田村シリーズの終了のお知らせとお別れのご挨拶

広報担当 秘書 田村司

弁護士 辻本恵太

<辻本>

大手の銀行を退職した田村さんが,オレンジ法律事務所で働いてもらって,早2年になりました。

田村さんには,一般的な法律事務所の事務がする,事件のファイル,FAX,メール,郵送や住民票等の徴求業務などはしてもらうことはありませんでした。それは,メガバンクの元銀行マンとして培ったビジネス感覚と,最近になってから大学に通い直おすほど,研究心・好奇心の強いマインドをぜひ,オレンジに吹き込んでほしいという思いがあったからです。

一般的に弁護士というものが閉鎖的な考え方をすることも少なくなく,新しいテクノロジーや考え方に親和性が乏しいこともあります。

オレンジ法律事務所が常に変化し続けることができるように,期待通り,田村さんには大いに,オレンジの内外に影響力を及ぼし,多大な貢献をしてくれたことをとても感謝しております。

なお,田村さんが活躍してくれたこともあり,シニアの人材として,中津さんを採用しました。中津さんの作成するドキュメントや,分析の質が高く,さっそく,オレンジに良い刺激を与えてくれております。

オレンジ法律事務所が,これからも様々な人の働きの場になることができればと思います。

 

<田村>

今回が最後になります。お別れです。約2年間,お読み頂き誠に有難うございました。

私の拙いブログを楽しみにしてくださった読者の皆様には,大変申し訳ございません。そして,オレンジ法律事務所でブログの執筆やCS活動などの活躍の場を与えて頂いたことに対して,辻本先生に深く感謝をしております。

このように,オレンジ法律事務所は埼玉県シニア活動推進企業として埼玉県知事から認定されております。今後,中津さんが入所してきましたので,安心して退職することができます。

お陰様で,銀行業務と違う職種(法曹界)で働いて大変貴重な経験と知識の取得となりました。

銀行業務時代,先輩から,「田村は学者タイプ」(デスるとき使われます)と評されました。これは「Disrespect?Respect? 」。私は「後者」と前向きに思っておりました(呵々)。

今後は,子どもの頃からの憧れの,科学者になろうかと思っております。4畳半の研究室(自宅)で,研究三昧の生活になります。研究テーマは決めてあります。今度は肩書きを「科学者」にしよう!呵々。

 

以前,秘書の灰田さんが描いたイラストです。

そこで,「今年は良い年になるように」と「願掛け」のため,稲荷神社に行きました。

「おや!何だろう!石造りの祠を発見!」「〇△神?」。

最初はこの字を読めませんでした。字の一部から包(ほう)倉(そう)かな?と推測。

よくよく調べたら「疱瘡神」(ほうそうがみ)と読むようです。

家内は私の「疱瘡」のアクセントは「放送」であり,間違えているようです。

私の発見した祠には「疱瘡神」横「文政九丙戌年三月吉日建立」の記載がありました。ときは江戸時代の西暦1826年になります。今から193年前のものです。文政(1818年~1831年)は仁孝天皇,将軍徳川家斉になります。

この時代に「疱瘡」が流行したものと思われます。

疱瘡(天然痘)は,かつて最も恐ろしい病気(致死率40から50%)でした。

現在はWHOにより絶滅宣言(1980年,昭和55年)がだされているので,現代人の耳には不慣れな言葉で,「疱瘡」と「包装」と「法曹」勘違いされるようです。絶滅宣言以降約39年間忘れられた存在であったようです。氏子に忘れられた神様のようです。これは守護神か,悪神か? それは,悪神のひとつとして恐れられて,日本各地に「疱瘡神除け」の神事や行事がおこなわれたようですが,中には守護神として信仰の対象と崇めたところもあるようです。

思い出しました。小学生のころ,予防接種(種痘)した記憶があります。

ご年配は種痘の経験がありますが,若者のため「疱瘡」について,簡単にご説明します。

1,中国では,はじめ疱瘡の発生はその年の「気運」「時候」に関わりがあると考えられていたが,「元」の時代になると胎毒によって発生するという考え方が生まれ,日本にも伝来して広まった。江戸時代の人々は疱瘡の原因は「疱瘡神」によるものと考えていたようです。

2,医療が発達していない江戸時代はどのような具体的疫病対策をとったのでしょうか。

①「しめ縄や赤紙」などを使い呪的対抗手段,

②「疱瘡踊り」,これは,疱瘡神に踊り手の誘導に従い村から立ち去ってもらうことを目的に行なわれた。

③「疱瘡勧進」,これは,外来者である神を歓待し,もてなし,その後すぐに隣村へ疱瘡神を早く送り出すためである。

④「疱瘡流し」これは疱瘡神とみなすわら人形の団子をのせ太鼓三味線の音と共に川に流す行事がある。

⑤「魔除けの貼札」としては,「英雄の手形」,「子供留守」「木作りの猿(去る)」などがある。そして,「子供留守」は疫病の取り付く対象である子供が居ないとその家を避けて通過させるためである。

⑥甲斐国では「疫病退散の令状」が出された。これは幕府直轄であったので,御役所方の権威は疫神に対抗する際にも有効であると考えられていたらしい。内容は「即刻退散の命令に従わなければ,牛頭天王の名をもって征伐されることになる」というものである。

⑦疱瘡神も信仰され崇拝されることによって悪神から福神へ変化している資料もあるが,疱瘡神は病人の守護の役割を果たすことで庶民から崇拝されるのだから病の子供を粗末にするなら神として崇める価値が無いとしている。

3,明治になると種痘の実施は義務となり,これを拒む者には罰金が科せられた。

そして種痘の結果は戸籍に記載されることになったのであった。

 

4,「疱瘡」で危惧されること

ウイルスのサンプルは米国の疾病予防管理センターやロシアに管理されている。しかしバイオテロに利用される可能性も危惧されます。または,未開で隔離された動物(ウイルス保菌)が,文明社会に出てこないことはないであろうか?

私を含めて60歳代は種痘経験があり,「疱瘡」の知識はお有りと思いますが,「疱瘡」は「死語」になり,歴史としても風化する傾向にあります。

最後のブログとして意図的に「法曹」と「疱瘡」の語呂合わせのために題材にした訳ではありません。偶然です。AIの導入で「法曹界」の職業も無くなると危惧している者もおり,そうすると,AIの導入で「法曹」も死語になってしまいます。

ただ,実際には,いかにAIが導入されたとしても,大事なのは,AIの技術を前提に,人がそれをどのように活かすかということかと思います。これからも,顧客のために,地域のために,オレンジ法律事務所が一丸となって,サービスを充実させるマインドがあれば,オレンジ法律事務所が新しい時代を牽引できるのではないかと信じております。今後,オレンジ法律事務所の益々発展を祈念しております。

 

参考文献

ハルトムート・オ・ロテルムント(Rotermund Hartmut)著

「疱瘡神―江戸時代の病をめぐる民間信仰の研究」岩波書店 1995.3.17 第1刷発行

 

天然痘とは NIID国立感染症研究所

https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/445-smallpox-intro.html