私の考える外国人技能実習制度

広報担当 秘書 田村 司

いつもお読み頂き誠に有難うございます。

大宮駅東口から徒歩2~3分の場所に大きなビルの建設が進んでおり,駅周辺は変貌しつつあります。実は,オレンジ法律事務所もすぐこの近くにあります。

ビル建築の現場写真

ビル工事現場の出入監視人との談話,「(地権者の合意などがとれ),やっと駅東口も開発がすすむ。18階建商業オフィスビル,駐車場設置になるようです」とのこと。

完成イメージ図

 

このビルを見ながら,オレンジ法律事務所に着いて,自分の席に座って思い出しています。

最近の相談の中には,辻本弁護士宛に,外国人技能実習制度の相談も増えているようすです。

詳しくは分かりませんが,オレンジ法律事務所は,このような法律にも対応しております。埼玉県の建築業者などの顧問契約の企業さんからも多数の法律の相談も承っております。

 

建設と言えば,通勤途上の産業廃棄物の処理やアパート建築現場には,必ず,外国人労働者の姿を見かけます。そして仲間同士で,母国語を話しています。

 

少子高齢化も相まって,日本の建設業には外国人労働者が不可欠になっているようであります。

建築,土木関係の某社長さんに労働確保の現状の生の声を聞く機会がありました。

労働者不足でハローワークに依頼しても日本人の人材が集まらないとのことです。

そこで外国人労働者2名を雇ったが,現場で使えなかったとのことです。

その理由を聞くと,「外国人技能実習者は,はっきり言って,言葉が通じないので,使えない」との話でした。

今まで私は,日本語教育支援体制があっての,技能実習との認識であったが,その認識を覆されました。

そこで,今回,新しい「技能実習法(法律)」の技能実習制度における日本語教育支援がどのようになっているかを確認してみました。

 

日本語教育支援という観点から記載を見ましたら,二箇所ありました。

 

一箇所目,2か月間の講習(座学)が設定されているが,日本語教育支援の比重が不明。

実習生が入国した後,講習(座学)を実習実施者(企業単独型のみ)または監理団体で原則2か月間実施(雇用関係なし)する。

(技能実習の内容として,日本語・出入国や労働関係法令等の科目による入国後講習が行われることになっている。)

 

二箇所目,優良要件の適合する実習実施者や監理団体の場合に第3号技能実習(4~5年目の技能実習可)の特典を付与する制度にしている。

日本語教育支援の比重は,優良な実習実施者の要件,優良な監理団体の要件として,地域社会との共生(実習生に対する日本語学習の支援,日本文化を学ぶ機会の提供)の評価項目にたいして,優良認定の120点中4点の配点です。

 

私,田村は,日本語教育支援の対応は努力項目であり,優良認定の特典を設け,義務ではないような規定に読み取れました。日本語教育支援の比重は低いように思われます。

通常,挨拶や日常会話は出来ても,仕事の複雑な会話は,業種ごとの専門用語などもあり,語学習得には日数がかかります。OJTにおける日本語教育支援も並行して力を入れる必要性を感じます。

技能・技術・知識の開発途上国への「人づくり」ならば,日本語教育支援から始めるのが先であり,今のままだと,「労働力の需給調整手段」とまた非難されかねないと思います。

そのような日本語教育支援体制は,中小企業には体力的に難しい部分であると思われますので,財政支援が必要ではないかと,私,田村は個人的に考えています。

 

今後,建設業の社長さんの苦言が改善(日本語教育支援の実施)されることが,私の喜びです。

最後までお読み頂き有難うございます。

 

 

 

以下は興味がお有りの方はお読み下さい。

 

技能実習法(法律)が新しくなっているようですのでご参考にしてください。

「外国人技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律(技能実習法)」

の概要は次の通りです(平成29年11月1日施行,平成28年11月28日公布)。

1,技能実習計画については認定制とする。

報告徴収,改善命令,認定の取消等を規定。

2,実習実施者については,届出制とする。

3,監理団体について,許可制とする。

認可の基準,欠格事由,遵守事項,報告徴収,

改善命令,許可の取消等を規定。

4,技能実習生に対する人権侵害行為等については

禁止事項を設け違反に対する罰則を規定。

5,外国人技能実習機構を認可法人(平成29年1月25日設立登記済)が,

つぎの業務を担う。

①技能実習計画の認定

②実習実施者・監理団体に報告を求め実地に検査

③実習実施者の届出の受理

④監理団体の許可に関する調査

⑤技能実習生に対する相談・援助を行う。

 

もしもっとお知りになりたい場合は,法務省・厚生労働省のホームページをご覧ください。