田村が驚いた反物質(陽電子)

広報担当 秘書 田村 司

本年もオレンジ法律事務所広報担当田村のブログにお付合い宜しくお願いいたします。

オレンジ法律事務所は埼玉県内では,知的財産(特許,商標,著作権等)に強みをもっております。辻本弁護士は理系の分野から猛勉強の末,弁護士資格を取得しています。そして,法律事務所の応接室をダーウィン,ピタゴラス,ニュートン,パスカルと名付けている程,科学,数学に思い入れがあります。以前に「重力波の観測」でも紹介しました。

完成した技術知識の価値の判断は,その知識を理解している者にしか分からないのです。その知識の価値,権利の判断はその知識を理解できる弁護士であるか,否か,即ち,理系出身であることが理解の強みとなります。そして,オレンジ法律事務所の辻本弁護士は理系出身であることの強みを活かした法的サービスの具体的な活動を行っております。

実際に,公益社団法人埼玉県産業振興公社の「知的財産総合支援センター埼玉」において,埼玉の産業振興や知的財産の専門法律相談などを行っております。お困りのときは,気軽にご相談ください。

知的財産は,科学,技術,ビジネス,文学,音楽,文化,コンピューター(AI,ドロン),農業(地理的表示),など,色々な分野にわたります。そのために昨年は多くの分野の話題をブログに選定してきました。

今回は,科学技術の特許関係に携わっておられる方は,理系分野に興味がお有りになるのではと思い,特に個人的興味(量子力学)に基づいて話題を選定しました。

最新の話題を新聞から拾い集めて,文献確認をした上で,情報を少しでもお役に立つようにお届けしよう思っております。このブログが発明,特許のヒントに繋がれば嬉しい限りです。

科学に興味の無い方は,反物質「陽電子」があることを,知っていただければ幸いです。

 

知らない間に,科学,技術はどんどん進んでいることに驚かされます。

従来の知識では,理解が難しいことがたくさんあります。

今回の事例も過去に懐疑的に思っていましたが,これだけの物証が発表され,自分なりに納得するまで至りました。私,田村は現代物理学における「量子力学」は長年独学で学んでいるが,大変難しく理解まで未だ到達に至っていません。先日(2017.11.25)埼玉大学理学部宇宙粒子研究室 公開理科実験「ペルチェ素子による冷却と発電」を学んできました。そのときの解説者(横山さん)が宇宙線の研究をしているとのことでした。横山さん有難うございました。

埼玉大学の若き研究者の方々がノーベル賞受賞者になることを心より期待しております。

 

 

以下は興味のお有りになる方は,読み進めて下さい。

 

反物質 雷から生成 京大,東大チーム 証拠を発見 

自然界にほとんど存在しない反物質が雷で生成された証拠を捉えたと,京都大,東京大などのチームが発表した。論文が23日,英科学誌ネイチャーに掲載される。

チームは2006年から雷が多発する日本海沿岸などで,落雷時に放出されるガンマ線(放射線)について調べる地上観測を実施。平成29年2月から,新潟県柏崎市の沖合数百メートルで発生した落雷の後,反物質ができたことを示す微弱なガンマ線を検出した。

データーの分析から,この現象は

① 雷から放出された強力なガンマ線が大気中の窒素の原子核に当たり,中性子が一個飛び出る。

② 中性子を失った窒素が別の物質に変化する間,通常の電子と逆の電子を帯びた反物質の「陽電子」を放出する。

③ 陽電子が大気中の電子と衝突し,微弱なガンマ線が出た,と考えられるという。

陽電子は宇宙から地球に届いた宇宙線*が大気中の窒素にぶつかってできることは知られている。・・・」(平成29年11月23日讀賣新聞 13S 35一部抜粋。)

 

もっと興味深いのは,現実の実験で宇宙が生まれたときの「ビックバン」後に近い超高エネルギー状態を創り出しているようであります。

「『僕らは宇宙を創ります』と高エネルギー加速研究機構(KEK)広報室の高橋将太さん(31)は話す。東京ドーム33個分の敷地には,1周3キロメートルの加速器『スーパーKEKB』がある。実験ではマイナスの電気を帯びた電子プラスの電気を帯びた陽電子を光速(秒速30万キロ)近くまで加速,ふたつの粒子をぶつける。電子と陽電子は消滅,宇宙が生まれたときの『ビックバン』後に近い超高エネルギー状態になる。・・・将来のノーベル賞学者が現れるかもしれない。」(平成29年12月26日讀賣新聞夕刊3版6一部抜粋。)

 

「・・・アンダーソン(C.D.Anderson. 1905-)は,宇宙線粒子が物質に衝突したとき大きなエネルギーを失い,このエネルギーを失い,このエネルギーが電子と陽電子になる現象を1932に発見した・・・。」(一部抜粋)(注1)

 

それ以外にも,真空から陽電子が実験的にできるとの著書もあります。

「陽電子などの反物質は,ガンマ線同士を衝突させるなどして,真空のある一点に大きなエネルギーを集中させると,電子と陽電子のペアが現れる。真空中に反物質のペアが瞬間的に現れることを対生成,それらがパッと消えることを対消滅という。」(一部抜粋)(注2)

最後まで辛抱強くお読み頂き有難うございました。皆様の活躍を期待しております。

 

 

 

参考資料

(注1)小沼通二著『現代物理学』 放送大学教材 改訂版第1刷 1997.3 P101~102

(注2)東京大学教授 佐藤勝彦 監修『図解雑学 量子論』 ナツメ社 1999.2 P176

吉田伸夫著『素粒子論はなぜ分かりにくいのか』 技術評論社 初版1刷2014.1 P141