1 神は細部に宿る
私の好きな言葉に,「神は細部に宿る」というものがある。
私は,難しい局面を何とか突破しようと,頭をひねり続けることが大好きである。
きっと,数学に狂い,プログラミングに明け暮れた学生時代から変わらないのかもしれない。
ところで,数学は,一発逆転の発想が突然に下りてくるように思えるが,そんなことはない。
緻密にロジカルに発想を巡らせていたからこそのホームランなのである。
弁護士の仕事の中での裁判や交渉も,同様である。
敗戦濃厚な局面でも何とか逆転できないか,頭をひねり続けるのが楽しい。
とにかく冷静に,基本を大事に,細部にこだわる。
細部の資料の検討,細部のリーガルリサーチ,細部の戦略検討。
裏を返すと,大ざっぱな事件の進め方が嫌いである。
大ざっぱな資料の検討,大ざっぱなリーガルリサーチ,大ざっぱな戦略検討。
「神は細部に宿る」って本当にいい言葉である。
自分も,まだまだであり,自戒を込めて,この言葉を大事にしたい。
2 馬場直仁弁護士
ところで,先月,入所した馬場直仁弁護士を紹介したい。
馬場先生は,大学在学中に予備試験を合格し,司法試験を突破し,司法修習の修了後,森・濱田松本法律事務所という,名実ともに最高峰の法律事務所からオレンジ法律事務所に参入した弁護士である。
長年にわたり,オレンジでは,月に1回,弁護士全員で,事件検討会という勉強会を開催している。
色々な事件,法改正などを解説するものである。
先日,馬場先生が「ファンドによるM&Aの概要」をテーマに説明をした。
業務を執行する無限責任組合員および出資のみを行う有限責任組合員が結ぶ投資事業有限責任組合契約により成立し,投資事業有限責任組合契約に関する法律(LPS法)に基づき組成される投資事業有限責任組合についての説明からはじまり,最もシンプルなスキームを前提に,SPC,レバレッチ効果,ファイナンスについての簡単な説明がされた。
埼玉の法律事務所で,オレンジほど特許等の知的財産をする法律事務所はないと自負しているが,M&Aやファイナンスについて取り扱えることができれば,これは大きな特徴となる。
私も,慶應志木高の同級生が複数の案件でLBOを実現していたので,ある程度,イメージはついていたが,馬場先生からの説明で俄然興味が湧いた。
他方,馬場先生は,証拠説明書1つをとっても細かく本などで調査を怠らない。
ホームページは原本なのか写しなのかとか,配達証明の作成者は誰なのかとか,初めてのものは徹底的に調べようとする。
まさに,馬場先生は,「神は細部に宿る」を体現する弁護士である。多少,言い過ぎた。
馬場先生は,大学のときに将棋にはまったいうが,わかる気がする。
そんな馬場先生がオレンジを選んだ理由は,司法修習のときに受けた,私の民事弁護の講義の論理が緻密だったことが大きいらしい。うれしいのもあるし,数年間,司法修習生に弁護修習の起案講義をしていた甲斐があったと思う。
3 動画予告
さて,オレンジでは,毎年,関係各所に,年賀状や挨拶状を送る。
そのお手紙には,たいてい,私の風変わりなイラストが書かれている(たまに書かないときもある)が,このたび,馬場先生のほかにも,今回は紹介できなかったが丘先生の2人の弁護士が入所してくれたので,今回は動画作成にチャレンジしてみようと思っている。
オレンジのスタッフが動いている動画,いきいきと話している動画で,来月中には公開するので,楽しみにしてもらいたい。そして,何よりも,うまく動画の編集ができなくても,温かい目で見守っていてほしい。
(了)