私の好きな法人格否認の法理

営業 秘書 田村 司
いつもご愛読頂き誠に有難うございます。

大宮駅は新幹線でのアクセスは良好です。そして,その大宮駅は北陸新幹線,上越新幹線,東北新幹線の交通の要(かなめ)です。オレンジ法律事務所は,大宮駅から歩いて3分に位置しています。地方からの物理的距離は遠く離れていても,その移動所要時間は短縮されています。そのため,地方企業の顧問先からも,特許や商標などや,ビジネス法務についての法律相談を多数受けております。

ところで,私こと田村が,ブログ作成のため,オレンジ法律事務所のホームページ「研究」欄に掲載された,辻本弁護士の会社法108条に関するの判例を見ながら,会社法がとても難しい法律だなぁと改めて思うのと同時に,以前,受けていた大学の講義を思い出しました。
http://orangelaw.jp/blog/wp-admin/edit.php以前,銀行で働きながら,興味のある大学の講義を受講していました。
法人取引は,銀行実務で重要であり,会社法の改正に伴い新しい知識の習得は必要不可欠でしたので,「新しい会社法」を勉強するべく,慶應義塾大学の会社法の講義(宮島司教授)を受講しました。
その講義で説明されていた,アメリカやドイツで理論が発展した「法人格否認の法理」が,なぜか,強く記憶に残っています。教授名のお名前の「司」の部分が私と同じということで,講義内容も含め記憶に強く残ったのかもしれません。
人生では,「不思議な出会い」というものがありますね。

私は,趣味と実益を兼ねて,「漫画の難波金融伝ミナミの帝王」という漫画を日頃より愛読しておりましたが,法人格否認の法理の講義を受けた数年後,難波金融伝ミナミの帝王という映画に「法人格否認の法理」が映画の場面で出てきたのです(笑)。主演の竹内さんが水戸黄門のように,悪徳業者を懲らしめる場面がありました(笑)。
映画の内容の流れで,途中から私の興味があった,印籠(=法人格否認の法理)が使われるのではないかと予想していましたら,大的中しました(呵呵・笑)。
これ以上,映画の内容についての詳細を説明することはできませんので,興味のある方は,映画をご覧下さい。
映画を観て,そのディテールに,私は,おこがましいながら,「映画」の原作者が「作品のために猛勉強している」と確信しました。

また,法人格否認の法理については,最近,読んだ新聞の中にも出てきたのを発見しました。奇遇に感じます。

「相続税逃れ対策強化へ 社団法人 資産の隠れみのに

・・・15年の税制改正で,相続税を払わないで済むようにする過度な節税も広がった。特に問題視されているのは不動産などの資産に相続税が課せられない一般社団法人を使った課税逃れだ。資産を持つ親が一般社団法人を設立し,法人に資産を移して,子に理事を継がせれば,相続税を免れることができる。法務省によると登記された一般社団法人数は11年の約4,000件から16年には約6,000件と5年間で1.5倍に急増している。政府は『課税逃れが目的の法人が増えている面もある』と推測しており,理事職を継ぐのが親族の場合など,課税逃れを狙っていると判断せざるを得ないケースでは,非課税対象から外せる仕組みを設ける方針だ。・・・」((読売新聞の平成29年12月4日(月曜日)の記事より一部抜粋)
あまり,詳しくはわかりませんが,新聞記事の内容(一般社団法人資産の隠れみの)は「法人格否認の法理」にあたりそうだなと思って読んでいました(あくまで,私が思ったことですので,内容の保証はありませんので,ご了承ください。)

学問は,そのときは意味や必要性がわからないときもありますが,後々,学問を学んだことが役に立つことを,強く実感し,さらなる知識を得たいという願望が強くなりました。

ところで,読者の皆様の中には,資産の隠れみのにする目的で,一般社団法人を設立された方は,いらっしゃらないと思いますが,万が一,不安な方がいらっしゃいましたら,一度,弁護士に相談してみていただければと思います。
オレンジ法律事務所では,個人の事件も多く受けておりますが,顧問企業をはじめ,会社の事件を多数受けたり,会社のトータルなアドバイスをしているようですので,興味をもっていただければ幸いです。

皆様に今回のブログの展開,顛末を笑って頂き,みなさまの知的好奇心を少しでもくすぐることができましたら,それが私の喜びであります。
今回も最後までお読み頂き有難うございます。

以下は,法人格否認の法理についての説明ですので,ご興味のお有りの方はご覧下さい。

*「法人格否認の法理」とは,会社法上の明文規定はなく,判例法上の法理です。主にアメリカで発展した法理のようです。
会社はすべて法人であるから会社はその社員または役員とは法律上は個別の人格を有します。ところがこの法人を利用して社員が会社の業務あるいは財産を自己個人のものと故意に混同させ,または会社の法人格を個人の責任を回避するために,濫用して第三者に損害を与える場合があります。このような場合に特定の法律関係について,会社のベールを剥奪し,その背後にある実体を捉えて法律関係の処理を図ろうとする考え方が「法人格否認の法理」です。
一旦与えた法人格を剥奪するという制度に会社の解散命令,解散判決,休眠会社の整理などがありますが,これらの場合,会社は会社で無くなってしまいます。
会社の法人格は認めたままにしておきながら,特定の法律関係について法人格というベールを剥いで,実質に即した法判断をしようとするもののようです。