古きを知る丘先生

弁護士 辻本恵太

 前回のブログでは,馬場先生を紹介したが,同じ月にオレンジ法律事務所に入所した丘恵美利先生を紹介したい。
 丘先生の弁護士歴も10年になるようである。
 丘先生は司法試験の受験の時から知っているので,かれこれ15年以上になる。私,馬場先生と同じ慶應大学出身なので,急に慶應率が高くなった。埼玉の大宮という地を選んでくれて,ありがたい。

 丘先生とは,ゼミで一緒に勉強したりすることもあれば,10数人でテニス合宿に行ったり,40人以上で忘年会などもした。ミカン法律事務所の中野先生と丘先生とも,その頃からの知り合いである(また,ミカン法律事務所を宣伝してしまった!)。その頃の知人は,弁護士,検察官,裁判官になっていたり,他の分野で活躍されている人も多く,私にとって,貴重な人脈である。
 丘先生は,その頃から,簡単には動揺しない強い精神力を持っていて,冷静さを失うような態度を取ることが少なく,きっと心に余裕があるのだと感じた。そういう人は,窮地の時,腹を括ることができるはずであり,弁護士に向いているのだと思う。

丘先生
15年前の中野先生と私

 ところで,オレンジ法律事務所は,敵対する相手方に対して,当然,弁護士として,事実及び評価を論理立てて厳しく積み上げて主張することはあるが,不必要に攻撃的な表現を使わないことを心がけている。「非常に」など単に強調するためだけの言葉も特別に必要なとき以外使わない。これは企業相手であっても個人相手であっても同じである。
 過激な表現の方が依頼者に寄り添っているように感じるなどと言う人もいたり,弁護士によっても色々な考え方がある。
 しかし,私は,①裁判所には過激に形容する言葉を並べても効果がなく,裁判官が事実とその評価で判断すること,②代理人の過激な言葉で依頼者を焚きつけ相手方を感情的にさせるなど紛争の火を大きくすることを避けたいことなどの理由もあり,そのような表現をできる限り避けたい。
 ただ,何よりも,③紛争を生業にする仕事である以上,せめて言動においては品性を大事にしたいと思ってしまう。
 プロとして誰よりも厳しくロジカルに,誰よりも品位をもって仕事ができたらいいなと思っている。

 その点,丘先生は,女性ならではの感性の豊かさ,凜とした強さ,そして品性を感じるため,オレンジ法律事務所に馴染んで,丘先生らしいバリューを出してくれるものと期待している。
 一般的に好きなことを仕事にできることは少ないと言われるし,親しい人と一緒に仕事ができることも滅多にないはずだが,自分を良く知る古くからの知り合いがオレンジ法律事務所に入所したことで,弁護士業というものがいかに恵まれた仕事だと感じる。
 馬場先生も,埼玉弁護士会での司法修習生向け起案講評がオレンジ法律事務所入所のきっかけと聞く。これからも縁故を大事にしたい。

(了)