弁護士に頼むときベスト5

                 広報・営業 土肥

 今年も,「夏,真っ盛り」がやってきましたね。でも,今年の夏も,コロナウィルスのため,はじけ飛びたい思いは控え,ひっそりと心静かに過ごす夏といきましょう。
 今年の夏物語は,オリンピア物語として,家で静かにオリンピック,パラリンピックを観戦し,選手にエールを送りたいと思います。
 気が付けば,日本のメダルラッシュに湧いていますね。試合の行方が最後までわからず,選手たちは最後の最後まで諦めることなく,メンタルスキルもさることながら,勝利に繋がった選手たち。プレッシャーのかかる試合会場で,試合の空気を変え,試合の流れを変え,試合の波に乗るということは,とても根性のいることだと思います。

 ところで,ピンチに追い込まれることとは,スポーツに限らず,仕事の局面においても少なからず,起こりうることではないでしょうか。
 さて,今回は,企業が弁護士に頼むとき,弁護士に頼まないとどうにもならないときとは,どのようなシーンなのか,辻本先生丘先生尾形先生などに意見を聞いて,ベスト5位までランキングしてみました。    これはあくまでも,オレンジ法律事務所の主観で,ランキングしたものになりますので,予めご了承ください。

5位 資金が尽き事業継続が困難

 資金繰りは,会社にとって大きな悩みですよね。事業の資金が尽きた場合,事業を今後続けられなくなる可能性があり,かなり切迫している状況だと思います。

 取引先からは,支払いをしないと,取引を止められてしまう可能性があり,この状況を一刻も打開しなくてはなりません。また,現在,進行している取引をも停止にならないように,しなくてはならないですし,今後,銀行からの借り入れ中止や支払いを待ってもらう可能性も出てくるかもしれません。
 さらには,資金繰りができないことにより,住まいを奪われたり,従業員を路頭に迷わせることも考えられます。家族にも,従業員にも,どのようなタイミングで,どのように説明をするのかなど頭を悩ますことだらけです。

 この先,解散,特別清算,破産,民事再生などの法的手続きをとるべきか,REVIC等の企業再生支援機構などを利用するべきか,どのような専門家に入ってもらう必要があるのかなど,失敗の許さない重大な局面において,選択肢を挙げることも決断をすることも,極めて困難な状況といえます。 
 複雑かつスピーディーな決断や決定した方針に従って準備を進めていくためには,弁護士に頼まないと,どうにもならないことがいえるのではないでしょうか。

「資金がまわらんにゃー!!」

4位 右腕のクーデターにあった

 社長がいつも信頼して仕事を任せていた右腕に会社を乗っ取られたり,あるいは従業員や顧客を根こそぎ引き抜いて独立されたり,さらに,会社の核となる機密情報を持ち出されるといった,まるでクーデターを起こされた場合,企業が抱える問題の中でも,最も,社長の腹のわたが煮えくりかえるものではないでしょうか。

 これまで,何年も時間を費やし築きあげてきた,会社の財産でもある人材,取引先及び事業における機密情報を持ち出されたことにより,対外的な点でいえば,取引先からの信頼は失墜しますし,対内的な点でいえば,従業員からの信頼も失いかねません。一刻も早く,手を打たなければならないかと思います。
 会社としての威厳を保つため,ケジメをつけるため,弁護士に頼んで,できることを徹底的にしなければならないと考える社長も少なくありません。

 機密情報を持ち出した場合,不正競争防止法違反にあたり,民事上の責任のみならず刑事責任を追及することが考えられますが,重要な鍵となる証拠集めについては,捜査機関の協力を得ることは容易ではなく,自らしなければなりません。
 刑事処罰を与えるにしても,クーデターをやめさせるにしても,なかなか自分では対処する術が思いつかないこともあり,自分で何とかしなければと思っている間に適切な時期を逃してしまうことも考えられるので,弁護士に頼まないと,どうにもならないといえるのではないでしょうか。

3位 多額の代金支払いを拒まれる

 事業を行っていると,請求書を送っても,全く代金を支払ってもらえないということがあるようです。せっかく物を販売したり,工事等を施行したのに,代金を支払ってくれないのはとても困りますよね。
 会社自身が,簡単な通知書を送ってみたり,内容証明郵便で通知書を送っても,クレームのようなことを言われて支払いを拒まれたり,梨のつぶてということもあります。

 そういうときには,弁護士の力を借りて,何とか多額の代金の回収をしたいと思うのが当然なのではないでしょうか。弁護士から通知書が届いたことで,あっという間に解決することもあるようです。これまで通り支払いを拒んでいれば,いずれ裁判が起こされると相手方が判断するからだと思います。

 多額の代金が回収できない事態が続けば,会社の営業の士気も下がりますし,会社存続の危機にもなりかねませんので,弁護士に,依頼をしないと,どうにもならないといえるのではないでしょうか。

「今月こそ払ってくださいにゃ!!」

2位 企業不祥事が発覚

 企業不祥事というとイメージが湧きますでしょうか。

 不正会計問題や個人情報流出事件などの問題です。是正勧告,業務停止などの行政指導を受けたりします。失敗を隠蔽したことがさらなる問題に発展するケースも少なくありません。
 企業にとって,かなり深刻な事態になります。
 会社にとって,不祥事が発覚した時点で,早急に対処をしないと会社の信用が危ぶまれる可能性があり,対応を一歩でも間違えれば,取り返しがつかないほど会社の信頼が失墜し,経営破綻に追い込まれる可能性もあります。

 一体何が起きたのか,なぜ不祥事が起きてしまったのか,早急に調査が必要になりますが,自分たちで調査を進めるには限界があります。大事な証拠を従業員に隠蔽されてしまうことだってあるかもしれません。社長が絡むケース,企業風土に根ざしているものについては,弁護士が,正当性をもって介入した方が,会社の信用問題に影響してくるのではないでしょうか。極めて繊細な経営判断が関わっているものですが,真実を明らかにするためにも,弁護士に依頼しないとどうにもならないことだといえるでしょう。

1位 訴状が届いた

 いきなり,会社に裁判所から訴状が届いたら,誰でも,驚き,慌てふためくのではないでしょうか。裁判所からの訴状には,●月●日までに答弁書を出しましょうとか,裁判の期日は●月●日なので出頭しましょうというような文書が添えられていますが,答弁書を出さなかったり,裁判所に出頭しなかったりしたらどうなってしまうのでしょうか。

 裁判所に出頭もせず,答弁書も出さなかった場合,よほどのことがない限り,相手方の主張がそのまま通ってしまい,あっという間に敗訴判決が出てしてしまいます。
 いずれにしても,早急に反論の書面を準備したり,証拠を集めたりしなくてはなりません。

 裁判の勝ち負けが会社にとって重大であることもありますが,それだけでなく,裁判所に毎回出頭して期日の対応をしたり,裁判のための複雑な準備をしたりするのは,紛争や裁判のスペシャリストである弁護士に頼まないとどうにもならないといえるでしょう。

まとめ

 今回,どのシーンにおいても,血の気が引くような,冷や汗が出てくる状況だなと思いながらブログを書いていました。
 いずれも,①自分ではできないという困難性,②失敗できないほどの重要性,③緊急性がある場合で,一刻も早く弁護士に依頼して,早急に対応をしてもらうことをおすすめします。
 場合によっては,弁護士以外の税理士その他の専門家の助力が必要になることもありますが,オレンジ法律事務所では,数多くの多種多様な専門家を知っていることから,必要に応じてお客様に各種専門家を紹介させていただき,協力しながら解決へと導いていくこともあるようです。
 今回のブログが,何かのお役に立つことがありましたら,幸いです。

「お困りの際は,お気軽にご相談ください」。写真は弁護士辻本

(了)