もしかしたら日本一

弁護士 辻本恵太

一度,ブログを書いたので,勢いを大事にまた書きたい。
教育とか,セミナーとか,講義とか。
頼まれたりして,たまにしたりもするのだけども,いつも難しいなと思う。
受講者のためになったかなとか。
理解してくれたかなとか。
今日は,司法修習生に対する自宅起案とその解説について書くこととする。

埼玉地方裁判所に配属された司法修習生全員に対して,毎年年4回、研修旅行に帯同して,起案の講評(講義)をしている。ちなみに,司法修習生とは,裁判官,検察官,弁護士のたまごであって,数ヶ月後に弁護士などになるであろう人たちである。
最近では,だいたい毎年70人弱くらいであろうか。越後湯沢、熱海、鬼怒川、伊香保など。

(鬼怒川温泉あさや)

民事系の問題が多い。ただ,オレンジ法律事務所が会社の相談が多かったり,知的財産関係の相談が多いこともあり,会社対会社の訴訟をテーマにすることが多い。

ときには資料も含めて,数十頁の問題を作ることもあり,問題作成はちょっと大変。
問題作成の時には,秘書も大慌て。田中さんや小田倉さんに,感謝するばかりである。
1日,2日で200~300枚もの答案を採点するのだが,採点自体は案外楽しくもある。
最近の司法修習生の傾向も見えてくる。

問題は解説である。2時間近く解説をする。
うまく全員を誘導したり,巻き込むことができれば,理解が深まって何だかいい感じになる。
課題を通じて,代理人弁護士の悩みを実感してくれればと思っている。
逆に,うまく伝わらなかったら,どうしようとか思ったりもする。

余り細かくはいえないが,会社法がらみの問題だったり,知的財産がかかわる契約書の作成だったりするときもあるが,弁護士である以上,和解とか調整などが重要なテーマになるようにすることが多い。まだ,司法修習生なので,本当に,気楽に楽しみながら,挑戦してもらえればと思う。

ここ数年,幹事をしている埼玉地方裁判所裁判官との民事訴訟協議会などで取り上げられたものを紹介したりもする。即決和解だとか,釈明だとか,訴えの提起前における証拠収集の処分だとか。

起案の講評が終わると,後は,宴会。
2次会,3次会と旅行先での宴はひたすら続く。
私は,せっかくなので,たいてい明け方まで一緒におしゃべりをしたりする。

さて,埼玉地方裁判所に配属された司法修習生に講義を教えるようになって今年で4年目になる。
今年が終わる頃には,私が講評をした司法修習生は250人を越える。
10年すれば,700人近くになるだろう。
修習所の民事弁護教官であっても700人もの人数を教えることはない。
そうだとすれば,もし司法修習生への起案講評をあと数年続ければ,日本一多くの司法修習生に講義をした弁護士になれるのではないだろうか。

すでに埼玉弁護士会に入会している新人弁護士の人たちの多くが,私が起案講評をした先生になっているし,東京地方裁判所にいると,声をかけられるときがあり,何だか嬉しく思う。
ぜひ,オレンジ法律事務所に遊びに来てもらいたい。
そのときは,秘書の田中さん,小田倉さんが,きっと,美味しいコーヒーを入れてくれるはず。

(コーヒーを入れたり、問題作成を手伝ってくれる田中さん、小田倉さん、櫻井さん)

いつか訴訟で対峙するときには,色々とよろしくお願いしたい。いや,お願いいたしますm(__)m