事業承継でお悩みの社長さんへ

営業秘書  田村 司

中小企業の社長さん,はじめまして。

辻本弁護士から「銀行で融資等を担当していた経験上,中小企業の社長や継承者はどのような悩みを抱えていたのか。」と大変な難しい命題を受けましたので,融資経験者として,中小企業の社長やその会社の承継者からの相談を受けたときの悩みと,解決策のお話を致します。

 

中小企業の社長,及び会社承継者の悩みは多岐に渡りますが,社長が特に悩むことには,

①資金繰り,②社長(個人)と会社(法人)との権利(金銭貸借・担保差入)ではないかと思います。

 

特に承継者の試練は,社長が亡くなったときです。そして,会社への旧社長の保証債務の処理をどうするかと言う問題にも直面します。これは,金融機関との調整も必要となります。

旧社長が会社に対して貸付を行っている場合もありますので,遺産分割対象として会社から相続人に返済する資金が必要となります。また,相続税・遺留分減殺請求への対応資金の調達が必要になります。そして,経営権確保のため,遺産分割により分散した株式の買い取りの必要性が発生します。

経営者個人の不動産が会社の借入金の担保提供になり,不動産も相続人に遺産分割され,複雑化し,相続人の納税資金が捻出できない。(担保不動産の売却も難しい状態もおこります。)

これらに対する資金ニーズの対策(中小企業庁資料参照)として,信用保証協会等利用する融資方法があります。手続順序は次の通りです。

 

まず,(前提)都道府県知事に申請により認定を取付け,認定書を受け取ります。

信用保証協会は会社の資金需要に対応(個人事業主を含む)できますので,認定書添付により銀行借入金のための保証の申請をします。

 

保証内容は倍に拡大(保証枠+別枠)されております。有担保は2億円→4億円。

(無担保)8千万円→1億6千円。 特別小口  1,250万円→2,500万円。

 

日本政策金融公庫は,後継者の個人の資金需要に対応しています。そして認定書添付により申請して,代表者個人に対する融資を実施してます。

 

金融機関等では,経験上,信用保証協会の保証付きの融資は優先的かつ積極的な取扱をしてくれるはずです。 但し金融機関等の独自審査がありますので,融資が必ず受けられる訳ではありません。事業計画も含め金融機関にご相談をおすすめします。

 

この情報(保証枠+別枠の倍増と資金使途が事業継承資金も可能となった)を活用し,少しでも悩みの解決に繋がることを期待して止みません。事業が順調でありながら,承継資金対応に苦慮している悩める承継者には朗報と思われます。

 

(銀行イメージ図)

 

現役時代は,「社長さん! 資金繰りで悩まず,専門家(税理士,会計士,など)に相談し,本業で儲けて下さい。微力ながらそのお手伝いをします。」と激励していました。

 

最後に,いまも,微力ながら,中小企業の社長・承継者のお役に立ちたいと思っています。今回のブログが役に立ったなら幸いです。

お読みいただきまして有難うございます。