フルドライブ環境

弁護士 辻本恵太

あまりにも久しぶりすぎるが,最近のよもやま話をかいてみようと思う。

プログラミングする弁護士

私がもともとシステムプログラミングが大好きだった。もう20年以上も前になるが,学生時代,ネットワークプログラミング,デバイスドライバなどを作ったりしていた。弁護士になってからも,システム開発やシーケンサ,情報通信技術等の案件を扱うことも少なくない。

オレンジ法律事務所でも,システム関係の事業を行ったり,プラットフォームビジネスを展開する顧問企業も多い。
これらの企業は,特許権,著作権,不正競争防止法などの知的財産に関する相談が不可欠であることもあり,オレンジ法律事務所とは顧問契約を結んで,末長いお付き合いとなることも多い。

とはいえ,私が企業から委託を受けてバリバリC言語,Visual C++(ときにはアセンブリ言語)などでプログラミングをしていたのは,かなり昔。弁護士になってから知り合いに頼まれて簡単なプログラミングをしたことはある程度で,今は,開発環境も進化し,日進月歩,分進秒歩のこの業界についていくのはそう簡単ではない。

そういえば,お世話になった村井純教授は,10年近く就任していた慶應義塾大学環境情報学部長の任務を終え,今年2月には,レジオンドヌール勲章(シュヴァリエ)を受けたという情報が入ってきた。あまりよくわからないが,誇らしい。

頭をフルドライブする環境整備

そのような中,私は,時代の流れに取り残されないよう,時々,学部時代の友達らに会って,生の情報を触れたり,友達が企業した会社などに行って,刺激を受けたりする。
そういう友達と会って,いつも感じるのは,気を抜けばすぐにテクノロジーの進化に取り残されてしまうということである。
あっという間にビジネスの常識にも取り残されてしまう。

例えば,プロジェクト管理,会議など社内や社外の色々な意思形成,決定,伝達などのためのコミュニケーションなどのためのツール,営業秘密の管理を含む情報セキュリティーの問題,社内ベンチャー,テレワークだとかの労働環境の現状だとか,転職事情だとか。資金調達の悩みもよく聞いたりもする。PRAも前々から興味が強く持っている。

 

オレンジ法律事務所では,事務所設立以来,不便のないように最低限の環境の整備を進めてきた。
全ての会議室には大きなディスプレイとPCがあり,打ち合わせ中にはディスプレイに時系列表やWeb上の資料を確認したり,別室でリアルタイムで打ち合わせ内容の記録をモニターしながら,必要な支援をする。wifi環境の整備を整備し,ビデオ会議の数も増えている。私の執務スペースのPCは,縦長2つ,横長1つの合計3つのディスプレイを備付けている。

本当は,スマホやタブレットなどで起案するのが早いのかもしれないが,私は,どうもプログラミングをしていたときのクセなのか,青軸のメカニカルキーボードでバチバチと音を立てながら起案する。
頭の使い方が古いのかもしれない。

クライアントのサービス向上のためということがもちろんあるが,結局は,記憶力の乏しい私は,何か新しいことを思いつく発想力と,何かないかと 粘って考え続ける思考の体力で勝負するしかないと思っているのだ。
そのために,アンテナを張りつつ,いつでも,頭がフルドライブできる環境を整えることしかないのである。

ちなみに,下の写真は,秘書がオレンジ法律事務所のスタッフのために,事務所で月見のためのお茶会を開いてくれたときの写真である。こういうことも疲れた頭を整えるために必要かなと思い,ありがたく思う。