平成29年1月 オレンジ書初め大会(第5回)

課題の文字数を、毎年1字ずつ追加して課題設定しており、本年は、弁護士・秘書・事務員スタッフ総勢12人で、各々「漢字5文字」の書き初めに挑戦いたしました。

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食客三千人

弁護士 辻本恵太

「食客」とは,君主たちが才能のある人物を客として振る舞って養う代わりに主人を助けるという,中国の戦国時代に広まった風習です。君主たちは,この様々な才能を持つ食客を数千人養って,いざという時に備えるということを「食客三千人」といいます。

私は,能力において,かなり凸凹があって,そのことを良く認識しています。
そのため,新しく入所する弁護士その他のスタッフとしては,私と異なる能力,才能を持つ人を積極的に採用しております。また,専門的な特殊業務をアウトソーシングし,サービスの質を高めています。特許庁で特許審査をしていたり,銀行等で企業内弁護士の経験があったり,地方公共団体の顧問をしていたり,埼玉県職員として産業廃棄物の適正処理指導をしていたりするなど様々な経験を持っている弁護士が集まっています。

また,大きい事件の段取りが得意だったり,難しい分野を深く熟考することができたり,老若男女,他人に好印象を与えたり,人の特徴を覚えるのが得意だったり,確率論や流体力学が得意だったり,新たなサービスを考えたり,事務所のイベントでみんなを楽しませてくれたり,事務所が大変なときに陰で支えてくれたり,新人スタッフに優しかったり,色んなスタッフがいます。

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食客三千人

弁護士 辻本恵太

脇弁護士が入所して弁護士も6人になり,オレンジ法律事務所が開所して5年間。
才能豊かな素晴らしいスタッフに恵まれたこともあり,法律事務所としての礎ができたと思います。
もっとも,次の5年間こそが本当の勝負です。来るべきAI弁護士,AI検察官,AI裁判官にも遅れを取らず,協調しながら,今以上にたくさんの人に高い付加価値を届けることができるよう,適切なリスクをとり,柔軟かつスピーディーに変化し続けることができる体制を作ることが私の仕事だと思っております。

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開拓者精神

弁護士 中野仁

「開拓者精神」と書いて,フロンティアスピリットと読みます。

弁護士になりたてのころ,弁護士という仕事は一生勉強である,と言われたことがありますが,たしかにその通りで,弁護士になって10年,その言葉を噛みしめながら日々業務をさせて頂いております。様々なご相談を頂く中で,自分が今まで経験したことがない問題や,まだ議論が深まっていない問題,過去に全く問題になったことがない問題などにぶつかることがありますが,これらについて,やったことがないから,分からないから,といって逃げていては,弁護士としても,人間としても,全く成長しません。

分からないことから,経験したことがないことから逃げずに,徹底的に調べ,頭が痛くなるほど考え,戦略を立て,最良の法的サービスを提供する姿勢が弁護士にとって重要であると考えております。

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開拓者精神

弁護士 中野仁

テクノロジーの急速な進化により,FinTech,IoT,AI,VR,ロボット等,社会生活を取り巻く環境が激変し,Singularityへの到達も予測されている現代においては,今までになかった法的問題が多数発生すると思われます。そのような時代であるからこそ,当事務所が皆様のお役に立てるよう,逃げない姿勢,開拓していく姿勢を持ち続けることが責務であると考えております。

私自身も,フロンティアスピリットを常に持ち続け,チャレンジをし続ける1年にしたいと思い,「開拓者精神」を本年の目標にいたしました。
本年もよろしくお願い致します。

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日々是好日

弁護士 後藤久美子

日々是好日とは,中国の唐未から五代にかけて活躍された大禅匠、うんもんぶんえん雲門文偃禅師の語として知られている言葉です。

この言葉を見たときに,今年は,毎日がよい日であればいいな,と思い,書き初めにこの言葉を選びました。しかし,この言葉の意味は,それほど単純なものではありませんでした。

日々是好日とは,拘りやとらわれを捨象して,その日一日をただありのままに生きる,清々しい境地を意味するそうです。たとえば,嵐の日であろうと,何かに悩まされる日であろうと,ただひたすらありのままに生きれば,全てが好日なのだそうです。どんな雨風があろうとも,日々に起きる好悪のできごとがあっても,この一日は二度とない一日であり,かけがえのない一時であり,一日であって,この一日を全身全霊で生きることができれば,日々是好日となるのだそうです。

一年間365日,いろいろなことが起きるかと思います。大変なこともきっとあると思います。しかし,その一日一日をありのままにいき,「好日」と思えるように過ごしていきたいと思います。

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線型計画法

弁護士 片山伸輝

「線型計画法」は,最適化問題を解くためのアルゴリズムの一種で,例えば,スタート地点からゴール地点まで,複数のルートがある場合に,最適化を移動距離の最短化と定義したとき,どのようなルートを採るべきなのか,あるいは,最適化を消費カロリー量の最大化と定義したとき,どのようなルートをたどれば良いのか・・・という意思決定を数学的に行うものです。

私は,大学院修士課程時代に,河川水質環境の管理を最適化モデルの開発に取り組み,そのモデルに線型計画法を導入しました。私は,ここでの最適化を,河川の水質観測点における汚濁物質の濃度を一定レベル以下に抑えるという条件の下で,河川への汚濁物質の負荷総量を最大化すること(ひいては河川水質管理コストを最小化すること)と定義していました。この線型計画法の特徴は,はじめに最適化を定義し,そこから逆算的に採るべきプロセスを選択する意思決定を行うことにあります。

弁護士登録元年を振り返ると,がむしゃらに突っ走ってきたような気がします。しかし,弁護士2年目は,依頼者の方々の利益を最大化するため,どのような段取りで,どのようなタイミングで,どのようなリサーチや交渉などを行えば良いのかについて,逆算的に,的確に判断することを追究し,磨きをかけていきたいと考えております。これは,まさに線型計画法の考え方そのものであります。

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永遠不放棄

弁護士 上床栄次朗

「永遠不放棄」とは,「絶対に諦めない」ことを意味する中国語のようです。この言葉は,流通額が51兆円を超える電子商取引サイト等を運営する阿里巴巴集団(アリババ・グループ・ホールディング)の創業者である馬雲(ジャック・マー)氏の座右の銘であると言われています。

弁護士の業務は困難な場面の連続です。相手方がおよそ受け入れられない主張を繰り返して全く折り合いをつけられない,そもそも相手方と連絡が取れない,当方の主張を裏付ける証拠がない,法律的に考えると当方の主張が受け入れられる可能性が低い等,解決までの道のりにいくつもの困難が待ち構えていることが少なくありません。このような状況下においても,決して諦めることなく,どこかに打開策があると信じて,頭を振り絞って依頼者利益の最大化を目指すことこそが弁護士に求められているものであると考えます。

私の今年の目標は,諦めずに努力を重ね,より依頼者の利益になるように業務を行っていくことです。

今年もよろしくお願い申し上げます。

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得手不得手

弁護士 脇由有

昨年12月15日に弁護士登録を完了し,正式に弁護士として働き始めました。
一人の弁護士として業務を行うようになってからというもの,これまでの「学ばせてもらう」という立場とは異なり「自分が他人のために業務を行う」という立場になったことを痛感し,反省の絶えない毎日です。
そのような毎日の中で,一人の弁護士として生きていくためには,自身の「得手不得手」を正確に認識することが必要不可欠であることを強く感じました。

得手不得手とは,得意とする事柄と不得意な事柄を指します。誰にでも得意なこと,不得意なことがあるとは思いますが,弁護士は,不得意を不得意として放置することがあってはなりません。

不得意なことを得意なことにするためには,まず,「不得意である」ということを認識することが必要です。「不得意である」ということから目をそらし逃げ回っているうちは,その事柄を克服することは決してできません。

落ち着いて物事を処理していく心の余裕は,自分の得手不得手を正確に理解したうえで,得意なことを行っているときに生まれるものです。そして,不得意なことも得意なことに変えてしまえば,心に余裕をもって冷静に対処できる場面が多くなります。

不得意なことは,克服してしまえば得意なことに変わることもあります。まずは,自分の得手不得手を見極め地道に克服していく,そんな1年にしたいと思います。

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獨釣寒江雪

秘書 中久木

書き初めの六文字に選んだ「獨釣寒江雪」は,唐代の詩人である柳宗元の,「江雪」という漢詩の一節です。

江雪  柳宗元
千 山 鳥 飛 絶  (せんざん千山 とり鳥と飛ぶことた絶え)
万 径 人 蹤 滅  (ばんけい万径 じんしょう人蹤 めっ滅す)
孤 舟 蓑 笠 翁  (こ孤しゅう舟 さ蓑りゅう笠のおう翁)
獨 釣 寒 江 雪  (ひと独り釣る かん寒こう江の雪)

《現代語訳》
「見渡す限りの山々から,鳥の飛ぶ姿が消え,道という道から,人のあしあと蹤が絶え果てた。ぽつんと浮ぶ一そう艘の小舟に,蓑と笠をつけた老翁。ただ独り,寒々とした雪のかわ江なかで釣り糸をたれている。」(松浦友久『中国名詩選-美の歳月』 朝日文庫)

子供の頃,スキーに連れていってもらい,なかなか上達しないながらもゆるやかな斜面をゆっくり降りてくることができるようになった頃,リフトで登った山頂の真っ白な世界の中で,周りに家族やたくさんの人がいるにもかかわらず,独りきりになったような不思議な気持ちがしたことを覚えています。

10/15

獨釣寒江雪

秘書 中久木

柳宗元の漢詩に説明的な表現はありませんが,純白の雪景色とその静けさが目の前にありありと浮かぶようで,とても心惹かれます。子供の頃の雪山の静けさの記憶もよみがえり,懐かしさも覚えます。

老翁は雪の中で独り,何を思いながら過ごしているのでしょうか。静かな空間で独り,自分に向き合える時間はとても貴重だと思います。本年は,ありのままの自分に向き合い,見つめる時間を作り,少しでも成長できるような1年にしたいと考えています。

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信則人任焉

営業・秘書 灰田

「恭・寛・信・敏・恵。恭なれば則ち侮らず。寛なれば則ち衆を得。信なれば則ち人任ず。敏なれば則ち功あり。恵なれば則ち以て人を使うに足る。」この文から抜粋した一文です。

“誠実な人は、他人から頼られ任される”という意味だそうです。

この度、オレンジ法律事務所の営業担当としてお世話になることとなりました。

これまで、営業をする法律事務所はほとんどありませんでしたが、弁護士人口が増加する昨今において、広告やテレビCMを利用して営業活動を行う事務所も増えてまいりました。

そこで、当事務所では、営業担当の職員を配置するという新しい試みをスタート致しました。

営業担当として、営業の基盤を0から作り上げることに楽しみと、責任を感じております。誠実な対応を心がけ、お客様や事務所のスタッフに頼られる存在になれるよう努めてまいります。

12/15

温良恭倹譲

事務員 大平

「温良恭倹譲」とは、孔子の弟子が孔子の人柄を表すのに,穏やかで素直で、他人に対してはうやうやしく自分に対しては慎み深いことを表す「温良恭倹」に,出しゃばらない様を表す「譲」を加えた五つの徳を孔子が備えていると評したという,論語に基づく五字で有り,この五つの德は五徳と称され,本来,人が持つべき徳目であり,優れた人格の要素とされてきました。

この五徳は対人関係において信頼を築いていくために必要不可欠なものではありますが、実際に行動に移そうと思うととても難しいものでもあります。

オレンジ事務所に入所して二年余り、仕事の厳しさ、責任感、達成感など様々なことを経験させていただきました。また、責任を持ち、相手を敬う姿勢、謙虚な姿勢で職務に当たることで信頼関係を築いくことの大切さも学ばせていただきました。

本年もこの五徳を肝に銘じ、周囲の方々とよりよい信頼関係を築いていけるよう精進して参りたいと思います。

13/15

大器早朝成

事務員 竹花

これは大器晩成をもじった造語です。
本来的な意味は「大人物は時間をかけて実力を養い,ついには大成する。」という意味だそうです。

しかし,これは技術革新のめまぐるしい昨今においては妥当しない考えなのではないかと私は考えます。この言葉が成立したであろう時代に大人物として晩成した人間が今の時代で当時のやり方で同じような評価が得られるとは思えません。新しい技術が次々と古い物になっていく時代のスピードについていけるようにするには,「大器晩成」では遅すぎるような気がします。

そういった考えのもと「晩」という文字を「早朝」とすることで,長い時間をかけて実力をつけることよりも短い時間で時代の変化に対応すべきだという意味を込めたつもりです。

事務所内では先生方が,これから技術革新が進んでいくなかで弁護士業界がどう変化するか,などといったお話をされていますが,そのような機会に触れる折時代の変化に対応することを常に意識しながら正しい方向に自己研鑽をしていかなければならないのだと痛感します。

今年も世の中に様々な変化が起こるでしょうし,我々の周りにも大なり小なりの変化していくのでしょうが,「大器早朝成」を胸に刻み,変化の波にのまれないよう,日々思考停止のない努力をしていこうと思います。

14/15

百転百一起

事務員 堀川

私は「七転八起」を元に,「百転百一起」という言葉を選びました。

理由は,七回転んで八回起きるという数では足りないほど,挑戦をし続け,上手くいかなかったとしても立ち直り続けたいと思ったからです。

昨年を振り返ってみても,自分が積極的に挑戦したことで,満足できるような結果になったことは正直あまりありませんでした。しかし,その中で新しいことに挑戦しようと行動を起こし,オレンジ法律事務所の皆様と一緒にお仕事をさせていただけるようになったことは,私にとって非常に嬉しいことであり,これからも頑張っていこうと思える出来事のひとつとなりました。そして,何事もまずは挑戦してみるということが大切であると感じました。

私は失敗するとすぐに落ち込み,何もやりたくないと思ってしまいがちなのですが,その考えを捨て,失敗を恐れず前向きに日々を過ごすことが今年の一番の目標です。

何度転んでも立ち上がる回数がそれを上回れるように,頑張っていきたいと思います。

15/15

学不可以已

事務員 ジャマン

「学は以て已むべからず」。この五字は荀子の勧学篇第一から引きました。この次には、「青は藍より出でて藍より青し」と続きます。ことわざにもなっているため、こちらの方が多く知られていると思います。学問(真理の追究)を続ければ師をも越えられる、という意味だそうです。

私が小学生になったばかりの頃に、母に「人生は終わるまでずっと勉強だよ」と言われたのを思い出します。学校に通い始めたばかりの当時の私にとって、勉強イコール机に向かう淡々とした学習だと思い込んでいたため、あまり良く聞こえませんでした。また、大人が座学しているところは見慣れていなかったので、母の理想かと思っていました。

しかし、いまになってあの言葉の意味が少しわかってきた気がします。オレンジスタッフを務めるに当たって、いつも新しいことを知り、学んでいます。大学を出ても、ベテランの社会人になっても、定年を迎えても、学問に限らず、新しいことを知ることは尽きないのだと気づきました。学ぶことは終わらない。荀子が主張する意味合いとはずれるかもしれませんが、生きていく上で、新しいことを学ばないことはないことを考えさせられました。

これからの社会、また新しいことがどんどんわかり、便利な技術が普及し、それに伴って新しい情報を身に付ける必要があります。仕事をする上でも日々学び、オレンジスタッフとして一生懸命努めたいと思います。