今年の書き初めは,9文字であり,みんなに9文字書いてもらった。
私は,タイトルの通り,44歳は二度あるかという文字を書かせてもらった。算用数字を縦書きで書くのはどうかと思ったが,結構,落ち着きが良いのでそのままにした。

1 30年前の中3の塾の合宿のころ
さて,中学3年生の塾の合宿のこと。今から、30年も前になる。
当時、塾に行くのが楽しくて仕方なかった。夏合宿の最終日,合宿所でプロの方の講演を聞いた。講演家の名前は忘れたが、話はほぼ覚えている。
薬が入っていると言って、実は何も入っていないカプセルと本当に薬が入っているカプセルを飲ませるときのプラシーボ効果の話。ピュグマリオン王の恋焦がれた女性の彫像が、その願いに応えたアプロディテ神の力で人間化したと言う伝説とピグマリオン効果の話。
今思うと強く思い込むことで現実になるという話が多かったのだと思う。受験生にハッパをかけるためだったのだろう。
最後の話が「13歳は二度あるか」というものであった。詳しい内容は、忘れてしまったのだが、今、この機会を逃せば、二度と同じ時は戻ってこないというものだった気がする。「13歳は二度あるか」という強い語感が何よりも脳裏に焼き付いた。
まだまだ13歳だから。次の機会で構わない、・・・と思う気持ちを痛烈に批判する。今、この機会を逃せば、二度と同じ時は戻ってこないというメッセージだった気がする。
2 30年後の44歳の私
感受性が豊かな中学3年のときだったからこそ、心に響いたのかもしれない。
少なくとも44歳になった今も、忘れていないということはそれほど強烈なインパクトだったのだと思う。44歳,44歳。ぞろ目のほか,何の変哲のない年齢に思えるが、敢えて、思い入れを持ちたい。

44歳という1度しかない時に,思い切った選択をして。とびきり頑張って、多くの人に感動を与えて。
これ以上にないくらい楽しんで。
いつか人生を振り返って、あの2021年はすごかった!と思えるような、1年にしたいと思う。
44歳は二度あるか。一度きりの44歳を疾走したい。
ちなみに、「13歳は二度あるか―『現在を生きる自分』を考える」は、吉本ばななの父であり、詩人、思想家である吉本隆明の著書である。これを機に、読んでみたいと思う。
以上