも多いと思いますので,引き続き,打合せに同席したいと思っています。
打合せを同席して気づいたことは,「クライアント企業の真のニーズとはなにか」ということを捉えることが極めて難しいということです。ニーズを捉えることは,広報としても営業としても,大事なので,日々,精進したいと思います。
さらに,社長がもつ経営感覚を理解することが難しく,「経営感覚」自体が漠然としていて,一体何なのか全くつかめていませんでしたが,いくつもの打ち合わせに同席しているうちに,もしかしたら,少しずつではありますが,理解ができているのかなと実感する瞬間がありました。
それは,企業の紛争を解決するため,辻本先生が解決策をアドバイスされているのを隣で聞いていたときです。事件が起きた事柄を解決するだけではなく,より企業が経営しやすいように,会社の意思決定,経営判断を助言するにあたり,経費,コスト,利益のことも考えながら提言されているのを聞いたとき,経営感覚とは,このことを指すのだとわかりました。特許ライセンス契約の助言などは,顧問でありながら,その会社の役員のように,多角的な視点から提言をしているようでした。
営業の立ち場として,企業法務を多く行う,オレンジ法律事務所のサービスを販売することは,大型高額サービスを販売することと匹敵するかと思います。
何よりも,サービスの内容を深く理解することを大前提として,相手方と真の信頼関係を構築できなければ,販売できるはずはありません。がんばらなければと気を引き締めています!
オレンジが尖っていることの再認識(セミナーに参加して学んだこと)
これまで,法律事務所で働いた経験のないわたしにとって,法律事務所での広報兼営業について,マーケティング及びブランディングなども含め,入所前に読んだ数冊の本の中でしか想像ができていませんでした。
事務所に入所し,ほどなくして,とある企業が主催する,弁護士が弁護士に向けたセミナーを開催すると知りました。わたしは,弁護士ではないけれど,法律事務所に勤める広報兼営業担当として,またとない機会だと思いました。
そのセミナーは,5日間に渡ってオンラインで開催され,弁護士の営業に特化したセミナーでした。弁護士の業界を知るためにも,セミナーで多くの情報を収集し,法律事務所での営業手法について学びたいと思い参加しました。
5日間で話された9名の先生方が,共通して述べられていたことは,自分の特徴や強みと弱みを十分に理解し,特に弱みについても,自分自身で把握しておくことの重要性を述べていました。
それは,弁護士に限った話ではなく,誰にでもあてはまることだと思いました。今まさに,わたしは自分自身の弱みについて取り組んでいる最中です。それは,つい目的意識を失ってしまうことです。ふと気がつけば,取り組んでいる目的を忘れて,違うことをしてしまっていることがあるので,日々,反省しながら取り組んでいます。
またセミナーでは,弁護士先生の専門分野を広く伝えるとよいことや,他の事務所との差別化をするとよいことなどを学びました。それを踏まえて,オレンジ法律事務所の先生方をブログで紹介する際には,先生方の強みや専門性,人柄などの特徴がわかるように書いたつもりです。
他と差別化といえば,オレンジ法律事務所は,もともと,特許や知的財産を取り扱うという,埼玉ではかなり珍しい法律事務所ですし,仕事の多くが,企業からの相談ということも,埼玉というエリアの中で,際立った特徴があります。
ですので,私としては,オレンジ法律事務所の広報として,あるがままのオレンジ法律事務所を,わかりやすく外部の方に伝えることが使命と思っています。
さらに,話が少し抽象的な部分もあり,より具体的にどう活動したほうがいいかなど,私にはわからないこともありましたが,セミナーでは,インターネットの普及やAIの出現により,弁護士に求められることも変わってきていることを知りました。
システムプログラミングをしていた辻本先生をはじめ,オレンジ法律事務所の先生方は,ITが強い先生が多いので,先生方に教わりながら,テクノロジーの変化によって弁護士の仕事がどう変わるのか,今後,自分が活動していくなかで,見出していけたらと思っています。
今後のDOY
そんな感じで,オレンジ法律事務所に入所して,怒濤の1か月半を駆け抜けました。
知らないことばかりですが,これから新しいことを知ることができることや,オレンジに入らなければ,会えないはずのお客様に会って,お話をすることは,かけがえのない経験だと思います。
オレンジ法律事務所が,少しずつではありますが,どのような事件を受けたり,どのように事件を解決したりしているのか,今後も理解を深めていくと共に,整理してお伝えしていきたいと思います。
これは,依頼者にとっても知りたい部分だと思います。「弁護士が一体何をしてくれるのか」を広報担当として,しっかりと伝えられるようにしていきたと思います。
私が入った相談では,顧問企業の方が,とても満足されているようですので,顧問弁護士を抱えるということが,私が思っている以上にメリットのあることだということは感じます。
ただ,まだまだ,私自身,その神髄を理解していないと思いますので,引き続き,オレンジを知り,皆様にお伝えできるよう,日々,研鑽を積みながら,邁進していきたと思います。
このたび,育休に入られていた田中さんが,復帰されました。オレンジ法律事務所の朝礼で,口角をあげるイメージで頬に手をあて,元気よく「オレンジ!」と発声朝礼をおこなっています。これは,TNM(田中さん)が考案され,オレンジの毎朝の日課となっています。
※前回のブログでお話したとおり,オレンジ法律事務所では,弁護士やスタッフを表記するのに,ローマ字3文字で表わしています。