オレンジ10周年実行委員会

5. 宇田川先生の参画と経営の難しさを知る(第2期)
(2013年)


【目次】
1. 弁護士になる前(2000年)
2. 開業準備(2008年)
3. オレンジの名前の由来(2011年)
4. 激しくオレンジがスタート(第1期)(2012年)
5. 宇田川先生の参画と経営の難しさを知る(第2期)(2013年)
6. 年内追加予定
7. 年内追加予定
8. 年内追加予定
9. 年内追加予定
10. 年内追加予定


2年目の2013年の正月からは、今も続く書き初めの文化が始まります。
毎年1文字ずつ、文字数が増えていくのですが、最初の年はもちろん1文字。
私は、自分自身が成長したいし、オレンジの文化も人も育まれるといいなと思って、「育」という文字にしました。



ちなみに、村山さんは、本当に書道の達人。
「穏やかに」なりたい!という思いが、全面から伝わってくる書き初めでした。

また、この年は、スタッフ全員が川柳を書くというのをしていました。
たまたま、私のも、中野君のも、電車の中での出来事を詠んだものだったのにはびっくりしました。


「お隣で ナウなヤングが LINEなう」(辻本)
「電車ほど こうべを垂れる スマホかな」(中野)



2年目の2013年からは、採用したアソシエイト弁護士が勤務し始めました。
1人目は曽我部君。
ぐったりするほど長い面接をしてようやく採用しただけありタフな精神を持っていたように思います。
弁護士に必要な法的な基礎知識や、法的な文書を書くスキルがはじめからある程度備わっていたので、事実調査、交渉・訴訟の戦略、依頼者への説明書面などの作成など、弁護士に必要な業務を教えやすかったように思います。
取引先には不遜な印象に思われがちだった曽我部君でしたが、人が良く、ギラギラして血気盛んな私と中野の勢いに付き合わされて目まぐるしい毎日だったと思います。

そして、このころの大きな出来事として、パートナー弁護士として渉外事務所出身の宇田川君が入所しました。
同じく慶應大学出身で体育会ホッケー部。
誰よりも声が大きく、宇田川君は、まさに、オレンジに勢いを与える形になりました。



私が野球、中野先生がサッカー、宇田川先生がホッケー、曽我部先生がラグビーと、気がつけばオレンジはゴリゴリの体育会の法律事務所になっていました。
特許侵害などの知的財産案件のほか、中小企業のM&Aやスクイーズアウトなどの企業法務もするようになりましたし、エンタメ系の事件、海外の大使館との契約交渉など、考えることも多いけど楽しい事件を受けることもありました。

知的財産の関係で日本空手道錬武舘の顧問をするようになって空手の夏合宿に参加したり、ワカサギ釣りに行ったり、顧問先の工場見学に行ったり、井上尚弥選手や八重樫東選手のボクシング世界戦を見に行ったり、富士山に登ったり。
仕事が忙しい分、楽しまなきゃという考えが色濃く出ていたように思います。
湘南に行ったフットサル大会などは、コテンパンにやられてしまいましたが、とても楽しかった思い出です。



オレンジがスタートして以来、これまでうなぎ登りで成長を続けてきました。
私も中野君も、経営に関して、特に考えていることがなく、楽しい案件を受けるためにはどうしたらよいかとか、弁護士としてのクオリティーやサービスの質を上げるためにはどうしたらよいかを考えていたくらいで、経営とか組織運営というものをあまりよく考えていませんでした。
そのことがきっかけとなって、宇田川君が方向性の違いによりオレンジを出ていくことになりました。



私も中野君も、信じられないくらい長時間働いていたので、宇田川君にとって、オレンジでパートナー弁護士をすることが不自由に感じたのかもしれません。
このことをきっかけに、私も中野君も経営というものを勉強し始めて、しばらくして オレンジ理念 というものを制定しました。
オレンジの憲法みたいなものです。
オレンジ理念は、2014年には制定され、毎年、入所するスタッフに伝えるようにしてきましたが、今もとくに修正の必要は感じていません。
少し長いのが玉にきずですが、オレンジの考えが表現されているよく出来たものだったように思います。
オレンジ理念がスタッフ、弁護士の日々の行動指針になっているほど浸透しているかどうかは疑問ですが、少なくとも自分自身が経営判断、方針を考えるときには、オレンジ理念を思い出して考えるようにしています。

ちなみに、宇田川先生は、オレンジを退所後、はるか法律事務所を経て、オレンジと同じ大宮でCLOVER法律事務所を設立し、M&A等の企業法務を中心に弁護士業をしています。
きっと誰よりも大きな声でクライアント企業を元気づけているのだと思います。
振り返ってかんがえると、この頃までがオレンジの第2期と呼べるのかもしれません。
オレンジは、この2期を経て、経営というもの、プロフェッショナルファームにおける組織というものを考え始めるようになります。