新型コロナウイルスワクチンで働き方はどう変わる?

秘書 三枝

1.新型コロナウイルスワクチンと労働問題

 新型コロナウイルスの影響により,2020年1月から大変な時期が続いていますね。私自身,去年の大学では,授業から卒業式まで全てオンラインであったり,せっかくのお休みがあっても,友人に会いに出かけることを躊躇したり,思うように過ごせない日々を過ごしました。経営者の方々におかれましては,オンライン会議の普及や,休業による労働日数調整の対応など悩むことが多かったことと存じます。

 そこで今回は,厚生労働省のHP上で最近更新された新型コロナウイルスQ&Aの中から,新型コロナウイルスワクチン接種による労働問題に関してのQ&Aを3つご紹介したいと思います。お悩みの解決のお手伝いができましたら幸いです。

埼玉県マスコット「コバトン」

2.新型コロナウイルスワクチンの接種を拒否した労働者を解雇,雇止めすることはできるのか。

 一つ目のQ&Aは,新型コロナウイルスワクチンの接種を拒否した労働者を解雇,雇止めすることはできますか。という質問です。拒否したことのみを理由として解雇,雇止めを行うことは許されるものではない。という回答がされていました。

 厚生労働省のHPにも「接種は強制ではなく、あくまでご本人の意思に基づき接種を受けていただくものです。」と記載がある通り,強制ではなく任意で接種を受けるものなので当然と思われるかもしれませんが,接種をしないことによるいじめや嫌がらせで悩んでいる人が実際にいるそうなので,ワクチンによる労働問題は起こりかねないのかもしれません。

3.新型コロナウイルスワクチンを接種していない労働者を,人と接することのない業務に配置転換することはできるのか。

 二つ目のQ&Aは,新型コロナウイルスワクチンを接種していない労働者を、人と接することのない業務に配置転換することはできますか。という質問です。一般に,就業規則等において業務上の都合により労働者に転勤や配置転換を命ずることの出来る旨の定めがある場合には,企業は従業員の同意なく配置転換を命じることができますが,無制限に認められるわけではないので,労働者が納得するように慎重に検討して,労働者の理解を深めることに努めるようにという回答がされています。

  配置転換の同意を強要等した場合には,パワーハラスメントに該当する可能性も出てきてしまうので,慎重に行い,パワーハラスメントが生じないよう留意する必要があるそうです。

4.採用時に新型コロナウイルスワクチン接種を条件とすることはできるのか。

 三つ目のQ&Aは,採用時に新型コロナウイルスワクチン接種を条件とすることはできますか。という質問です。新型コロナウイルスワクチンの接種を受けていることを採用条件とすることを禁じる法令は無いのですが,その理由が合理的であるかどうかについて、求人者において十分に判断するとともに、その理由を応募者にあらかじめ示して募集を行うことが望ましいと考えます。という回答がされています。

 アメリカのインディードでは,2021年2月から同年7月までの間にワクチン接種を求める求人件数が65倍に増えており,最も増加したソフトウェア開発分野で100倍以上増加したそうですが,割合で見ると全体の0.1%ほどなので,件数自体は多くないようです。

 日本でも,「ワクチンインセンティブ」というワードで求人を出している企業を見たことがあります。新型コロナウイルスワクチンの接種を強制するものではなく,接種が雇用条件になっているわけではないようでしたが,接種を重要視する企業が今後も増えていくのかなと思いました。

5.まとめ

 今回ご紹介するQ&Aは以上です。厚生労働省のQ&Aには,他にもテレワーク導入や,時差通勤,昼休みの時差取得など,感染防止に向けた柔軟な働き方に関するQ&Aや,新型コロナウイルス保証や申請方法,対応についても書かれておりますので,よろしければこの機会にご覧になってみるのはいかがでしょうか。最近は緊急事態宣言も解除され,感染者も減少傾向にありますので,この新型コロナウイルスワクチン摂取をきっかけに,生活様式が変化していくと良いなと思っております。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

埼玉県マスコット「コバトン」