最高裁第三小法廷 平成29年2月28日判決
【歩合給の計算に当たり売上高等の一定割合に相当する金額から残業手当等に相当する金額を控除する旨の賃金規則上の定めが公序良俗に反し無効であるのか】


(控訴審)東京高裁平成 27 年 7 月 16 日判決
(第1審)東京地裁平成 27 年 1 月 28 日判決

理由


1 事案の概要
本件は,上告人に雇用され,タクシー乗務員として勤務していた被上告人らが,歩合給の計算に当たり残業手当等に相当する金額を控除する旨を定める上告人の賃金規則上の定めが無効であり,上告人は,控除された残業手当等に相当する金額の賃金の支払義務を負うと主張して,上告人に対し,未払賃金等の支払を求める事案である。