チャールズ・ダーウィン,オレンジと共に変化する

                         営業  土肥
 

 次にご紹介するのは,尾形駿先生です。
 オレンジ法律事務所の先生方皆様は,共通して,話しやすい方々ですが,尾形先生は,取り分けとても気さくで,話しやすいお人柄になります。
 私は,オレンジ法律事務所に入所するまで,まさか弁護士先生と並んで仕事をする日が来るとは,思ってもいなかったので,私のデスクの隣が尾形先生と知った入所初日は,驚きました。
 ともあれ,席が隣ということで,弁護士業務を直に感じることができ,営業職としては,とてもありがたく思います。

 尾形先生が弁護士になった理由

 今回,尾形先生にお話を伺って意外だったことは,尾形先生は元来,弁護士の職業を志望していた訳ではなかったことです。


 では,なぜ弁護士という職業を選んだのでしょうか。
 尾形先生にお聞きしたところ,『世の中の物差しが分かっていると,色々なことに役立つと思ったから』だそうです。

 私は,これまで,世の中の物差しを気にしたことがなく,気が付いた時には,年齢的にイイ大人になっていました。たしかに,世の中の物差しを分かっておくことは,しいては,生きていく上でも,とても大事なことだと思います。自分の物差しと他人の物差しとでは,違うと感じる瞬間が訪れます。しかし,尾形先生のように法律としての物差しがあると,ぶれることもなく,人が本来正しい方向へと,向かうべき道を導いていくことさえ出来るのだと思います。


 例え思ったとしても,それだけで弁護士資格を取得できるかどうかは,また別の話になるかと思います。意図も簡単に,弁護士資格が取れてしまう尾形先生に,爽やかな風が吹きそよぎ,尊敬の念がやみません。       とはいっても実際に,尾形先生は尾形先生で,努力の先に弁護士資格を取得されておられます。
 司法の勉強に奮闘されていた時期は,様々なアルバイトもご経験され,クロネコヤマトの配送や塾講師,イベント会社での設営作業やお客様のアテンド,そしてE-Discoveryをされてきました。

イーディスカバリー??ニモなどの海の生物が海底で泳ぎ,架空の未来をイメージしたディズニーシーのポートディスカバリーが頭の中を漂いましたが,絶対にそんなことはなく…。そこは尾形先生が私の想像が違った方向に行く前に,ご説明してくださいました。

 私が理解したE-Discoveryとは,こういうものです。すなわち,日本企業の国際ビジネスにおいて,ネット取引等電子商取引に係わるもの等が出現しておりますが,訴訟問題となった際に,米国に国有の陪審制度に基づく証拠収集システムとして,ディスカバリー制度があります。近年,このディスカバリー制度において,証拠書類の提出が従来のペーパーによるものから電子化されつつあるのですが,この証拠書類の電子的開示がE-Discoveryです。
 尾形先生は,反トラスト法等に違反する証拠がないかどうか,目を皿のようにして電子データを追っていたそうです。

 尾形先生の弁護士になる前の色々な経験が弁護士になってからのあらゆる局面に活かされているのかもしれません。

 尾形先生の弁護士としての強み 

 事件を受任すると,ご依頼者様とお電話でやり取りをすることも多く,尾形先生はその都度ご依頼者様に分かりやすく,そして現在の状況をしっかりとお伝えされておられます。
 ときには,ご依頼者様にお伝えしづらいことであっても,今後の行方を左右することなので,例えご依頼者様にとって厳しい内容であったとしても,真摯にお伝えしています。このことは,尾形先生の大きな強みだと思います。
 また,尾形先生は,小中高とサッカー漬けの毎日を過ごされてきました。
 守りながらも攻撃が必要となるサイドバックが尾形先生のポジションでした。サイドバックは,あくまでもDFでありながら1対1で相手の攻撃からゴールを守り,そして攻撃を遅ら,自分がボールの取りやすい位置に誘導します。また,サイドから中央にボールを入れてクロスし,ゴールチャンスを作り,アシストします。
 まるでオレンジ法律事務所で,ひとつの事件を2~3人で議論しながら,そして弁護士チームをアシストし,的確な状況判断をするところは,まさにサイドバックで培われた土台があるからに違いありません。
 弁護士チームを支える縁の下でもあり,試合を有利に運ばせることが出来るのが尾形先生の強みでもあります。 

 尾形先生の展望と野望 

 オレンジ法律事務所は,企業からの依頼を受けることが多い為,尾形先生は今後,中小企業の経営的な部分に積極的に入って活動をしていきたいそうです。
 また,自分たちをハブにして,ゆくゆくは新たなリーガルサービスを生み出していきたいとも仰っておられました。
 今や裁判の電子化は国際的な常識であるのに対して,日本は遅れを取っています。
 先日,東日本大震災10年目に突入しましたが,地震が起きた2011年の東日本大震災の時に,宮城県石巻市の公証人役場が津波の被害に遭い,遺言書が流されてしまったことから,電子化の必要性を感じずにはいられないことはいうまでもありません。

 政府は令和4年にも民訴法を改正し,IT化を本格化させる考えですが,書面のオンライン提出義務化をめぐっては,法曹界でも慎重な意見があります。尾形先生の中で,まだ構想段階のようですが,ITの力を借りることで,これまで手作業でしていた業務を自動化し,人がより考えるべきことに集中できるようなリーガルサービスを生み出したいと考えています。国際的に見ても,日本の法曹界におけるデジタル化が遅れている実情を憂いているのだと思いますし,いつでもご依頼者様を第一に考えているからこその考えだと思います。
 私としては,尾形先生の手からリーガル商品が生み出される日を心待ちにしています。


 
 「生き残る種とは,最も強いものではない。最も知的なものでもない。

                   それは,変化に最もよく適応したものである」 

ダーウィンの残した言葉ですが,尾形先生は今まさに,変化に適応しながら司法の職務をされておられます。