広報担当 秘書 田村 司
いつもご愛読頂き誠に有難うございます。
オレンジ法律事務所の田村です。今回も「田村が・・・」シリーズです。
毎日が知らない事との遭遇です。(UFO未知との遭遇,笑い)
今回も新聞に記載されていた犯罪を紹介いたします。
「詐欺サイト 一斉摘発 20都道府県警 口座開設43人 被害額2億4,000万円
・・・詐欺サイト・・・警察当局は振込先の口座の名義人になっていた20~60歳代の男女43人を『犯罪収益移転防止法』違反や詐欺の疑いで逮捕,書類送検。昨年末から今年6月までの間,自分名義で開設した金融機関の口座番号とパスワードを何者かに3万~6万円で譲り渡していたとされる。・・・」(讀賣新聞平成29年12月21日(木)より一部抜粋)
詐欺などを実行することはもちろん,自分の口座を売るなどで,犯罪に関与することも罰則対象になるようです。今回のような犯罪には1年以下の懲役又は100万円以下の罰金になるようです。
自分の通帳・カードを3万~6万円で売渡して, 100万の罰金をとられます。
犯罪は決して,経済的に德はしません。犯罪に使われる事は分かりきった事です。
しかも,捕まります。
主犯格は捕まらないようにするため,このように他人の口座を買取るようです。
しかも,トカゲのしっぽ切りにされて,口座の名義の人だけが,犯罪者となる可能性が高いと思われます。
中国のことわざの通りに,「君子危うきに近寄らず」,「李下に冠を正さず」と慎重を期してください。
通帳,印判,カードのイメージ図
今回の事例以外にも,詐欺や紛失・盗難などにより,意図しない犯罪(振込め詐欺)に巻き込まれるケースもあるようです。
口座に振込むイメージ図(振込め詐欺)
しかも,紛失・盗難により悪用された人の口座以外の日常生活用の口座にも,口座凍結対象にされて日常生活に必要な年金,給与も止められる2次被害も発生しているらしい。
救済措置として,2次被害の口座利用者は金融機関に異議申立をすることができるそうです。
しかし,口座凍結を指定した警察署にわざわざ出向く必要があるのです。
そして,凍結口座以外の複数口座の履歴を示すなどしながら,犯罪とは無関係であることを証明してやっと凍結解除してもらえるようです。
いつ,犯罪に巻き込まれるか分かりませんので,そのような事態に陥ったら,頼りになる者は,法律事務所の弁護士であると思っております。
オレンジ法律事務所の弁護士全員が刑事事件,民事事件に精通していますので,お困りの時はぜひご相談下さい。
新聞記事でさらりと読み流し易い部分であり,皆様のご参考にできたらそれが私の喜びです。
今回もお読み頂き誠に有難うございます。
以下は興味のお有りの方はお読み下さい。
金融機関ではマネーロンダリングなどの犯罪のために利用される事を防ぐため,本人確認法に対応していました。その法律の幾多の法改正があり,改正経緯はつぎの通りです。
平成15年1月6日より「金融機関等による顧客等の本人確認等に関する法律(本人確認法)」(平成14年法律第32号)施行。
平成16年12月30日より名称を「金融機関等による顧客等の本人確認等及び預金口座等の
不正な利用の防止に関する法律」に変更して施行。
他人になりすまして口座を開設する行為や、他に譲渡する目的で口座を開設したり、口座を譲り渡したり譲り受ける等の行為に罰則を設ける。
平成18年9月22日に施行令及び施行規則の一部改正が公布され、
平成19年1月4日から施行。10万円を超える現金送金等に本人確認が義務づけられた。
平成20年3月1日「犯罪による収益の移転防止に関する法律」の全面施行に伴い廃止。
新聞に記載された犯罪は犯罪収益移転防止法28条(正式には犯罪による収益の移転防止に関する法律)のようです。
「・・・1年以下の懲役若しくは壱百万以下の罰金にし,又はこれを併科する。・・・通常の商取引又は金融取引として,行われること その他正当な理由がないのに,有償で,預貯金通帳等を譲り渡し,交付し,又は提供した者も同様とする。・・・」条文一部抜粋
「李下に冠を正さず」の意味
スモモの木の下で曲がった冠をかぶり直せば実を盗んでいるのではないかと疑われるという意・・・疑惑を招くような行為は避けるべきであるということの例えです。