平成28年1月 オレンジ書初め大会(第4回)



平成25年よりオレンジ法律事務所の書初め大会が始まり、今回で第4回の開催となります。

課題の文字数を、毎年1字ずつ追加して課題設定しており、本年は、弁護士・秘書・事務員スタッフ総勢13人で、各々「漢字4文字」の書き初めに挑戦いたしました。

各スタッフの思い思いの目標が掲げられ、お互いの決意を伝えあう、良い機会となりました。




 「報恩謝徳」 弁護士 辻本恵太

私たちスタッフが、誰よりも研鑽を積んだとしても、世間が必要としなければ、それは、単なる自己満足でしかありません。お客がいて、仕事があってのオレンジ法律事務所です。幸いなことに、毎年毎年、お客も仕事の依頼も増え続けており、感謝の気持ちでいっぱいです。仕事仲間にも恵まれ、あらゆる場面でオレンジ法律事務所を支えてもらい、事務所のサービスの質を高めてもらっていると感じております。

また、オレンジ法律事務所の提供するサービスを支えるスタッフひとり一人が、私の自慢であり、私の誇りです。彼ら彼女らは、素晴らしい才能を持っていて、なおかつ謙虚な態度で、事務所を通じて地域社会に貢献してもらっております。

2012年にさいたま市大宮の地にてオレンジ法律事務所を設立して以来、がむしゃらに仕事をしてきたつもりですが、5年目に入った今、あらためて立ち止まって見渡しますと、最高のスタッフに囲まれ、彼ら彼女らが独立自尊の精神で、責任をもって職務にあたり、サービスの向上を心がけ、オレンジ法律事務所の未来を切り開いていることを何よりも嬉しく頼もしく思います。

普段は伝えられない、どのように報いたらよいか分らないほどに湧き上がる感謝の気持ちを言葉に変えて、『報恩謝徳』を新年の言葉といたしました。本年もよろしくお願い致します。






 「温故知新」 弁護士 中野仁

弁護士業務をしていて、常々感じることは、弁護士は、世の中で起こっている新たなビジネスや事件など、新しい事象にアンテナをはり、そこから新たな知識を得たり、新たな見解を展開して、それにまつわる新たな法的問題を分析し立ち向かっていく姿勢を一生涯持ち続けなければならないということです。

世の中が発達していけば、新しい事象は起こりますし、それに伴って法律も変わり、判例も変わっていく。従前得た知識だけでこれらに対応しようとしたり、従前の考え方や判例のみに縛られていては、世の中の動きについていけず、新たな問題に立ち向かうことができません。

「温故知新」とは、過去の事実を研究し、そこから新しい知識や見解をひらくことを意味しますが、このような温故知新の精神こそ、弁護士の業務においては最も重要なものといえます。少し飛躍があるかもしれませんが、私は「温故知新」=チャレンジ精神であると理解しており、この先も難しい問題にチャレンジする意気込みを込めて、「温故知新」を新年の言葉といたしました。本年もよろしくお願い致します。








 「切磋琢磨」 弁護士 曽我部豪

オレンジ法律事務所に入所して、3年目となります。私がオレンジ法律事務所に入所して以来、昨年はじめて弁護士3名が加入しました。新しく加入した3名の弁護士は、3名共それぞれ個性的なバックグラウンドを有しており、得意分野を有しております。

弁護士として、もちろん自らの責任で事実関係や各種法令の調査をすることが大前提であり、少しでも依頼者や顧問企業のお役に立てるよう、調査を徹底することを心がけて参ります。

他方、上記のとおり、今年は事務所内での人数も増加する等の環境の変化がありました。そこで、今年は、新しく加入した他の弁護士との議論や調査を通じて、それぞれの良いところを取り入れ、自分の更なる成長に結びつけたいと考え、今年は「切磋琢磨」という言葉を選ばせて頂きました。まだまだ未熟者ではありますが、今年もどうぞよろしくお願い申し上げます。











 「飲水思源」 弁護士 片山輝伸

「水を飲みて源を思う」。この意味は、基本を忘れてはならぬ、初心を忘れてはならぬ、そして恩を忘れてはならぬという戒めにあるといいます。

弁護士として、人として、日々の研鑽を重ねることは当然ですが、ただ前を見て猛進するのではなく、常に「源」に思いを馳せ、両親や恩師への感謝、私自身が弁護士を志したときの初心、そして、物事の基本に立ち返りながら、ぶれることなく、そして自己改革も怠ることなく、これから直面する数々の試練を乗り越えていこうと思います。

ご覧頂ければおわかりのとおり、この書き初めは、「源」の出来が悪い失敗作です。私が書き直すことなく、敢えてこの失敗作を掲載することにしたのは理由があります。「源」の出来が悪いのは、私の基本、初心、そして恩義への思いの強さ、己を戒める気持ちの強さが不足していることの表れに違いありません。日々、この失敗作を直視し、己の足らざるところから目を反らさずに精進を重ねていこうと思います。









 「日々前進」 弁護士 上床栄次朗

日々前進とは、文字通り、毎日前進を続けることです。

私は、元来、爆発力に期待するタイプではなく、安定して力を発揮していくタイプの人間です。そのため、飛躍的進歩を狙ってしまうと、足元がおろそかになってしまい、結果的に何も得られず、何も進歩できずに終わってしまうおそれがあります。飛躍的進歩を狙って足元をおろそかにするよりも、足元をしっかりと固めて地道に進歩していきたいと思います。

1日の前進がわずかであったとしても、日々、前の日よりも良い結果を出し続け、1年間前進を積み重ねることで、年末に今年を振り返ったときに、この1年間確実に成長したと思えるようにしたいと思います。

弁護士になって1年目である今年は、今後の弁護士人生の方向性を決める重要な年であります。より個人のお客様や顧問企業等の皆様のお役に立てる弁護士になるため、現状に満足して停滞することなく、確実に日々前進していきたいと思います。










 「以和為貴」 弁護士秘書 村山

聖徳太子の十七条憲法の第一条、「和を以て貴しとなす」を今年の目標として掲げました。言葉通りですが、「和」が最も大切で尊いということです。もとは国の秩序を守るために掲げたルールでもありますが、その精神は現在にまで受け継がれ、人と人との繋がりの教訓として、様々な解釈が存在しています。

開所当時から飛躍的にオレンジスタッフが増えました。以前よりもスタッフ内で知識の共有や解決策の検討等、学ぶことが増え、より一層お互いを高め合う環境になったと感じています。何よりも、和というのは、一人が生み出すものでもなく、最初から成り立ち存在するものでもありません。

私が考える和は、「和み」ではなく、相対的に物事を見て、一人ひとりが、気付き合い、指摘し合い、向き合い、学び合う過程で築き上げられる「一体の和」だと思っています。それは、依頼者の方々、関係機関の方々に、最高品質のサービスを提供できることに繋がると信じています。今年一年和を築き上げるオレンジスタッフの1人として尽力して参りたいと思います。









 「庭上寒梅」 弁護士秘書 中久木

高校時代の部活動で、「庭上の一寒梅」という歌を習いました。

新島襄の作った漢詩が元になった歌で、その意味するところは、おおよそ次のようなものです。

「庭先の梅の花は、寒風や雪に耐えて美しく咲いている。他と争おうとしたり、気負ったりするわけでもなく、とても自然に、あらゆる花に先んじて咲いている。」

高校生の頃は、歌詞の意味について理解しきれなかったのですが、おだやかで少し古風な雰囲気のメロディーが親しみやすく、卒業後も折に触れて思い出すことがありました。いまこの歌を振り返ると、おだやかなメロディーとは裏腹に、歌詞には凜とした力強さが感じられ、心をうたれます。

日々、ちょっとした壁にぶつかってくじけている私には、寒風や雪などの厳しい環境の下、美しく咲いて春の訪れを告げる梅の花はあこがれです。そのような女性に一歩でも近づきたいと思い、新年の決意をこめて「庭上寒梅」を書初めの言葉として選びました。










 「臨機応変」 弁護士秘書 堂跡

臨機応変とは、その時々の状況の変化に応じて、最適な行動や考えを選択するという意味で、語源は中国の「南史」にあります

この言葉を選んだ理由は、本年の某NHK大河ドラマの主人公の父、真田昌幸の生き様に深く感銘を受けたことにあります。

真田昌幸は、武田信玄の奥近習衆として信玄の薫陶を受けますが、武田家滅亡後は、織田、上杉、北条、徳川、豊臣と、状況に応じて次々に主君を変えており、傍目には不忠義者のようにも見えるかもしれません。

しかし、戦国の世の大国の狭間で、類い希な情報力と知略をもって真田の領地と家を守り抜いた事実からは、主君に尽くすことよりも、家を守ることに全力を注いだ真田昌幸の価値観を感じることができます。

真田昌幸を評する言葉としては「表裏比興」が有名ですが、とても真田昌幸の知性と判断力には及びませんので、少しだけでも真田昌幸のように、機に臨み変に応じ、一番大切なものを守ることのできる人物に近づきたい気持ちを込めて、「臨機応変」を今年の言葉に選びました。








 「文行忠信」 事務員 大崎

論語は述而第七の二十四に「子以四教、文行忠信(子、四つを以て教う。文、行、忠、信)」とあります。

「文」は典籍に学ぶこと、「行」は実践。また、「忠」とは誠実、すなわち心を尽くし万事に当たるをいい、「信」とは信義、人を欺かないことをいいます。これら四つは、孔子が弟子の教育において重んじたとされるものです。

私も、仕事においても学問においても、また習い事など趣味の時間であっても、自らの学びを深めるに際して、この四つを常に心に留めることができるよう、書き初めの言葉に選びました。

この春で、オレンジ法律事務所に勤めて三年目になります。この間、法律事務に限らず様々な課題があり、その度に、自分で調べたり、弁護士や先輩方に尋ねたりして、解決に向けて努力して参りました。また、昨年は後輩からも多くを教わりました。これからも引き続き、私に与えられた役割の一つ一つに、こまやかに取り組む所存であります。










 「事上磨錬」 事務員 岡井

事上磨錬とは、陽明という人物が唱えた「考え方」の一種であります。

「事上」とは、実際行動に起こすことを示し、「磨錬」とは、練り磨くことを表しています。人間性を磨く(高める)ためには、実際の事を対処していく中で、人格というものを磨いていかなければならないという考えです。

私がこの言葉を選んだ理由は、困難や障害を通して人は磨かれていくという意味に非常に魅力を感じたからです。物は違えど、ダイヤモンドの原石を研磨する作業と一緒なのだと思うと、人もキラキラ輝き、魅力を放つことができるのだという考えに惹きつけられました。

働き始めた頃は、緊張のあまりミスの連続で自信をなくしました。ですが、厳しくも温かく見守ってくれた先生や事務局の方のおかげで、ようやく仕事に自信が持てるようになりました。当事務所で勤務させて頂き、継続することの重要さと、辛い時こそ自分が大きく変われるチャンスなのだと理解することが、成長への第1歩なのだと、気付くことができました。長い年月は掛かりますが、将来キラキラと輝けるように、実際に行動や実践を通して知識や精神を磨くことを意識しながら今後の自分のスキル向上につなげていきたいと思い、今年の目標と致します。







 「落地成根」 事務員 能見

落地成根とは、植物の種子が地に落ちてから花を咲かせ、落葉となり、再び根に帰るまでのサイクルをたとえた言葉で、「地道な努力の継続によって、成果と終息が繰り返されること」という意味として使われます。

昨年は、与えられた仕事を正確にこなせるようになりたいという気持ちから「太鼓判」という言葉を選びましたが、なにごとも受け身になってしまい、自分自身で日々の目標や課題を考えることができなかったように感じました。また、私生活では、趣味でピアノを弾いていますが、譜読みも練習も無計画に進めてしまい、一つの曲を最初から最後まで仕上げることができませんでした。

今年は、ただ漠然と一年を過ごすのではなく、日々の生活の中で見つけた目標や課題を、一つずつクリアしていきながら、着実に成長したいという気持ちを込めて、「落地成根」という言葉を選ばせて頂きました。











 「質実剛健」 事務員 大平

剛健質実ともいわれるこの四文字熟語。

「質」は質朴、「実」は誠実の意で、二字を合わせた「質実」は飾り気がなく、まじめなこと。「剛」は堅くて丈夫な様、「健」は健やかな意、二字を合わせた「剛健」は心やからだがしなやかで強く、たくましいこと。そして、四字が合わさり「質実剛健」、中身が充実して飾り気がなく、心身ともに強く逞しい様をあらわします。

オレンジ法律事務所に入所し今年の四月で一年を迎えます。昨年は事務所での仕事を通し、日々様々なことを学ばせて頂きました。また、自己の内面の未熟さに気付く一年でもありました。ですが、失敗したり、壁にぶつかったときに、解決するための目標を定め、それに向かう挫けない心を持つ大切さ、慌てず着実に進んでいく大切さを学んだ一年でもあります。

まだまだ未熟な私ですが、2016年も笑顔を忘れず、昨年より成長し、周りから頼られる存在になれるように、そして、心身ともに強く逞しく、中身の充実した一年を送れるように、日々精進して参りたいと思います。