令和2年1月 オレンジ書初め大会(第8回)

オレンジ法律事務所書き初め大会。本年は、弁護士・秘書・事務員スタッフ総勢12人で、各々「8文字」の書き初めに挑戦いたしました。

1/12 去年の書き初めを見る

天上天下唯我独尊

弁護士:辻本恵太

数学の証明に狂っていた中学、高校を経て、大学のときには、プログラミングにはまったのをきっかけに村井純先生の研究室の門をたたいてインターネットに熱中した。弁護士になっても、興味の強い分野や難事件などのニッチな業務にのめり込んだ。特許事件では、エントロピーやオイラーの公式を使ったり、非共沸冷媒について3Dのモデリングをしたりした。私の半生を振り返れば、専門性を追求してしまう嗜好が強く、知的好奇心の赴くまま、論理を振り回すのが、自分第一の半生だった。

ところが、不惑を迎えるころ、埼玉の中小企業をサポートすることが楽しくなり、弁護士業務に限らず埼玉に貢献したいと思うようになった。埼玉が好きになっていったからだと思う。問題解決能力を生かして、こども大学の顧問弁護士をしたり、経営者団体で青少年育成にかかわったり、飲食店など埼玉の魅力を広めたりもした。

「~すべき」とか「意義」とは、無縁に近い私からすれば青天の霹靂である。きっと多くの人が最初から自分の能力を生かして世の中のためになろうという気持ちを持っているのかと思うが、私は、人生の折り返しを過ぎてようやく、「法の支配を全うしつつ地域社会の発展に貢献する」という目的を意識するようになったのである。

「天上天下唯我独尊」というと、何だか暴走族の特攻服に書いてありそうな印象だったりするかもしれないが、これは、世界で自分が一番偉い、という意味ではない。私なりの理解では、「天上天下唯我独尊」とは「天上天下、すなわち世界において、我々のみが、唯一、尊い目的、使命を持っている」ということである。断固たる意志で、オレンジ法律事務所だけが持っている尊い目的、使命を全うしたい。

2/12

交通整理と大局観

弁護士:有馬明仁

事務所にいらっしゃる相談者のお話を伺っていて、ある共通事項があることが多いように感じます。それは、相談者が、現在の状況を整理することができておらず、何から手を付けていいのかわからない状態に陥っているという点です。それほど、複雑でない事案であれば、誰が誰に対してどんな請求ができるか、その請求をするためには何が条件として必要かということがある程度すぐに判別できます。ところが、複雑な事案となるとそう簡単にはいきません。関係となる当事者を整理するだけでも大変なこともあります。複雑な事案の場合、まるでパズルを解くかのように事案を丁寧に整理して、ピースを一つずつ組み立てていかななければなりません。もっとも、交通整理ができれば、事件をほとんど解決したといっても過言でないことも珍しくありません。このような複雑な事案を交通整理する力は、一朝一夕で身につくものではありませんが、地道に伸ばしていきたいです。

本年は、大局観の力も伸ばしていきたいです。大局観という言葉を初めて知ったのは、羽生善治棋士の書籍「大局観 自分と闘って負けない心」でした。同書籍を拝読した限りでは、大局観とは、ゴールを俯瞰し、先読みをした上で、直感も大事にしながら、行動の選択をしていく能力であると理解しました。

「交通整理と大局観」は、弁護士業務だけでなく、人生の目標を実現するためにも必要な能力だと思いますので、集中的に鍛える一年にしたいです。

3/12

重要項を失わない

弁護士:尾形駿

今年は、「重要項を失わない」という言葉にしました。

意味としては、重要な事柄を見失わないということです。

弁護士歴を重ねるにつれて、事案に慣れると同時に、扱う業務量が多くなり、責任も重くなってきます。

多くの業務量を形式的にこなしてしまうことで、重要な事柄を見失ってしまったり、学習を怠ったりしてしまうことに恐怖を感じることとなりました。

本年もどうぞ宜しくお願いいたします。

4/12

日々の努力と精進

弁護士:根岸美香

一年目の私にとっては、この言葉しかありませんでした。「努力」と「精進」という言葉は、非常に似通った意味ですので、一般的には、重複語句にあたるかもしれません。

しかし、言葉の意義とすると「努力」とは、物事に対して良心的に達成しようとする事、「精進」とは、物事に対して一心に集中することです。

「様々な問題に対して、良心的に達成するために、一心に集中する」心構えこそが、社会人一年生として、法曹という大海原に出た者にとって忘れてはならないことであると考え、自分への戒めとして書かせていただきました。

昨年は一年間、司法修習生でしたので、法曹三者(裁判官、検察官、弁護士)をそれぞれの立場から勉強させていただきました。そこで御指導をいただきながら、経験させていただいたことは、人生の宝物です。今後は、自分自身の責任で「弁護士」として経験を積んでいくことになります。依頼者様に対して、寄り添いながら、少しでもよい提案や結果が得られるよう、「日々の努力と精進」をしていく所存です。

一つでも多くの事を学び、一日でも早く、一人前の弁護士としてオレンジ法律事務所の力になれるよう、少しずつでも成長していくことを心がけておりますので、温かく見守っていただければ幸いです。

今後とも、よろしくお願いいたします。

5/12

今日が最良の好日

秘書:上村

禅語の『日日是好日』という言葉を参考に、今回の書き初めを書きました。

『日日是好日』とは、毎日いい日が続いているというような意味ではないそうです。

自分の損得の考え方にとらわえれ日々の物事に一喜一憂するのではなく、今日をありのままに力一杯過ごすことが大切であるという意味だそうです。

それを参考に、その日その日を自分の中で最も意欲的に、努力する気持ちをつらぬいた時間を過ごせるよう、『今日が最良の好日』を2020年の私の言葉としました。

日々オレンジ法律事務所で勤務している中で、やるべきタスクが多くなり、お預かりしている業務を受け身でこなしてしまうことが少なくありません。

ただ漫然と業務をこなしていくのでなく、どうすれば素早くその業務を片付けられるのか考えて手を動かすこと、私がその業務に対して加えることのできる付加価値はなんなのかを検討するよう心がけること等…

何事も意欲的に取り組んだと言える1年にできるよう頑張ります。

6/12

利他の思いで動く

秘書:ジャマン

習い事で通うフラメンコ教室では複数人で群舞を習いますが、最近は一人で踊るための個人レッスンを受けています。ソロは群舞と違い、踊り手がギターさんなどのバックに働きかける場面が多く、難しいです。

個人レッスンで、踊り手主導でバックを巻き込んで速度を上げる練習をしたとき、先生に、「言われた振りをやっているだけで、気持ちがないから伝わってこない」、「肉体表現者として踊るわけだから」と言われて、はっとしました。

確かに、そのときは自分が習得することしか考えておらず、バックへの配慮や、お客さんの目線を想像していませんでした。

今年の書き初めのことばは、実業家の稲盛和夫さんの著書から決めさせていただきました。稲盛さんは、「『自分のため』を後まわしにして『他人のため』を優先する」ことを動機にすることの大切さを述べています。経営でも、稲盛さんの実体験では、利他を土台とすることが結果的に成功につながると言います。

法律事務所の事務として、所内の人に対するサービスや、依頼者の方々やその他関係者の方々に対するサービスに携わります。サービスをする上で利他の思いをもつことは当然ですが、必ずしも定量的、即効的な成果を得られるわけではないので、意識せずに持続させるのは難しいかもしれません。

身近なところから意識して、結果的に、仕事のパフォーマンスや効率を上げられるように努めたいです。


稲盛和夫(2019)『心。』、サンマーク出版。

7/12

マイペースで前進

秘書:櫻井

私がこの言葉を選んだ理由は、今年でオレンジに入所して2年目になり、1年目より格段に任される仕事量が増えたからです。色々な業務を効率的に並行しながら行うのが理想ですが、中々難しく、常に試行錯誤をしている毎日です。その中で学んだのが、常にマイペースを保つことです。

「マイペース」と聞くと、のんびりなイメージがあると思いますが、私の中で、「マイペース」とは、「無理のないペース」だと思っています。私は、1日の最初に無理のないスケジュールを組み、その段取りに沿って日々業務をこなすようにしています。ここで自分がポイントにしているのが、「無理のない」というところです。業務をこなす最中に、急な業務を頼まれることがよくあります。そういう場合にスケジュールを無理して詰め込みすぎていると、時間内に終わらなかったりしてしまうことがあったので、その反省から学びました。無理のないようにすると、スケジュールに余裕があるので、急な業務を頼まれても、時間内に終わらせられることができるようになりました。

このことから、仕事でも日常生活の中でも、マイペースはとても大事なことだと思いました。無理をしないからこそ、余裕を持って物事に取り組むことができ、メリハリをつけることができるからです。今後も、何事にも余裕を持って前進していければと思います。

本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

8/12

余裕を持てる自信

秘書:小田倉

私がこの言葉を今年の抱負にした理由は以下の通りです。

私は仕事をする中で常に心に余裕を持つことが大切だと思います。

仕事は目標を設定して計画的に進めていくものです。

自分に余裕が無く、その場しのぎの考えで行動するよりも目標達成までのイメージを持ち、一貫した計画を立てて取り組んだ方が成果に繋がります。

また、心に余裕を持つことで物事を冷静に考え、普段では出てこない発想が思いつくこともあります。

次に私が心に余裕を持つために意識していることは自分に自信を持つことです。

過去の経験から自分に自信を持つことで心に余裕が生まれてきます。

中学時代に取り組んでいた陸上において私はこの考えを実感しました。

大会の直前、それまでの辛い練習を乗り越えてきたこと、努力してきたことが自分の自信に繋がり心に余裕を持って適度な緊張感でレースにも望むことができ、結果を残すことができました。

オレンジ法律事務所に入所して1年半が経ち、日々の業務にも徐々に慣れてきたことから自信も少しずつ芽生え、余裕を持って仕事を進めることができるようになってきました。

以上のことから私は自身の過去の経験やこれまでに学んだことから自分に自信を持ち、何事も心に余裕を持ちながら取り組むことが大切だと考えます。

9/12

積極的に挑戦する

秘書:松岡

昨年の5月に入所し、今まで接客業を中心に仕事をしてきた私にとって、オフィスワークは初めてのことでした。先読みして行動し、幅広い業務に柔軟に対応しなくてはいけず、決められた手順のある接客業との違いに四苦八苦する毎日でした。

そんな中、事務所には計画的に業務をこなす、お手本となる事務局の方が多く、見て、聞いて、様々なことを学ばせていただきました。

今回、書き初めを行うにあたって、この言葉を選んだ理由は、昨年は覚えることに必至で、言われたことをこなす毎日でしたので、今年は学んだことを活かし、自ら考えて積極的に行動することを大切にしたいと思ったからです。

入所して半年が経ち、日々同じ業務の繰り返しに安心感のようなものを感じていた入所前とは違い、新しいことや急な業務に対応できた時に喜びを感じるようになりました。まだまだやったことのない業務が多く、自らの考えで取り組むことや新しいことに挑戦する時には不安感があり、一歩踏み出す勇気が必要ですが、まずはやってみることを意識し、日々の業務から自分自身の成長に繋げていきたいと思っております。

また、昨年周りの事務局の方から受けた影響力を、今度は影響力を与えられる人になれよう、失敗やリスクを恐れず、積極的に挑戦していきたいと思います。

10/12

五ゲン主義の徹底

事務管理:中津

社会人になったころ、よく職場の上司・先輩から何度も繰り返し、業務の品質改善・問題解決において、大切なプロセスであり、日本を代表するトヨタやホンダの製造現場での鉄則的なキーワードでもある「三現主義」で行動することがビジネスの基本であるとの指導を受けました。これは3つの「現」を大切にする考え方で、3つの「現」とは。「現場」「現物」「現実」を指し、現場に足を運び、現物を自分の目で確かめ、現実をデータで捉えて知るということで、人に聞いたことを鵜呑みにして机上の空論ばかりの議論では問題解決は図れないので、現状を直視することの重要性を意味する言葉です。ただ日常業務の中で、これを継続的に体現していくことの難しさも痛感しておりました。

最近では、三現主義だけでは不十分なので、五ゲン主義で行動する必要があるとも言われています。五ゲン主義とは、三現主義の3つの「現」に原理・原則の2つの「原」を加えた考え方で、「原理」とは物事を成り立たせる法則やメカニズムを知ることです。「原則」とは顧客の立場になって考えることで、顧客が物を何のために、どのように使用しているのか、どんな機能や性能を期待しているのかを把握した上で実際の物が作り込まれているかを考えるものです。今年は、今一度、自分の行動を振返り、この五ゲン主義に基づく行動を徹底していく考えです。

11/12

たえず進歩する事

秘書:大鋸

オレンジ法律事務所は、多様な働き方についても理解があり、そういった職場でチャンスを頂いたことに感謝しつつ、昨年8月末に、事務職として入所しました。

まだまだ慣れるべきこと、覚えるべきことも多く、至らない点も多々ありますが、

日々職場の皆様の様子を見聞きし、日々学び反省しながら、業務にあたっています。

前職や前々職に、契約関係の仕事をしていました。法律用語に多少親しみがあると思っていましたが、法律事務については、全くのゼロからのスタートでした。現在は、微力ながら、バックオフィス・裏方ともいえる私の立場にとり、その先にいるお客様を考えながら行動することを心掛け、業務の奥深さと幅広さを感じる日々です。

書き初めにあたっては、日ごとのモットーに近いものをと思い、「たえず進歩する事」としました。四字熟語にするならば、日進月歩と同義かと思います。意味としては、「日に日にそして、月ごとでも、良い方向に進み変わっていくこと。」です。働く状況は、どんどん変わります。常に柔軟に変化し、変化に適応し、新しい自分を作り出すことが重要なのだろうと思いますと、そのような姿を目指し、そうなれるように、コツコツ努力したいと思います。

12/12

雨垂れ石をも穿つ

秘書:加藤

 私は小学生から現在まで約12年間バスケットボールを続けており、「雨垂れ石をも穿つ」ということわざはバスケを始めた頃、当時のチーム監督に教わりました。これは、勢いの弱い雨垂れでも、長年にわたって石にポタポタと落ち続ければ、いずれはその石に穴を開けるということで、それが転じて、わずかな力でも長年にわたって根気よく続ければ物事を成し遂げることができるという意味を持ちます。当時バスケを始めたばかりの私はドリブルすらままならない程でしたが、ドリブルやフットワークなどの基礎的な練習をひたすらにやり続け、遂にはスターティングメンバーに入れるようになりました。この時初めて「雨垂れ石をも穿つ」を実感致しました。

今回書き初めに記すことばを選ぶにあたって、今一度自分の中で大切にしていたものを思い出し、ここ最近の自分が、すぐに結果のでないものや微量の努力等を疎かにしてしまいがちになっているということに気がつき、初心にかえろうという一身でこのことわざを選びました。オレンジ法律事務所に入所しまだ2ヶ月程でまだまだわからないことだらけですが、基本的なことから着実に学び、成長していきたい所存です。今年は「雨垂れ石をも穿つ」の精神ですぐに結果が出ずとも諦めず努力を続け精進していきます。