催眠商法

営業 秘書 田村司

いつもお読み頂き誠に有難うございます。今回は「催眠商法」がテーマです。
オレンジ法律事務所はビジネス法務などや民事以外の刑事事件など多数の分野のご依頼を手掛けています。

最近,新聞記事を見て落胆しています。
20年~30年前に見聞した事件がまた繰り返されています。以前「原野商法」で説明したような「悪徳商法」の事件がまた新聞発表されました。今回も経験談を踏まえてお話します。
それは,2017/11/16(木曜日)読売新聞,「60億集金『催眠商法』集客の手口」という記事です。
「催眠商法」とは契約の勧誘本来の目的を隠して,主に高齢者を集め,集団催眠に似た雰囲気をつくり出し,高額な健康食品,健康機器,布団などを売り付ける悪質な商法です。

そう言えば,20年前,我が家の隣の空き地でテントを張り,高齢者を集め,羽毛布団を高額で売っているところを目にしました。これが,最初の「催眠商法」との遭遇でありました。
今回の記事の集客の一連の手口は,次の通りです。
1,最初に商品を格安で販売し,客の購買意欲を盛り上げる。
2,直ぐさま,高額な健康食品や羽毛布団を購入させる。
3,その後VIP扱いとして,無料で,都内の催事場に招待する。
4,催事場の有名歌手などの華やかなショーを見せて,信用させる。
5,高配当をPRして事業への投資を呼びかけ,出資金を集める。

そして,今回の誘いの具体例は次の通りです。
1,「年利4%で銀行より好条件」との甘い言葉
2,「元本保証で高配当が得られる」との甘い言葉
3,パンフレットの「VIP会員さまのみ」という甘い誘い文言
4,パンフレットの「御礼利息16%」という甘い高配当PR文言

なお,出資名目の具体例としては次の通りです。
1,北海道余市町で農作物や果樹園栽培,家畜飼養を行う事業
(一口200万円2年間で12%の配当を約束)
2,中国の鉱石事業
3,輸入ワインの販売
4,梅園経営といった新規事業
(応援金,協力金,名目で出資を募った)

私が見聞して記憶している過去の「悪徳商法」としては,次の通りです。
1,金証書販売商法(豊田商事事件),
2,ゴルフ会員権商法
3,ネズミ講(無限連鎖講)
4,屋根の無料点検,床下の無料点検の悪徳商法
5,マルチ商法(連鎖販売取引)

「催眠商法」などの「悪徳商法」対策として,思い浮かぶことを述べます。
1,断る勇気を持ち,絶対に安易に契約をしないでください。
後日に損害の請求をしても,損害の回収の見込みはないのです。
2,親族,友人に相談(孤独な老人が狙われる),単独で判断して契約しないでください。
ただし,親族,友人を使って,出資金を集める手口や,それ以外にマルチ商法もありましたのでご注意ください。
3,冷静になって,理論的,合理的に考えてください。
「儲かるなど」の欲を基準としないでください。
「今すぐ購入契約をしないと損をする」との言葉に惑わされないでください。
4,会場での説明には「サクラ(おとり)」に気を付けてください。
「心理誘導され,気付いたら契約していた」という結果の可能性があります。
5,親族の超高齢者,高齢者,准高齢者には,予防として,任意後見制度があります。
弁識能力低下の方には成年後見制度の活用もご検討ください。
6,「悪徳商法」に遭ったら早めに弁護士に相談し対応をとってください。
なお,オレンジ法律事務所の有馬弁護士は刑事事件など多数の経験を有しています。
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最後に,「自分は絶対に騙されない,そのような集団催眠にかからない」と思っている方,決して他人事ではありません。
聞くところによると,説明する者(騙す者)は,とにかく話し上手で,聞き手の自尊心を擽り,心地よい気持ちにさせて,誘導するそうです。その結果,しっかりした人でも,騙されています。ときには強引に契約させる手法も織り交ぜて使うようです。
高額と常識で思えるものであっても,リーズナブルな価格,低額と思わせることで,お得感を醸しだし,冷静な思考を停止させる話法を使うようです。
お金がないから,私は大丈夫と思っている方,借金(ファイナンス)をさせられて物品を買わされるケースもあると聞きます。

わたしも「無料の旅行の誘惑」に遭いそうになったこともありました。
家内に相談したら「無料旅行を謳い文句にして,旅行先で,高額商品を買わせる手口の可能性がある。止めた方が良い。」と言われたことがあります。トラップに落ちるところでした。  危ない,危ない,「ただほど高いものはない」と,肝に銘じた次第です。
家内が冷静な判断で,アドバイスしてくれたおかげで,今日まで,無事に過ごせたと思っています。みなさんも,「眉唾物」には気を付けましょう。

このブログが皆様のお役にたてましたら,それが私の喜びです。
最後までお読み頂き誠に有難うございます。