営業秘密の不正取得等の侵害立証に関する文書提出命令(積極)

裁判年月日 平成 27 年 7 月 27 日 裁判所名 東京地裁 裁判区分 決定
事件番号 平27(モ)273号
事件名 文書提出命令申立事件

第 2 事案の概要 ― 1 基本事件の要旨

 基本事件(本件申立てに直接関係する部分)は,申立人(基本事件原告)が,相手方(基本事件被告)に対し,「相手方が,申立人のもと従業員等を通じて,申立人が開発した良好な磁気特性を有する方向性電磁鋼板(以下「HGO」という。)の製造プロセス(製造工程の操業条件や具体的な作業手順等。具体的には,HI-Bプロセス及びSLプロセス。)及びHGOの仕上焼鈍工程で使用される回転炉床型ガス直火式連続焼鈍炉(以下「ROF」という。)に関する技術情報である訴状別紙営業秘密目録(平成26年3月19日付訂正申立書(ROF)及び同年7月4日付訂正申立書(HI-B・SL)による訂正後のもの)記載の営業秘密を,これが申立人の営業秘密であることを知りながら不正に取得し,それを自社によるHGOの開発製造のために使用した」旨等を主張して,不正競争防止法2条1項4号及び5号,3条1項及び2項,4条等に基づき,営業秘密の使用差止め及び損害賠償等を請求する事案である。

 なお,以下,申立人が営業秘密として主張する上記技術情報を「本件技術情報」という。また,本件技術情報の取得の有無,上記取得時における不正性の認識の有無,及び本件技術情報の営業秘密該当性の有無についての当事者双方の従前の主張の要約は,申立人(基本事件原告)の平成27年5月11日付第37ないし第40準備書面,及び相手方(基本事件被告)の同月14日付準備書面(50)ないし(52)記載のとおりである。