平成31年1月 オレンジ書初め大会(第7回)

オレンジ法律事務所書き初め大会。本年は、弁護士・秘書・事務員スタッフ総勢12人で、各々「7文字」の書き初めに挑戦いたしました。

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奇跡的奇跡活用

弁護士:辻本恵太

ある試行を行ったとき、その結果として得られる数値の平均値のことを期待値という。人生やビジネスにおける岐路において、期待値の高い選択肢をとり続けることができれば、人生全体の期待値も最高になるだろう。当たり前のことである。

例えば、期待値が10のAという選択肢と、期待値12のBという選択肢があれば、Bを選択し、勇気をもってこれを実行する。

激変する世の中でオレンジが最高のパフォーマンスを出し続けるためには、これしかない。チャンスを活かし続けるしかないのだ。

極限的に突き詰めれば、「奇跡」のようなチャンスを、「奇跡的」といえるほどに活かす。

シンプルではあるが実現するのはなかなか難しいのはいうまでもない。

1つ目は、そもそも岐路にあることに気が付かないこと、2つ目は、岐路において取り得る選択肢を思いつかないこと、3つ目は、各選択肢の期待値を正確に算定できないことが考えられる。

人生は何万もの選択の上に成り立っている。無意識に選択しているものよりも、ベターな選択肢はないか、自分や常識を疑う習慣があれば、見過ごしている選択肢に気が付くようになり、岐路に気づくことになる。もっとも、自分のCPUも有限であり、無意味に疑ってばかりいると、大事なことに気が付くまでに日が暮れてしまうので、信じるべきものを見極める勘所も重要である。

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奇跡的奇跡活用

弁護士:辻本恵太


また、各選択肢の期待値の算定は、前提となる事柄の評価がキーであり、一見、当たり前、何の変哲のない平凡な日常のように見えるものが実はかけがえのない複雑な偶然の産物であって、大きなリターンを生むものなのかという、物事の本質を見抜く能力が大事である。また、そもそも何を期待しているのか、自分が何をしたいのかという自分自身への探求も重要である。

ようするに、家族、スタッフ、取引先との出会い、与えられる地位や立場、ビジネスチャンス等の身の回りにある物事が、極めて珍しい確率の集積、奇蹟であるという本質と自分が何をしたいことを理解し、自分自信を過信することなく疑うべき常識を疑い、自分も他人も歩んだことのないような他により良い選択肢がないかを見つけ出して、勇気を持って断行し続ける。

そんなことを年末、年始考えてたら、結局、確率的に有り難いことに気づくという感謝の気持ちと、自分自身、常識、身の回りのものの本質を見極めるための謙虚さと深い考察力と、他の違う選択を採りうる決断力・実行力が必要で、これではスーパーマンみたいだと思った。
とにかく、今年も「超高圧の世界」を奇跡的に奇跡を活用することで疾走したい。

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ステップアップ

弁護士:有馬明仁

本年から当事務所のパートナーに就任して、事務所内のポジションとして、ステップアップをしました。

パートナー弁護士になったことにより、アソシエイト弁護士であったときと比較して、対内的には責任を求められる立場になり、一方、対外的にも、オレンジ法律事務所のパートナー弁護士として見られるようになるので、気が引き締まる思いです。
このようなパートナー弁護士としての自覚と責任を持ち、活動していくためには、弁護士としても、社会人としても成長していかなければなりません。
まずは、当然、弁護士としての能力の向上が必要になります。

例えば、企業の法律相談では、景表法・特商法・不競法・個人情報保護法などの複数の法律の知識が必要となることがよくあります。さらに、業界ごとの特有のビジネスモデル、慣習などが、各事件において、重要となってくることが多くあります。

前述の法的知識について、各事件処理で頻繁に出てくる分野についての知識は取得しておりますし、事件で問題になったときには、マイナーな分野であっても当然徹底的に調査をしますが、正直に申し上げると、民法、会社法、労働法などと比較すると、体系的な知識が若干不足しているように感じます。

そのため、本年は、これらの体系的な知識を身に着けていきたいと思っております。

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ステップアップ

弁護士:有馬明仁

また、各業界のビジネスモデルを把握するのはもちろんのこと、依頼者様の問題解決に役立つのではないかという視点をもって、世間のニュース等を見るなどして、日常生活から成長の糧にしていきたいです。

また、所内で責任ある立場として行動していく上では、弁護士としての専門的能力だけでなく、それ以外の多角的な能力の向上も必要になってくると感じております。
これは、ロータリーで接する経営者の方々が大変参考になるお手本なので、偉大なる諸先輩方から数多くのことを吸収していきたいです。

このように、本年は、パートナー弁護士としての役職だけでなく、実力もステップアップしていけるように、欲張りになって、多岐にわたる能力の向上を目指していく所存です。
ちなみに、対外的な責任という意味では、裁判所から選任される案件に関し、一昨年から昨年にかけて、成年後見人に加え、新たに、相続財産管理人、破産管財人などの事件が増え、さらには、さいたま地方裁判所と埼玉弁護士会とのIT模擬裁判の被告訴訟代理人役を担当するなど、裁判所と共同で仕事をする機会が増えているので、オレンジ法律事務所の信頼を落とさないよう努力して参りたいと存じます。

最後になりますが、本年は、去年以上に、飛躍して、ホップ・ステップ・ジャンプする一年にしたいと思っておりますので、これまでと変わらず、ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします。

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眼光紙背に徹す

弁護士:椿良和

「眼光紙背に徹す」とは、「がんこうしはいにてっす」と読みますが、書物の表面上の意味だけではなく、字句の背後にある意味まで読み取るという意味があります。

私達弁護士は、日々の業務において、様々な法律を用いて、事件処理をします。

まず、法律についてですが、目的や手段等で構成された個別の条文の背後には、当該法律を定めるに至った事実・経緯、つまり当該法律を制定する基礎や当該法律の合理性を支える一般的事実があり、その立法事実に即して、当該法律の個々の条文が規定されています。ここで、ある法律について、その条文の文言が抽象的で特定の事実に適用されるかわからない場合には、当該法律の立法事実・目的・趣旨を踏まえて、当該条文の文言を解釈する必要があります。

次に、事件についてですが、交通事故等のように予期せずに突発的に事件が生じることもありますが、長期にわたる人間関係の結果、事件に至ることもあります。例えば、離婚事件では、今までの生活等の積み重ねの結果、紛争が生じることが多く、表面上の事実だけではなく、その背後にある事実が事件に影響していることがあります。

このように、日々の業務において、法律や事件について、その表面上の意味のみならず、その背後にある意味も読み取りながら、皆様方に的確なリーガルサービスを提供できればと考えております。

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医療と法の融合

弁護士:木村将俊

書き初めで書かせていただきましたとおり、今年は、医療と法律、どちらも意欲的に学び、理想とする医療法務に特化した弁護士に近づくべく精進したいと考えております。

医療の分野では、今年は大学院で法医学を専門で学び、解剖、ご遺体の死因究明方法の基礎を体得することを目指す所存です。

法律の分野では、弁護士の業務の柱となる民法ついて民法改正内容も含めて理解を充実させ、滞りなく事件処理をすることを目指します。

医療法務は、医療記録を正しく読み解き、治療経過を的確に把握することが極めて重要な分野です。解剖学や死因究明方法を学ぶ中で培っていく医療的分析力を活かして、治療上あった事実を正確に理解した上で、法的交渉、訴訟等ができるようになることが目標です。

そして、医療と法律、2つの分野を融合させ、医療機関内での予防法務の樹立、トラブル対応等が速やかにできるよう弁護士としての実力を養いたいです。

法医学をメインにした私の大好きなドラマ『アンナチュラル』の主人公三澄ミコト氏の名台詞に「法医学は、未来のための仕事」というものがありますが、私も弁護士として、依頼者様が法的トラブルを切り抜け、新たな未来の一歩を踏み出す一助になるべく日々の業務に励む所存です。

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法的能力の向上

弁護士:尾形駿

今年は、「法的能力の向上」という言葉を選びました。

昨年は、私にとっては、弁護士1年目でしたが、振り返ってみると、まさに激動の1年であったという感覚です。とにかく目の前の仕事を全力で処理するということの繰り返しでした。

そのように仕事をしていく中で、徐々に弁護士の価値や弁護士に求められている役割が見えてきた気がします。

その中で感じたこととして、当たり前ではありますが、やはり法律のプロフェッショナルとして、重厚な法的な知識や法的な判断能力が基盤として備わっていなければ、本物の弁護士としての価値を出すことができないと感じました。

当然、経験によって得られる交渉の技術や法的な部分を超えたアドバイス等も弁護士として必要な能力だとは思いますが、その大前提として、しっかりとした法的知識や法的判断能力が必要になると強く感じました。

日々の業務に負われながらも、法律の勉強を怠らず、本物の弁護士になれるよう精進して参りたいと思います。

本年もどうぞ宜しくお願いいたします。

8/14 去年の書き初めを見る

吾須重知的活動

弁護士:根本晃

今年の書き初めでは、「吾須重知的活動」(吾すべからく知的活動を重んじるべし)という言葉を書きました。
この言葉は造語で、昨年の反省の意味も込めてこの言葉を作りました。
意味としては、私は当然のこととして知的活動を重んじなければならないという意味です。
昨年の反省として、業務の忙しさにかまけて、法律の体系的な勉強が十分にできていなかった点があったと考えています。

また、改正された民法も、相続法を中心に次々と施行の日を迎え、2020年の4月には120年振りに大改正があった債権法も施行されます。従来の法律を学ぶにとどまらず、次々と改正されていく法律についても学んでいかなければなりません。

また、法律以外においてもAI、RPAなど、少し前には日常で出てこなかった言葉も当たり前のようにメディアで取り上げられ、裁判においてもIT化が進められようとしている現在においては、世の中の動きに乗り遅れないよう、常にアンテナを張りながら生活していく必要があると考えています。
さらに、弁護士である前に一人の人間として人間性を磨くには、これまでやってこなかった様々なことにチャレンジしていく必要もあります。

そのような訳で、法律の勉強に限らず、自分の知識・知性を養う知的な活動を積極的に行って行くことをこの一年の目標として過ごして行きたいと考えています。
本年もどうぞ宜しくお願いいたします。

9/14

桃栗三年柿八年

秘書:上村

2019年は『桃栗三年柿八年』を選びました。

言わずと知れた有名なことわざです。

果樹を植えたら実を食べられるようになるまで長い期間を待つ必要があることから、何事も成就するまでに相応の時間がかかることを意味しています。

また、その意味の他にも、勤勉に働いた人は三年で一人前、少しだけ努力した人は八年で一人前、普通の人は九年で一人前、努力しない人は十八年かかっても一人前になれないという意味もあるそうです。

私は得意でないことに対して消極的になりがちです。

やってみて上手くいかないと、これはもう自分には手に余る、できない…と思いたくなってしまいます。

そんなときに『桃栗三年柿八年』を思い出して、今踏ん張っていずれ自分の身にするんだ!と奮起して、考えることを辞めないためのつっかい棒にします。

社会人になって9年経てば自分が一人前になれるとはまったく思えませんが、それでもいつかは一人前になるために、何事にも消極的にならず、考えて取り組む1年にしたいです。

10/14

守備を強くする

事務:ジャマン

齋藤孝先生(明治大学文学部教授)の『孫子』についての著書に、「攻撃と守備は表裏一体」とありました。攻撃や守備というとスポーツ的ですが、この本が例えとして挙げている「攻撃」に、企画力、行動力、交渉力、「守備」に、確認力、フォロー力、段取り力があります。個人単位でも攻撃面と守備面について考えることができると思いますが、事務所という組織で考えると、弁護士が「攻撃」で、事務局が「守備」を担っていると思いました。

私は事務局ですので、これで言うと「守備」です。「守備」は、「何かを生み出すわけではありませんが、組織にはとても大事」であり、「地味ですが非常に神経を使う仕事」と書かれています。私はあまりスポーツに詳しくはありませんが、スポーツでも、守備がしっかりしているからこそ、攻撃がしやすくなるということがあると思います。
オレンジ法律事務所に入所して今年で3年目になりますが、自分の足りないところを痛感させられる毎日です。

もっと適切な判断ができるように、もっと周りに頼られるようになり、事務局として「守備」をしっかりさせて、弁護士が「攻撃」に集中できるように努めたいと思います。
そしてこれによって、オレンジ法律事務所が、依頼者の方々など対外的にも安心を与えることができればと思います。

参考文献
齋藤孝(2018)『図解 孫子の兵法−丸くおさめる戦略思考』、株式会社ウェッジ、pp62-65。

11/14

日々の積み重ね

秘書:田中

新年の書き初めをやるにあたって、今年は、昨年の自分よりも成長するという気持ちが伝わる文字にしたいと思いました。

その為に、どの分野の勉強をすれば自分を成長させることができるのかということを考えましたが、考えれば考えるほど自分の足りない所がたくさん出てきてしまって、収拾が付かなくなってしまい、なかなか決めることができませんでした。

そこで、昨日の自分よりも今日の自分が少しでも成長していたら、1年で見ると、大きな成長に繋がるのではないかと考えました。

何も考えずに過ごす時間も、成長を意識して過ごす時間も同じ早さで過ぎてしまうので、

なんとなく過ごすことや無意識に仕事をする時間を無くし、アンテナを張って色々なことに気づく時間を増やして、日々何か発見をできるような過ごし方がしたいと思いました。

いつも一緒に働くスタッフに対しても、真似したい長所がたくさんあり、なんとなく接するのはもったいないので意識して接していきたいですし、いつもと同じ業務も積極的に改善点等気づいていけたらと思っています。

「継続は力なり」ですので、目標を常に頭に入れて行動していくこと、

「塵も積もれば山となる」を信じて、小さな事も見逃さない洞察力を身につけることができればと思います。

12/14

習うより慣れろ

事務:櫻井

私がこの言葉を選んだきっかけは、私自身がまだ去年の4月に入所したばかりの1年目ということで、今はただひたすら経験を積むことを第一と考えているからです。

まだまだ覚えなければいけないこともたくさんありますが、とにかくどんなことにもチャレンジし、去年よりもできることを一つでも多く増やし、身につけていければと思い、この言葉を選びました。

私はオレンジ法律事務所に入るまで、法律業界には全く携わったことがなく、この9ヶ月間、失敗も多くありましたが、そこから学べたこともたくさんありました。

しかし、ただ学べただけでは全く意味がないと思いますので、どうすれば学べたことをきちんと次に活かせるかを常に考えつつ、学べたことを次に活かし、今後は学べる前よりも、よりよいサービスを皆様に提供していければと思います。

また、仕事は勿論ですが、日常生活でも新しいことにどんどんチャレンジして、一社会人としても、人間としても一回り大きく成長していける1年にしていければと思います。

この1年、常に向上心、感謝、笑顔を忘れずに過ごして参りたいと思いますので、本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

13/14

周囲に感謝する

事務:小田倉

私はこの言葉を仕事の場ではもちろんですが、私生活も含めて常に心がけています。この心がけが私自身の生活を豊かにしてくれると考えるからです。
仕事面についてですが、私は現職、前職の経験の中で仕事というものは1人で行えるものではなく、周囲のサポート等協力して行うものであることを学びました。
協力して仕事を進めていくにあたっては、それぞれがコミュニケーションを取りながら伸び伸びと楽しく働いた方が成果も出やすいと思います。

また、仮に結果に結びつけることができなかったとしても、過程の中で構築された信頼関係は組織として次の仕事に活かすことができます。
職場の方々とのコミュニケーションの中で私は今回の言葉を大切にしています。
日々の些細なことでもお互いが感謝の気持ちを持ちながら接することで信頼関係も築くことができます。
そのためには仕事をお願いすること、仕事を任せて頂けること、普段の業務で行なっていることを当たり前だとは思わずに感謝して取り組むことが大切です。

私はこれまでの人生で当たり前のことが当たり前ではなくなったときに自分が周囲の人々に支えられていたことに気づきました。
仕事の面ではもちろんですが、冒頭で書いた通り私はこの言葉を私生活を含めて常に心がけています。
家族に感謝すること、友達に感謝すること、職場の方々に感謝すること、それが私自身の人生を豊かにしてくれるものであると考えています。

14/14

戦わずして勝つ

広報担当:田村司

新年明けましておめでとうございます。
さて、新年の書き初め「戦わずして勝つ」の七文字にしました。
これは、商略、商戦に打ち勝つ企業戦略として良く読まれている「孫子の兵法」の一コマです。

原文『是故百戦百勝。非善之善者也。不戦而屈人之兵。善之善者也。』
文意「百戦百勝というと、誰しも万々歳だと申しますが、実は第一級の勝ち方ではないのです。

むしろ一発の砲火も交えずに相手に、相手方を屈服させ、自分の軍門に降らせるというほうが、遥かに万々歳なのです。
他にも老子の「善く敵に勝つ者は与(あらそ)わず」の教えもあります。

古来から、国、法人、個人の間では争いは絶えません。そして現在、自力救済は許されません。

翻って、私は弁護士ではありませんが一般的な経済的利益で、紛争処理を考えたとき早期の和解(示談)が「善」の解決方法かな?と考えながら新年を迎えました。
みなさまも良い新年でありますように!

参考文献
安藤 亮「孫子の兵法」日本文芸社 昭和58年4月20日発行 p97〜98
守屋 洋「新釈『老子』講義」PHP研究所 昭和58年4月13日 p161
上田哲一郎著「民事訴訟法 第二版」法学書院 1999年10月10日第二版15刷発行p4