東京地裁平成25年4月26日判決〔ジャニーズ写真集事件〕

【オレンジ法律事務所の私見・注釈】

1 本件は、人気アイドルグループのメンバーであるXらが、Xらやグループを被写体とする写真を無断で掲載した書籍を出版、販売したYに対し、Xらの肖像等が有する顧客吸引力を排他的に利用する権利(いわゆるパブリシティ権)及びみだりに自己の容貌等を撮影されず、また、自己の容貌を撮影された写真をみだりに公表されない人格的利益(いわゆる肖像権)が侵害されたと主張して、パブリシティ権侵害及び肖像権侵害に基づく損害賠償とパブリシティ侵害又は肖像権侵害に基づく本件各書籍の出版、販売の差止め及びその廃棄を求める事案である。

2 本判決では、肖像等を無断で使用する行為は、①肖像等それ自体を独立して鑑賞の対象となる商品等として使用し、②商品等の差別化を図る目的で肖像等を商品等に付し、③肖像等を商品等の広告として使用するなど、専ら肖像等の有する顧客吸引力の利用を目的とするといえる場合に、パブリシティ権を侵害するものとして、不法行為法上違法となると解するのが相当であるとした(最高裁第一小法廷平成21年(受)2056号、平成24年 2月 2日判決参照)。

そして、本件各書籍それぞれについて検討を加え、いずれもがXらの写真を鑑賞の対象とする目的とするもので、YがXらを被写体とする写真を掲載する行為は、Xらの肖像等それ自体を独立して鑑賞の対象となる商品等として使用し、専らXらの肖像等の有する顧客吸引力の利用を目的とするものであるから、Xらのパブリシティ権を侵害するものとして、不法行為法上違法となるとした。

3 本判決は、前掲最高裁判決の後、パブリシティ権に関して言い渡された最初の判決であり、前掲最高裁判決同様の判断基準に基づき、パブリシティ権の侵害の有無について判断したものである。

また、東京地裁において、本判決同日に、別の芸能人のパブリシティ権侵害についても判決を言い渡しているが(東京地裁平成22年(ワ)46450号、平成25年 4月26日判決〔パブリシティ権侵害差止等請求事件〕)、前掲最高裁同様の基準を用いて判断している。両判決とも、パブリシティ権侵害を構成する典型的な類型として前記三類型を用いており、実務上、参考になろう。


■参考判例 最高裁第一小法廷平成21年(受)2056号〔ピンク・レディー無断写真掲載事件・上告審〕、平成24年 2月 2日判決

■参考判例 東京地裁平成22年(ワ)第46450号〔パブリシティ権侵害差止等請求事件〕

【原文】

主文

 1 被告は、原告Hに対し511万9400円、原告Iに対し454万7400円、原告Jに対し383万2400円、原告Kに対し469万0400円、原告Lに対し554万8400円、原告M、原告N、原告O及び原告Pに対しそれぞれ337万2416円、原告Qに対し859万1916円、原告Rに対し837万7416円並びに上記各金員に対する平成21年8月26日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。

 2 被告は、別紙書籍目録記載1ないし12の各書籍を出版し、販売してはならない。

 3 被告は、その占有する前項記載の各書籍を廃棄せよ。

 4 原告らのその余の請求をいずれも棄却する。

 5 訴訟費用はこれを5分し、その2を原告らの負担とし、その余を被告の負担とする。

 6 この判決は、第1項に限り、仮に執行することができる。 

    事実及び理由

第1 請求

 1 被告は、原告H、原告I、原告J、原告K及び原告Lに対しそれぞれ1716万円、原告M、原告N、原告O及び原告Pに対しそれぞれ1191万3332円、原告Q及び原告Rに対しそれぞれ1906万3332円並びに上記各金員に対する訴状送達の日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。

 2 被告は、別紙書籍目録記載1ないし12の各書籍を出版し、販売してはならない。

 3 被告は、その占有する前項記載の各書籍を廃棄せよ。

第2 事案の概要

 本件は、原告らが、被告が原告らを被写体とする写真を掲載した書籍を出版、販売し、これにより、原告らの肖像等が有する顧客吸引力を排他的に利用する権利及びみだりに自己の容貌等を撮影されず、また、自己の容貌を撮影された写真をみだりに公表されない人格的利益が侵害されたと主張して、それぞれ、被告に対し、不法行為による損害賠償金及びこれに対する不法行為の後である訴状送達の日から支払済みまで民法所定の年5分の遅延損害金の支払を求めるとともに、上記侵害のいずれかに基づく書籍の出版及び販売の差止め並びにその廃棄を求める事案である。

 1 前提となる事実(当事者間に争いのない事実)

  (1) 原告H、原告I、原告J、原告K及び原告Lは、株式会社ジャニーズ事務所(以下「ジャニーズ事務所」という。)に所属するタレントで、アイドルグループ「嵐」のメンバーとして芸能活動を行う者であり、原告M、原告N、原告O、原告P、原告Q及び原告Rは、ジャニーズ事務所に所属するタレントで、アイドルグループ「KAT-TUN」のメンバーとして芸能活動を行う者である。

 被告は、書籍や雑誌の企画、編集、制作、発行及び販売等の事業を目的とする株式会社である。

  (2) 被告は、別紙書籍目録の各「発行年月日」欄記載の日に、同目録の各「題名」欄記載の題名で、原告らを被写体とする写真(以下「本件各写真」という。)を掲載した書籍(甲1ないし12。以下、それぞれを同目録の番号に従い「本件書籍1」のようにいい、併せて「本件各書籍」という。)を出版し、これらをいずれも定価1300円(消費税を除く。)で販売した。

  (3) 原告らは、被告側のカメラマンが本件各写真を撮影したり、被告が本件各写真を本件各書籍に掲載したりすることを承諾しておらず、本件各写真は、原告らに無断で撮影され、本件各書籍に掲載された。

 2 争点

  (1) 被告が本件各写真を本件各書籍に掲載する行為が、原告らの肖像等が有する顧客吸引力を排他的に利用する権利を侵害するか否か。

  (2) 被告が本件各写真を撮影し、これを本件各書籍に掲載する行為が、みだりに自己の容貌等を撮影されず、また、自己の容貌を撮影された写真をみだりに公表されない人格的利益を侵害するか否か。

  (3) 上記(1)の権利の侵害及び上記(2)の利益の侵害により各原告らが受けた損害の額。

  (4) 原告らが被告に対し本件各書籍の出版及び販売の差止め並びに廃棄を請求することができるか否か。

 3 争点についての当事者の主張

  (1) 争点1(被告が本件各写真を本件各書籍に掲載する行為が、原告らの肖像が有する顧客吸引力を排他的に利用する権利を侵害するか否か)について

   ア 原告らの主張

 (ア) 本件各写真は、別紙個別主張一覧表(1)ないし(12)の各「原告らの主張」欄記載のとおりである(ここで用いた分類及び記号は、別紙「原告らの主張における分類及び記号についての説明」に記載のとおりである。)。また、上記主張に対する被告の反論に対する原告らの認否は、別紙個別主張一覧表(1)ないし(12)の各「被告の主張及び原告らの認否」の「原告ら」欄に記載のとおりである(ここで用いた記号についての説明は、別紙「被告が提示する各要素と対応する記号の説明」に記載のとおりである。なお、原告らは、空白の項目については被告の主張を争わず、また、「写真の鮮明度」、「肖像占有度」及び「表情・ポーズ等」については認否をしない。)。以上から明らかなように、本件各写真は、本件各書籍の全体にわたって掲載されている。

 (イ) パブリシティ権とは、固有の名声、社会的評価、知名度等を獲得した著名な芸能人が、その氏名、肖像等の顧客吸引力に係る経済的価値を独占的、排他的に享受することができる権利であり、原告らは、広く名声、社会的評価、知名度等を獲得した極めて著名な芸能人であるから、パブリシティ権を有する。

 本件各書籍は、本件各写真を多数の頁に大きくカラーで掲載し、中には2頁見開きや1頁全面にわたって掲載しているものも多く存在するのであり、また、記事が掲載された頁であっても、大半は写真との間に何らの関連性がないか、単に写真の撮影状況を説明するにとどまる。そして、本件各書籍の題名には、原告らの氏名及びグループ名に加え、「お宝フォトファイル」等写真を集めたことを表す言葉が付されている。しかも、原告らは、人気のあるアイドルで、特にその容貌に高い評価を受けているから、一般の読者は、専ら原告らの肖像等を鑑賞することを目的として本件各書籍を購入するものである。

 そうであるから、本件各書籍は、肖像等それ自体を独立して鑑賞の対象となる商品等として使用し、専ら肖像等の有する顧客吸引力の利用を目的とするものであるから、被告が本件各写真を本件各書籍に掲載する行為は、原告らのパブリシティ権を侵害する。

   イ 被告の主張

 (ア) 本件各写真についての原告らの主張に対する反論は、別紙個別主張一覧表(1)ないし(12)の各「被告の主張及び原告らの認否」の「被告」欄に記載のとおりである(なお、ここで用いた要素と記号は、別紙「被告が提示する各要素と対応する記号の説明」に記載のとおりである。)。本件各書籍は、原告らに関する様々なエピソードを紹介しつつ、原告らの芸能人としての歩みを論ずるものであり、その中心は、原告らに関する文章であって、本件各写真は、その容貌やファッション等の変遷や主たる芸能活動の歴史を視覚的に表現するのに必要な限度で用いられているにすぎない。

 (イ) 本件各書籍は、原告らに関する様々な情報を読者に伝えることを目的としているから、写真と文章が同じ頁に印刷されているものが多く、写真の上に文章が印刷されているものもある上、21㎝×14.8㎝という小さな判を使用しているから、多くはさらに細分化された枠で写真を掲載しているのであり、また、質の高い紙を使用していない。そして、別紙個別主張一覧表(1)ないし(12)の各「被告の主張及び原告らの認否」の「被告」欄記載の各要素を併せ考慮すれば、本件各写真は、それ自体で独立して鑑賞するに値するものではない。

 そうであるから、本件各書籍は、原告らのファンが知りたがっている情報を伝えることを目的としたものであって、肖像等それ自体を独立して鑑賞の対象となる商品等として使用したものではなく、専ら肖像等の有する顧客吸引力の利用を目的とするものとはいえないから、被告が本件各写真を本件各書籍に掲載する行為は、原告らのパブリシティ権を侵害しない。

  (2) 争点2(被告が本件各写真を撮影し、これを本件各書籍に掲載する行為が、みだりに自己の容貌等を撮影されず、また、自己の容貌を撮影された写真をみだりに公表されない人格的利益を侵害するか否か)について

   ア 原告らの主張

 (ア) すべての人は、みだりに自己の容貌等を撮影されず、撮影された肖像写真を使用されない権利としての肖像権を有するから、本人の承諾のない写真撮影及び公表は、原則として違法であり、公共の利害に関わり、専ら公益を図る目的でされ、その方法がその目的に照らして相当である場合に違法性が阻却される。

 (イ) 本件各写真は、① コンサート会場や記者会見等の公開の場所における原告らの姿を撮影したもの(別紙個別主張一覧表(1)ないし(12)の各「原告らの主張」の「AorB」欄のA)と、② 芸能活動を離れた私生活において、私服姿で路上等を通行している原告らの姿を撮影したもの(上記「AorB」欄のB)に大別できるが、原告らの私生活における行動、芸能活動、容貌及びファッション等の情報は、公共の利害に関する事実ではなく、これらを撮影して写真集として販売する社会的な必要性もない。そして、本件各写真を撮影し、これを本件各書籍に掲載して出版する目的は、写真集として販売し、利益を追求することにあるから、公益性もない。しかも、本件各写真は、全て原告らに無断で撮影されたものであって、撮影の態様は不相当である。

 そうであるから、被告が本件各写真を撮影し、これを本件各書籍に掲載する行為は、原告らの上記利益を侵害する違法なものである。

   イ 被告の主張

 原告らの容貌、ファッション及び人物像等の情報は、公共の利害に関する事実であり、また、本件各写真を撮影し、これを本件各書籍に掲載して出版する目的は、原告らに関する様々なエピソードを紹介しつつ、原告らの芸能人としての歩みをファンに伝えることにあるから、専ら公益を図る目的である。

 しかも、本件各書籍に掲載されている原告らの写真のうち、コンサート会場や記者会見等の公開の場所における原告らの容貌や姿態を撮影したもの(別紙個別主張一覧表(1)ないし(12)の各「原告らの主張」の「AorB」欄のA)の中には、一般人の感受性を基準として撮影や掲載を望まないようなものは見当たらない。記者会見等においては、カメラマンが原告らの肖像写真を撮影し、これを種々のメディアで使用することが包括的に承諾されているし、コンサート会場での写真は、その写り具合等からみて、主催者から承諾を得たカメラマンが撮影したものであり、そもそも、記者会見やコンサート会場等の公開の場所における原告らの容貌や姿態は、公衆の目に触れることが当然の前提であるから、原告らに無断で写真が撮影され、撮影された写真が公表されたとしても、原告らの人格的利益の侵害が社会生活上受忍すべき限度を超えるとはいえない。また、私服姿で路上等を通行している原告らの姿を撮影した写真(別紙個別主張一覧表(1)ないし(12)の各「原告らの主張」の「AorB」欄のB)も、ごく普通の行動を撮影したもので、撮影方法は相当であるし、そのほとんどは、原告らが仕事のためにスタジオ等に出入りする場面を撮影したものであり、そこではファンに見られ、ファンと交流することが予定されていて、芸能活動を離れた純然たる私生活の場面ではないから、このような写真が撮影され、撮影された写真が公表されたとしても、原告らの人格的利益の侵害が社会生活上受忍すべき限度を超えるとはいえない。

 したがって、被告が本件各写真を撮影し、これを本件各書籍に掲載する行為は、原告らの上記利益を侵害するものではない。

  (3) 争点3(上記(1)の権利の侵害及び上記(2)の利益の侵害により各原告らが受けた損害の額)について

   ア 原告らの主張

 (ア) 被告が原告らの肖像が有する顧客吸引力を排他的に利用する権利及びみだりに自己の容貌等を撮影されず、また、自己の容貌を撮影された写真をみだりに公表されない人格的利益を侵害したことにより、原告らは、被告が本件各書籍を出版するについて、その肖像写真、氏名及びグループ名等の使用を許諾した場合に得ることができる利益に相当する額及び弁護士費用相当損害金の損害を受けた。

 原告らがこれまでに出版を許諾した写真集は、所属プロダクションであるジャニーズ事務所や同事務所が原告らの肖像の管理等を委託しているグループ会社が契約当事者となって発行者との間で出版契約を締結しているが、その際に発行者から受領する許諾料は、本体価格の10%を優に超える。そうであるから、原告らが受けた損害の額は、本件各書籍の小売価格1300円の10%にそれぞれの発行部数10万部を乗じた金額とその1割に相当する弁護士費用相当損害金を合算した金額を下回ることはない。

 (イ) そこで、各原告らが受けた損害の額を算定すると、以下のとおりになる。

  a 原告H

 原告Hの権利及び利益を侵害する書籍は、本件書籍1及び6であるところ、本件書籍6は嵐のメンバー5名の写真集であるから、原告Hが受けた本件書籍6に係る損害の額は、嵐のメンバー5名が受けた損害の額の5分の1に相当する額である。

 そうすると、原告Hが受けた損害の額は、次の①ないし③を合計した1716万円である。

   ① 本件書籍1に係る損害の額   1300万円

 (1300円×10万部×10%=1300万円)

   ② 本件書籍6に係る損害の額    260万円

 (1300円×10万部×10%÷5=260万円)

   ③ 弁護士費用相当損害金      156万円

 ((1300万円+260万円)×10%=156万円)

  b 原告I

 原告Iの権利及び利益を侵害する書籍は、本件書籍2及び6であるところ、本件書籍6は嵐のメンバー5名の写真集であるから、原告Iが受けた本件書籍6に係る損害の額は、嵐のメンバー5名が受けた損害の額の5分の1に相当する額である。

 そうすると、原告Iが受けた損害の額は、次の①ないし③を合計した1716万円である。

   ① 本件書籍2に係る損害額    1300万円

 (1300円×10万部×10%=1300万円)

   ② 本件書籍6に係る損害額     260万円

 (1300円×10万部×10%÷5=260万円)

   ③ 弁護士費用相当損害金      156万円

 ((1300万円+260万円)×10%=156万円)

  c 原告J

 原告Jの権利及び利益を侵害する書籍は、本件書籍3及び6であるところ、本件書籍6は嵐のメンバー5名の写真集であるから、原告Jが受けた本件書籍6に係る損害の額は、嵐のメンバー5名が受けた損害の額の5分の1に相当する額である。

 そうすると、原告Jが受けた損害の額は、次の①ないし③を合計した1716万円である。

   ① 本件書籍3に係る損害額    1300万円

 (1300円×10万部×10%=1300万円)

   ② 本件書籍6に係る損害額     260万円

 (1300円×10万部×10%÷5=260万円)

   ③ 弁護士費用相当損害金      156万円

 ((1300万円+260万円)×10%=156万円)

  d 原告K

 原告Kの権利及び利益を侵害する書籍は、本件書籍4及び6であるところ、本件書籍6は嵐のメンバー5名の写真集であるから、原告Kが受けた本件書籍6に係る損害の額は、嵐のメンバー5名が受けた損害の額の5分の1に相当する額である。

 そうすると、原告Kが受けた損害の額は、次の①ないし③を合計した1716万円である。

   ① 本件書籍4に係る損害額    1300万円

 (1300円×10万部×10%=1300万円)

   ② 本件書籍6に係る損害額     260万円

 (1300円×10万部×10%÷5=260万円)

   ③ 弁護士費用相当損害金      156万円

 ((1300万円+260万円)×10%=156万円)

  e 原告L

 原告Lの権利及び利益を侵害する書籍は、本件書籍5及び6であるところ、本件書籍6は嵐のメンバー5名の写真集であるから、原告Lが受けた本件書籍6に係る損害の額は、嵐のメンバー5名が受けた損害の額の5分の1に相当する額である。

 そうすると、原告Lが受けた損害の額は、次の①ないし③を合計した1716万円である。

   ① 本件書籍5に係る損害額    1300万円

 (1300円×10万部×10%=1300万円)

   ② 本件書籍6に係る損害額     260万円

 (1300円×10万部×10%÷5=260万円)

   ③ 弁護士費用相当損害金      156万円

 ((1300万円+260万円)×10%=156万円)

  f 原告M

 原告Mの権利及び利益を侵害する書籍は、本件書籍7、11及び12である。本件書籍7は原告M及び原告N2名の写真集であるから、原告Mが受けた本件書籍7に係る損害額は、2名が受けた損害の額の2分の1に相当する額であり、本件書籍11及び12はKAT-TUNのメンバー6名の写真集であるから、原告Mが受けた本件書籍11及び12に係る損害の額は、KAT-TUNのメンバー6名が受けた損害の額の6分の1に相当する額である。

 そうすると、原告Mが受けた損害の額は、次の①ないし④を合計した1191万3332円である。

   ① 本件書籍7に係る損害額     650万円

 (1300円×10万部×10%÷2=650万円)

   ② 本件書籍11に係る損害額    216万6666円

 (1300円×10万部×10%÷6=216万6666円)

   ③ 本件書籍12に係る損害額    216万6666円

 (1300円×10万部×10%÷6=216万6666円)

   ④ 弁護士費用相当損害金      108万円

 ((650万円+216万6666円×2)×10%≒108万円)

  g 原告N

 原告Nの権利及び利益を侵害する書籍は、本件書籍7、11及び12である。本件書籍7は原告M及び原告N2名の写真集であるから、原告Nが受けた本件書籍7に係る損害額は、2名が受けた損害の額の2分の1に相当する額であり、また、本件書籍11及び12はKAT-TUNのメンバー6名の写真集であるから、原告Nが受けた本件書籍11及び12に係る損害の額は、KAT-TUNのメンバー6名が受けた損害の額の6分の1に相当する額である。

 そうすると、原告Nが受けた損害の額は、次の①ないし④を合計した1191万3332円である。

   ① 本件書籍7に係る損害額     650万円

 (1300円×10万部×10%÷2=650万円)

   ② 本件書籍11に係る損害額    216万6666円

 (1300円×10万部×10%÷6=216万6666円)

   ③ 本件書籍12に係る損害額    216万6666円

 (1300円×10万部×10%÷6=216万6666円)

   ④ 弁護士費用相当損害金      108万円

 ((650万円+216万6666円×2)×10%≒108万円)

  h 原告O

 原告Oの権利及び利益を侵害する書籍は、本件書籍8、11及び12である。本件書籍8は原告O及び原告P2名の写真集であるから、原告Oが受けた本件書籍8に係る損害額は、2名が受けた損害の額の2分の1に相当する額であり、また、本件書籍11及び12はKAT-TUNのメンバー6名の写真集であるから、原告Oが受けた本件書籍11及び12に係る損害の額は、KAT-TUNのメンバー6名が受けた損害の額の6分の1に相当する額である。

 そうすると、原告Oが受けた損害の額は、次の①ないし④を合計した1191万3332円である。

   ① 本件書籍8に係る損害額     650万円

 (1300円×10万部×10%÷2=650万円)

   ② 本件書籍11に係る損害額    216万6666円

 (1300円×10万部×10%÷6=216万6666円)

   ③ 本件書籍12に係る損害額    216万6666円

 (1300円×10万部×10%÷6=216万6666円)

   ④ 弁護士費用相当損害金      108万円

 ((650万円+216万6666円×2)×10%≒108万円)

  i 原告P

 原告Pの権利及び利益を侵害する書籍は、本件書籍8、11及び12である。本件書籍8は、原告O及び原告P2名の写真集であるから、原告Pが受けた本件書籍8に係る損害額は、2名が受けた損害の額の2分の1に相当する額であり、また、本件書籍11及び12はKAT-TUNのメンバー6名の写真集であるから、原告Pが受けた本件書籍11及び12に係る損害の額は、KAT-TUNのメンバー6名が受けた損害の額の6分の1に相当する額である。

 そうすると、原告Pが受けた損害の額は、次の①ないし④を合計した1191万3332円である。

   ① 本件書籍8に係る損害額     650万円

 (1300円×10万部×10%÷2=650万円)

   ② 本件書籍11に係る損害額    216万6666円

 (1300円×10万部×10%÷6=216万6666円)

   ③ 本件書籍12に係る損害額    216万6666円

 (1300円×10万部×10%÷6=216万6666円)

   ④ 弁護士費用相当損害金      108万円

 ((650万円+216万6666円×2)×10%≒108万円)

  j 原告Q

 原告Qの権利及び利益を侵害する書籍は、本件書籍9、11及び12である。本件書籍11及び12はKAT-TUNのメンバー6名の写真集であるから、原告Qが受けた本件書籍11及び12に係る損害の額は、KAT-TUNのメンバー6名が受けた損害の額の6分の1に相当する額である。

 そうすると、原告Qが受けた損害の額は、次の①ないし④を合計した1906万3332円である。

   ① 本件書籍9に係る損害額    1300万円

 (1300円×10万部×10%=1300万円)

   ② 本件書籍11に係る損害額    216万6666円

 (1300円×10万部×10%÷6=216万6666円)

   ③ 本件書籍12に係る損害額    216万6666円

 (1300円×10万部×10%÷6=216万6666円)

   ④ 弁護士費用相当損害金      173万円

 ((1300万円+216万6666円×2)×10%≒173万円)

  k 原告R

 原告Rの権利及び利益を侵害する書籍は、本件書籍10、11及び12である。本件書籍11及び12はKAT-TUNのメンバー6名の写真集であるから、原告Rが受けた本件書籍11及び12に係る損害の額は、KAT-TUNのメンバー6名が受けた損害の額の6分の1に相当する額である。

 そうすると、原告Rが受けた損害の額は、次の①ないし④を合計した1906万3332円である。

   ① 本件書籍10に係る損害額   1300万円

 (1300円×10万部×10%=1300万円)

   ② 本件書籍11に係る損害額    216万6666円

 (1300円×10万部×10%÷6=216万6666円)

   ③ 本件書籍12に係る損害額    216万6666円

 (1300円×10万部×10%÷6=216万6666円)

   ④ 弁護士費用相当損害金      173万円

 ((1300万円+216万6666円×2)×10%≒173万円)

   イ 被告の主張

 (ア) 被告が原告らの肖像が有する顧客吸引力を排他的に利用する権利及びみだりに自己の容貌等を撮影されず、また、自己の容貌を撮影された写真をみだりに公表されない人格的利益を侵害したとしても、原告が受けた損害の額は、人格的な価値が損なわれたことによる精神的な苦痛を慰謝するのに必要な限度の金額にとどまる。本件各写真は、公衆の目に触れた原告らの肖像に係るものであって、原告らの社会的な評価を低下させるものではなく、その名誉感情を損なうものでもない。そうであるから、原告らが受けた損害の額は、原告らの名誉やプライバシーを侵害した場合の慰謝料額を大きく下回るべきものである。

 (イ) 本件各書籍の発行部数がそれぞれ10万部であることは否認する。仮に原告らが逸失利益の損害を受けることがあるとしても、被告が本件各書籍を販売したことによって、原告らが正規の写真集を販売して利益を得る機会を逸したとはいえない。また、原告らの正規の写真集に係る契約における使用料率等は、原告らに支払われる肖像等の使用料を適正に反映したものではなく、仮に出版社等からジャニーズ事務所に使用料等が支払われるとしても、そのうちの一定額は、仲介手数料等としてジャニーズ事務所に徴収されるのであるから、原告らの正規の写真集に係る契約書の内容は、本件各書籍で原告らの肖像等が使用されたことによって原告らが被った損害の額を算定する際の参考にはならない。

  (4) 争点4(原告らが被告に対し本件各書籍の出版及び販売の差止め並びに廃棄を請求することができるか否か)について

   ア 原告らの主張

 原告らは、厳格に肖像を管理し、肖像の撮影やその掲載を承諾する際には、掲載する媒体、時期、内容、目的、条件、原告らの他の芸能活動に与える影響等様々な要素を考慮してその可否を判断している。しかし、本件各書籍は、原告らに無断で発行されたから、原告らは、上記各要素を考慮することができず、また、本件各写真は、原告らが公開を承諾したものではなく、隠し撮りの写真も多く含まれるから、原告らが受けた精神的苦痛は極めて大きい。そして、本件各書籍が存在し、その出版、販売が継続している間は、原告らの権利又は利益の侵害が継続する。これに対し、本件各書籍は、公共の利害に関する内容を含まず、国民の知る権利にも寄与しないから、表現行為としての重要性が低く、仮に本件各書籍の出版及び販売の差止めを認めたとしても、被告が被る不利益は小さい。

 そうであるから、原告らの権利又は利益の侵害を排除するためには、本件各書籍の出版及び販売を差し止めて、これを廃棄するほかない。

   イ 被告の主張

 原告らは、その肖像等を自ら商品化しているから、その権利や利益の侵害があっても、金銭賠償によって事後的に損害を回復することが可能である。原告らは、そもそも自ら積極的にその肖像等を広く公衆に知らしめようとしているのであるから、本件各書籍が出版、販売されることによって、強い精神的苦痛を負うこともない。これに対し、本件各書籍の出版及び販売を差し止めると、被告及び本件各書籍の著者の表現の自由を害し、原告らのファンの知る権利をも害することになる。

 そうであるから、本件各書籍の出版及び販売の差止め並びに廃棄は、認められるべきではない。

第3 当裁判所の判断

 1 争点1(被告が本件各写真を本件各書籍に掲載する行為が、原告らの肖像が有する顧客吸引力を排他的に利用する権利を侵害するか否か)について、判断する。

  (1) 人の氏名、肖像等(以下、併せて「肖像等」という。)は、商品の販売等を促進する顧客吸引力を有する場合があり、このような顧客吸引力を排他的に利用する権利(以下、この権利を「パブリシティ権」という。)は、肖像等それ自体の商業的価値に基づくものであるから、人格権に由来する権利の一内容を構成するものということができる。他方、肖像等に顧客吸引力を有する者は、社会の耳目を集めるなどして、その肖像等を時事報道、論説、創作物等に使用されることもあるのであって、その使用を正当な表現行為等として受忍すべき場合もあるというべきである。そうすると、肖像等を無断で使用する行為は、① 肖像等それ自体を独立して鑑賞の対象となる商品等として使用し、② 商品等の差別化を図る目的で肖像等を商品等に付し、③ 肖像等を商品等の広告として使用するなど、専ら肖像等の有する顧客吸引力の利用を目的とするといえる場合に、パブリシティ権を侵害するものとして、不法行為法上違法となると解するのが相当である(最高裁平成21年(受)第2056号同24年2月2日第一小法廷判決・民集66巻2号89頁参照)。

  (2) 前提となる事実に、証拠(甲1ないし12、16、17、18の1及び2、19、乙1の1ないし12、2、7ないし10)及び弁論の全趣旨を総合すれば、原告H、原告I、原告J、原告K及び原告Lは嵐のメンバーであり、原告M、原告N、原告O、原告P、原告Q及び原告RはKAT-TUNのメンバーであるところ、嵐及びKAT-TUNは、いずれも本件各書籍が出版されたころから現在に至るまで人気のあるアイドルグループであることが認められるから、原告らの肖像等は、顧客吸引力有するものと認められる。

  (3) そこで、被告が本件各写真を本件各書籍に掲載する行為が、原告らのパブリシティ権を侵害するものとして、不法行為法上違法となるか否かについて、検討する。

   ア 本件書籍1について

 (ア) 証拠(甲1)によれば、次の事実が認められる。

  a 本件書籍1は、「嵐 H コンプリートお宝フォトファイル Starring」という題名の、A5判サイズで全112頁の書籍である。

 本件書籍1には、その表表紙、裏表紙及び表表紙の袖を含めて、原告Hを被写体とするカラー写真が合計162枚(別紙個別主張一覧表(1)の写真番号甲1-1ないし162の各写真。以下、個々の写真を別紙個別主張一覧表(1)ないし(12)の写真番号に従い「写真甲1-1」のようにいう。)掲載されており、各写真が掲載された頁、各頁に複数の写真が掲載された場合の各写真の位置、各写真の被写体とされた原告は、別紙個別主張一覧表(1)の「原告らの主張」の「掲載ページ」欄、「掲載場所」欄及び「被撮影者」欄に記載のとおりであり、また、各写真の大きさは、同表の「被告の主張及び原告らの認否」の「写真の大きさ」の「被告」欄に記載のとおりである(ただし、写真甲1-112は88頁に、写真甲1-114は90頁に、写真甲1-116は91頁に、写真甲1-150は108頁に掲載されている。また、写真甲1-23の大きさは「B」、写真甲1-62の大きさは「C」である。)。

  b 表表紙には、「ARASHI 嵐 コンプリートお宝フォトファイルH Starring」、「秘蔵お宝写真150カットで綴る情熱のメモリー」と記載され、写真甲1-1ないし3が掲載されている。また、本件書籍1の背表紙には、「嵐 ARASHI H コンプリートお宝フォトファイル」と記載されている。そして、表表紙の袖には、写真甲1-4及び5が掲載されている。

  c 1頁には、「ARASHI 嵐 コンプリートお宝フォトファイルH Starring」と記載され、甲1-6及び7が掲載されている。2頁には、写真甲1-8が掲載されている。

 3頁には、「CONTENTS H」との見出しの下に、次のような目次が記載され、写真甲1-9が掲載されている。

 「●Introduction ……………………………………4

 ●PART1  情熱の軌跡 1999-2004 …………14

    Column①“キャプテン愛”はどこへ行く!?

                 ……………………………40

 ●PART2 ターニングポイント 2005-2006 ……42

 ●SPECIAL PART Precious Shots of H

                               ……56

 ●PART3 Star Performer

          2007-2008…………………………60

    Column② Change! Change!Change!

                            …………97

 ●PART4 H's Jr.days

       ~Jr.時代~ ……………………………100

 ●PROFILE  ……………………………………108」

  d 4ないし13頁は、「Introduction」の章で、5頁には、上記見出しの下に、原告Hを紹介する前文があり、4ないし13頁には、写真甲1-10ないし22が掲載され、7及び13頁には、それぞれの写真の脇に原告Hに関する短い記述がある。

  e 14ないし41頁は、「PART1 情熱の軌跡 1999-2004」の章で、14及び15頁には、上記見出しの下に、原告Hがアイドルとしてかつてない独自の存在感を醸し出していたことなどを記述する前文があり、14ないし39頁には、写真甲1-23ないし47が枚掲載され、15ないし18、21、23、24、26、35、36、37及び38頁には、それぞれの写真の脇に原告H又は嵐に関する短い記述がある。

 40及び41頁は、「Column① “キャプテン愛”はどこへ行く!?」との小見出しのコラムで、2頁にわたり、写真甲1-48及び50を背景に、原告Hの魅力を説明する文章があり、写真甲1-49及び51が掲載されている。しかし、コラムの具体的な内容と掲載された写真との間に格別の関連はない。

  f 42ないし55頁は、「PART2 ターニングポイント 2005-2006」の章で、43頁には、上記見出しの下に、原告Hが2005年から2006年にかけてターニングポイントを迎えたことなどを記述する前文があり、42ないし55頁には、写真甲1-52ないし65が掲載され、43、45、46、48、51及び53頁には、それぞれの写真の脇に原告H又は嵐に関する短い記述がある。

  g 56ないし59頁は、「SPECIAL PART Precious Shots of H」の章で、56及び57頁には、上記見出しの下に、原告Hのファッションを記述する前文があり、56ないし59頁には、写真甲1-66ないし72が掲載されている。

  h 60ないし99頁は、「PART3 Star Performer 2007-2008」の章で、60及び61頁には、上記見出しの下に、嵐が2007年、2008年に開催されたコンサートで活躍したことなどを記述する前文があり、60ないし96頁には、写真甲1-73ないし129が掲載され、61、67、72、81、85及び92頁に、それぞれの写真の脇に原告H又は嵐に関する短い記述がある。

 97ないし99頁は、「Column② Change! Change! Change!」との小見出しのコラムで、3頁にわたり、写真甲1-130及び132を背景に、原告Hがデビュー当時他の嵐のメンバーより認知度が低かったこと、2008年に個展を開催してから舞台やドラマの主役を務め活躍していることなどを記述する文章があり、写真甲1-131、133ないし135が掲載されている。しかし、コラムの具体的な内容と掲載された写真との間に格別の関連はない。

  i 100ないし107頁は、「PART4 H's Jr.days ~Jr.時代~」の章で、100頁には、上記見出しの下に、Jr.時代の原告Hが、嵐のメンバーの中で唯一、100人を超えるファンに取り囲まれる状況を経験していないことなどを記述する前文があり、100ないし107頁には、写真甲1-136ないし149が掲載され、107頁には、写真の脇に原告Hに関する短い記述がある。

  j 108ないし110頁には、「ARASHI PROFILE」との見出しの下に、嵐のCD、ビデオ/DVD、書籍/写真集、ドラマ/映画、コンサートの題名等の情報が記載され、写真甲1-150ないし153が掲載されている。

 111頁には、「H PROFILE」との見出しの下に、原告Hの生年月日、出身地等の情報とともに、原告Hが出演したドラマ、舞台、ソロコンサートの題名等の情報が記載され、写真甲1-154及び155が掲載されている。

  k 112頁には、奥付と編著者の紹介が記載され、写真甲1-156ないし160が掲載されている。

  l 裏表紙には、目次が記載され、写真甲1-161及び162が掲載されている。

 (イ) 本件書籍1は、その題名を「H コンプリートお宝フォトファイル」とし、表表紙に「秘蔵お宝写真150カットで綴る情熱のメモリー」との記載があるように、原告Hを主な被写体とする写真を大量に掲載した写真集である。

 すなわち、本件書籍1は、表紙のほか、112頁全てにわたり、主に原告Hを被写体とするカラー写真162枚を掲載したものであり、しかも、頁の大部分は、写真だけか、写真の脇に短い記述を添えただけのものである。そして、各章(「Introduction」、「PART1」ないし「PART4」及び「SPECIAL PART」)の冒頭には見出しとともに前文があるが、いずれの前文も、写真を掲載した各章の導入としての意義があるというにとどまり、これを超えて、独立した意義があるということはできない。また、「Column①」及び「Column②」の各コラムには比較的まとまった文章があるが、その具体的な内容と掲載された写真との間に格別の関連はないから、掲載された写真が、上記コラムの内容を補足するものということはできず、かえって、本件各写真の枚数やその取り扱われ方等に照らすと、上記コラムは、本件各写真の添え物であって独立した意義があるとは認められない。

 これらの事情に照らすと、本件書籍1は、本件各写真を鑑賞の対象とすることを目的とするものというべきである。

 そうすると、被告が本件各写真を本件書籍1に掲載する行為は、原告Hの肖像等それ自体を独立して鑑賞の対象となる商品等として使用し、専ら原告Hの肖像等の有する顧客吸引力の利用を目的とするものであるから、原告Hのパブリシティ権を侵害するものとして、不法行為法上違法となるというべきである。

   イ 本件書籍2について

 (ア) 証拠(甲2)によれば、次の事実が認められる。

  a 本件書籍2は、「嵐 I コンプリートお宝フォトファイル Omnis」という題名の、A5判サイズで全112頁の書籍である。

 本件書籍2には、その表表紙、裏表紙及び表表紙の袖を含めて、主に原告Iを被写体とするカラー写真が合計181枚(写真甲2-1ないし181)掲載されており、各写真が掲載された頁、各頁に複数の写真が掲載された場合の各写真の位置、各写真の被写体とされた原告は、別紙個別主張一覧表(2)の「原告らの主張」の「掲載ページ」欄、「掲載場所」欄及び「被撮影者」欄に記載のとおりであり、また、各写真の大きさは、同表の「被告の主張及び原告らの認否」の「写真の大きさ」の「被告」欄に記載のとおりである(ただし、写真甲2-8は2頁に、写真甲2-43は28頁の中央に、写真甲2-45は29頁の右下に、写真甲2-56は38頁に、甲2-81は59頁に、甲2-95は66頁の左下に、甲2-97は67頁の右下に、甲2-167は107頁に掲載されている。)。

  b 表表紙には、「ARASHI 嵐 コンプリートお宝フォトファイル I Omnis」、「秘蔵お宝写真170カットで綴る情熱のメモリー」と記載され、写真甲2-1ないし3が掲載されている。また、本件書籍2の背表紙には、「嵐 ARASHI I コンプリートお宝フォトファイル」と記載されている。そして、本件書籍2の表表紙の袖には、写真甲2-4及び5が掲載されている。

  c 1頁には、「ARASHI 嵐 コンプリートお宝フォトファイル I Omnis」と記載され、写真甲2-6及び7が掲載されている。2、3頁には、「CONTENTS I」との見出しの下に、次のような目次が掲載され、写真甲2-8及び9が掲載されている。

 「●Introduction ……………………………………4

 ●PART1 フルスロットルの記憶 1999-2005

                    ………………………16

    Column① “ヘタレ”が人の心を打つとき

                ………………………………28

 ●PART2 With a Passion 2006-2007

           ………………………………………52

    Column② パブリックイメージをぶっ壊せ!

                ………………………………66

 ●PART3 I’s Jr.days

       ~Jr.時代~ ………………………………82

 ●PART4 未知なる領域へ 2008 ………………90

 ●SPECIAL PART Precious Shots

                   of I   ……………104

 ●PROFILE  ……………………………………110」

  d 4ないし15頁は、「Introduction」の章で、5頁に、上記見出しの下に、原告Iを紹介する前文があり、4ないし15頁には、写真甲2-10ないし27が掲載されている。

  e 16ないし51頁は、「PART1 1999-2005 フルスロットルの記憶」の章で、16頁には、上記見出しの下に、原告Iの個性などを記述した前文があり、16ないし27、30ないし51頁には、写真甲2-28ないし41、46ないし72が掲載され、17、18、20ないし24、30、31、36、37、39、40、42、44ないし48及び51頁には、それぞれの写真の脇に原告I又は嵐に関する短い記述がある。

 28及び29頁は、「Column① “ヘタレ”が人の心を打つとき」との小見出しのコラムで、2頁にわたり、写真甲2-42及び44を背景に、原告Iが運動を苦手としながら努力をしたことなどを説明する文章があり、写真甲2-43及び45が掲載されている。しかし、コラムの具体的な内容と掲載された写真との間に格別の関連はない。

  f 52ないし81頁は、「PART2 2006-2007 Witha Passion」の章で、52頁には、上記見出しの下に、2006、2007年における原告Iの活躍を記述する前文があり、52ないし65、68ないし81頁には、写真甲2-73ないし93、98ないし119写真が掲載され、53、54、56、58、60、65、68、70、72ないし74、78ないし81頁には、それぞれの写真の脇に原告I又は嵐に関する短い記述がある。

 66及び67頁は、「Column② パブリックイメージをぶっ壊せ!」との小見出しのコラムで、2頁に渡し、写真甲2-94及び96を背景に、原告Iに友人が多いことや原告Iの知的なイメージなどを記述する文章があり、写真甲2-95及び97が掲載されている。

  g 82ないし89頁は、「PART3 I's Jr.days~Jr.時代~」の章で、82頁には、上記見出しの下に、ジャニーズJr.時代の原告Iを記述する前文があり、82ないし89頁には、写真甲2-120ないし142が掲載され、83、85及び88頁には、それぞれの写真の脇に原告Iに関する短い記述がある。

  h 90ないし103頁は、「PART4 2008 未知なる領域へ」の章で、90頁には、上記見出しの下に、2008年における原告Iの活躍を記述する前文があり、90ないし103頁には、写真甲2-143ないし161が掲載され、90ないし93及び96頁には、それぞれの写真の脇に原告Iに関する短い記述がある。

  i 104ないし109頁は、「SPECIAL PART Precious Shots of I」の章で、104及び105頁には、上記見出しの下に、原告Iのファッションを記述する前文があり、104ないし109頁には、写真甲2-162ないし171が掲載され、108頁には、写真の脇に原告Iに関する短い記述がある。

  j 110頁は、「ARASHI PROFILE」との小見出しのコラムで、嵐のCD、コンサートの題名等の情報が記載され、写真甲2-172が掲載されている。

 111頁には、「I PROFILE」との小見出しの下に、原告Iの生年月日、出身地等の情報とともに、原告Iが出演したドラマ、舞台、報道番組、ソロコンサート、CMの題名等の情報が記載され、写真甲2-173及び174が掲載されている。

  k 112頁には、奥付と同書籍の編著者についての説明が記載され、写真甲2-175ないし179が掲載されている。

  l 裏表紙には、目次が記載され、写真甲2-180及び181が掲載されている。

 (イ) 本件書籍2は、その題名を「I コンプリートお宝フォトファイル」とし、その表表紙に「秘蔵お宝写真170カットで綴る情熱のメモリー」との記載があるように、原告Iを主な被写体とする写真を大量に掲載した写真集である。

 すなわち、本件書籍2は、表紙のほか、112頁の全てにわたり、主に原告Iを被写体とするカラー写真181枚を掲載したものであり、しかも、その大部分は、写真だけか、写真の脇に短い記述を添えただけのものである。そして、各章(「Introduction」、「PART1」ないし「PART4」及び「SPECIAL PART」)の冒頭には見出しとともに前文があるが、いずれの前文も、写真を掲載した各章の導入としての意義があるというにとどまり、これを超えて、独立した意義があるということはできない。また、「Column①」及び「Column②」の各コラムには比較的まとまった文章があるが、その具体的な内容と掲載された写真との間に格別の関連はないから、掲載された写真が、上記コラムの内容を補足するものということはできず、かえって、本件各写真の枚数やその取り扱われ方等に照らすと、上記コラムは、本件各写真の添え物であって独立した意義があるとは認められない。

 これらの事情に照らすと、本件書籍2は、本件各写真を鑑賞の対象とすることを目的とするものというべきである。

 そうすると、被告が本件各写真を本件書籍2に掲載する行為は、原告Iの肖像等それ自体を独立して鑑賞の対象となる商品等として使用し、専ら原告Iの肖像等の有する顧客吸引力の利用を目的とするものであるから、原告Iのパブリシティ権を侵害するものとして、不法行為法上違法となるというべきである。

   ウ 本件書籍3について

 (ア) 証拠(甲3)によれば、次の事実が認められる。

  a 本件書籍3は、「嵐 J コンプリートお宝フォトファイルAppassionata」という題名の、A5判サイズで全112頁の書籍である。

 本件書籍3には、その表表紙、裏表紙及び表表紙の袖を含めて、原告Jを被写体とするカラー写真が合計182枚(写真甲3-1ないし182)掲載されており、各写真が掲載された頁、各頁に複数の写真が掲載された場合の各写真の位置、各写真の被写体とされた原告は、別紙個別主張一覧表(3)の「原告らの主張」の「掲載ページ」欄、「掲載場所」欄及び「被撮影者」欄に記載のとおりであり、また、各写真の大きさは、同表の「被告の主張及び原告らの認否」の「写真の大きさ」の「被告」欄に記載のとおりである(ただし、写真甲3-20に写っているのは原告J及び原告Kであり、写真甲3-21に写っているのは原告Jのみである。また、写真甲3-50は32頁の左下に、写真甲3-52は33頁の右下に、写真甲3-83は56頁に、写真甲3-128は86頁の左下に、写真甲3-130は87頁の中央に、写真甲3-143は95頁に掲載されている。)。

  b 表表紙には、「嵐 ARASHI コンプリートお宝フォトファイルJ Appassionata」、「秘蔵お宝写真170カットで綴る情熱のメモリー」と記載され、写真甲3-1ないし3が掲載されている。また、背表紙には、「嵐 ARASHI J コンプリートお宝フォトファイル」と記載されている。そして、表表紙の袖には、写真甲3-4及び5が掲載されている。

  c 1頁には、「嵐 ARASHI コンプリートお宝フォトファイルJ Appassionata」と記載され、写真甲3-6及び7が掲載されている。

 2頁には、「CONTENTS J」との見出しの下に、次のような目次が記載されて、写真甲3-8が掲載され、3頁には、写真甲3-9が掲載されている。

 「●Introduction ……………………………………4

 ●PART1 雑草魂の航跡 1999-2003  ………18

    Column① 怖いものはない、さあ前を向け!

                ………………………………32

 ●PART2 飛躍のとき 2004-2006   …………46

 ●SPECIAL PART Precious Shots

                    of J      ………64

 ●PART3 目の前に君の時代が! 2007-2008

                    ………………………68

         Column② 嵐の“肝”を握る男 ………86

 ●PART4 J's Jr.days

       ~Jr.時代~ ……………………………102

 ●PROFILE  ……………………………………110」

  d 4ないし17頁は、「Introduction」の章で、5頁に、上記見出しの下に、原告Jを紹介する前文があり、4ないし17頁には、写真甲3-10ないし29が掲載されている。

  e 18ないし31頁は、「PART1 1999-2003 雑草魂の航跡」の章で、18頁には、上記見出しの下に、原告Jの性格などを記述した前文があり、18ないし31、34ないし45頁には、写真甲3-30ないし48、53ないし68が掲載され、19ないし24、27、31、34、36、40、44及び45頁には、それぞれの写真の脇に原告J又は嵐に関する短い記述がある。

 32及び33頁は、「Column① 怖いものはない、さあ前を向け!」との小見出しのコラムで、2頁にわたり、写真甲3-49及び51を背景に、原告Jが出演したテレビ番組にどのように取り組んでいたかなどを記述する文章があり、写真甲3-50及び52が掲載されている。しかし、コラムの具体的な内容と掲載された写真との間に格別の関連はない。

  f 46ないし63頁は、「PART2 2004-2006 飛躍のとき」の章で、46頁には、上記見出しの下に、原告Jが2004年以降、出演するテレビ番組をきっかけに単独での仕事を増やしたことなどを記述する前文があり、46ないし63頁には、写真甲3-69ないし94が掲載され、46ないし48、50、51、53、57及び63頁には、それぞれの写真の脇に原告J又は嵐に関する短い記述がある。

  g 64ないし67頁は、「SPECIAL PART Precious Shots of J」の章で、64及び65頁には、上記見出しの下に、原告Jのファッションを記述する前文があり、64ないし67頁には、写真甲3-95ないし100が掲載され、65頁には、写真の脇に原告Jに関する短い記述がある。

  h 68ないし101頁は、「PART3 2007-2008 目の前に君の時代が!」の章で、68頁には、上記見出しの下に、2007、2008年における原告Jの活動を記述する前文があり、68ないし85、88ないし101頁には、写真甲3-101ないし126、131ないし154が掲載され、69、72、74、78、80、85、88、89、93、94、97及び101頁には、それぞれの写真の脇に原告J又は嵐に関する短い記述がある。

 86及び87頁は、「Column② 嵐の“肝”を握る男」との小見出しのコラムで、2頁にわたり、写真甲3-127及び129を背景に、原告Jの人柄やその魅力などを記述する文章があり、写真甲3-128及び130が掲載されている。しかし、コラムの具体的な内容と掲載された写真との間に格別の関連はない。

  i 102ないし109頁は、「PART4 J's Jr.days~Jr.時代~」の章で、102頁には、上記見出しの下に、ジャニーズJr.時代の原告Jを記述する前文があり、102ないし109頁には、写真甲3-155ないし172が掲載され、102、104及び108頁には、それぞれの写真の脇に原告Jに関する短い記述がある。

  j 110頁には、「ARASHI PROFILE」との小見出しの下に、嵐のCDのタイトルやコンサートの題名等の情報が記載され、写真甲3-173が掲載されている。

 111頁には、「J PROFILE」との小見出しの下に、原告Jの生年月日、出身地等の情報とともに、原告Jが出演したドラマ、映画、舞台、CMの題名等の情報が記載され、写真甲3-174及び175が掲載されている。

  k 112頁には、奥付と同書籍の編著者の紹介が記載され、写真甲3-176ないし180が掲載されている。

  l 裏表紙には、目次が記載され、写真甲3-181及び182が掲載されている。

 (イ) 本件書籍3は、その題名を「J コンプリートお宝フォトファイル」とし、その表表紙に「秘蔵お宝写真170カットで綴る情熱のメモリー」との記載があるように、原告Jを被写体とする写真を大量に掲載した写真集である。

 すなわち、本件書籍3は、表紙のほか、112頁全てにわたり、原告Jを被写体とするカラー写真182枚を掲載したものであり、しかも、その大部分は、写真だけか、写真の脇に短い記述を添えただけのものである。そして、各章(「Introduction」、「PART1」ないし「PART4」及び「SPECIAL PART」)の冒頭には見出しとともに前文があるが、いずれの前文も、写真を掲載した各章の導入としての意義があるというにとどまり、これを超えて、独立した意義があるということはできない。また、「Column①」及び「Column②」の各コラムには比較的まとまった文章があるが、その具体的な内容と掲載された写真との間に格別の関連はないから、掲載された写真が、上記コラムの内容を補足するものということはできず、かえって、本件各写真の枚数やその取り扱われ方等に照らすと、上記コラムは、本件各写真の添え物であって独立した意義があるとは認められない。

 これらの事情に照らすと、本件書籍3は、本件各写真を鑑賞の対象とすることを目的とするものというべきである。

 そうすると、被告が本件各写真を本件書籍3に掲載する行為は、原告Jの肖像等それ自体を独立して鑑賞の対象となる商品等として使用し、専ら原告Jの肖像等の有する顧客吸引力の利用を目的とするものであるから、原告Jのパブリシティ権を侵害するものとして、不法行為法上違法となるというべきである。

   エ 本件書籍4について

 (ア) 証拠(甲4)によれば、次の事実が認められる。

  a 本件書籍4は、「嵐 K コンプリートお宝フォトファイルInfinity」という題名の、A5判サイズで全112頁の書籍である。

 本件書籍4には、その表表紙、裏表紙及び表表紙の袖を含めて、主に原告Kを被写体とするカラー写真が合計180枚(写真甲4-1ないし180)掲載されており、各写真が掲載された頁、各頁に複数の写真が掲載された場合の各写真の位置、各写真の被写体とされた原告は、別紙個別主張一覧表(4)の「原告らの主張」の「掲載ページ」欄、「掲載場所」欄及び「被撮影者」欄に記載のとおりであり、また、各写真の大きさは、同表の「被告の主張及び原告らの認否」の「写真の大きさ」欄の「被告」欄に記載のとおりである(ただし、写真甲4-27は16頁に、写真甲4-37は25頁に、写真甲4-49は34頁の中央に、写真甲4-51は35頁の右下に、写真甲4-58は43頁に、写真甲4-83は58、59頁の上に、写真甲4-85は59頁の上に、写真甲4-86は59頁の下に、写真甲4-97は66頁に、写真甲4-99は67頁に、写真甲4-125は84頁の中央に、写真甲4-127は85頁の右下に掲載されている。また、写真甲4-120の大きさは「D」である。)。

  b 表表紙には、「嵐 ARASHI コンプリートお宝フォトファイルK Infinity」、「秘蔵お宝写真160カットで綴る情熱のメモリー」と記載され、写真甲4-1ないし3が掲載されている。また、背表紙には、「嵐 ARASHI K コンプリートお宝フォトファイル」と記載されている。そして、表表紙の袖には、写真甲4-4及び5が掲載されている。

  c 1頁には、「嵐 ARASHI コンプリートお宝フォトファイルK Infinity」と記載され、写真4-6及び7が掲載されている。

 2及び3頁には、「CONTENTS K」との見出しの下に、次のような目次が掲載され、写真甲4-8及び9が掲載されている。

 「●Introduction ……………………………………4

 ●PART1 挑戦の軌跡 1999-2003

                            …………10

        Column① 半端モンから一途な男に…34

 ●PART2 Up and Coming 2004-2006

           ………………………………………40

 ●SPECIAL PART Precious Shots

                     of K        …56

 ●PART3 新境地への飛翔 2007-2008

                               ……62

          Column② コントが見たい! ………84

 ●PART4 K's Jr.days

        ~Jr.時代~ ……………………………102

 ●PROFILE ………………………………………110」

  d 4ないし9頁は、「Introduction」の章で、5頁に、上記見出しの下に、原告Kを紹介する前文があり、4ないし9頁には、写真甲4-10ないし21が掲載されている。

  e 10ないし33頁は、「PART1 挑戦の軌跡 1999-2003」の章で、10頁には、上記見出しの下に、デビュー当時の原告Kを記述した前文があり、10ないし33、36ないし39頁には、写真甲4-22ないし47、52ないし54が掲載され、10、11、13、14、16ないし19、22ないし24、26ないし28、37ないし39頁には、それぞれの写真の脇に原告K又は嵐に関する短い記述がある。

 34及び35頁は、「Column① 半端モンから一途な男に」との小見出しのコラムで、2頁にわたり、写真甲4-48及び50を背景に、原告Kの率直な性格などを記述する文章があり、写真甲4-49及び51が掲載されている。しかし、コラムの具体的な内容と掲載された写真との間に格別の関連はない。

  f 40ないし55頁は、「PART2 2004-2006 Up and Coming」の章で、40頁には、上記見出しの下に、原告Kの問題解決能力の高さなどを記述する前文があり、40ないし55頁には、写真甲4-55ないし78が掲載され、40、41、43ないし47、49、50、53及び55頁には、それぞれの写真の脇に原告K又は嵐に関する短い記述がある。

  g 56ないし61頁は、「SPECIAL PART Precious Shots of K」の章で、56及び57頁には、上記見出しの下に、原告Kのファッションを記述する前文があり、56ないし61頁には、写真甲4-79ないし91が掲載され、59頁には、写真の脇に原告Kに関する短い記述がある。

  h 62ないし83頁は、「PART3 2007-2008 新境地への飛翔」の章で、62頁には、上記見出しの下に、2007、2008年における原告Kの活動を記述する前文があり、62ないし83、86ないし101頁には、写真甲4-92ないし123、128ないし149が掲載され、62、66、67、70、78ないし80、82、83、86、97及び100頁には、それぞれの写真の脇に原告K又は嵐に関する短い記述がある。

 84及び85頁は、「Column② コントが見たい!」との小見出しのコラムで、2頁にわたり、写真甲4-124及び126を背景に、役者としての原告Kのスタイルなどを記述する文章があり、写真甲4-125及び127が掲載されている。しかし、コラムの具体的な内容と掲載された写真との間に格別の関連はない。

  i 102ないし109頁は、「PART4 ~Jr.時代~ K's Jr.days」の章で、102頁には、上記見出しの下に、ジャニーズJr.時代の原告Kを記述する前文があり、102ないし109頁には、写真甲4-150ないし170が掲載され、103、107、108頁には、それぞれの写真の脇に原告Kに関する短い記述がある。

  j 110頁には、「ARASHI PROFILE」との見出しの下に、嵐のCDのタイトルやコンサートの題名等の情報が記載され、写真甲4-171が掲載されている。

 111頁には、「K PROFILE」との見出しの下に、原告Kの生年月日、出身地等の情報とともに、原告Kが出演したドラマ、映画、舞台、CMの題名等の情報が記載され、写真甲4-172及び173が掲載されている。

  k 112頁には、奥付と同書籍の編著者の紹介が記載され、写真甲4-174ないし178が掲載されている。

  l 裏表紙には、目次が記載され、写真甲4-179及び180が掲載されている。

 (イ) 本件書籍4は、その題名を「K コンプリートお宝フォトファイル」とし、その表表紙に「秘蔵お宝写真160カットで綴る情熱のメモリー」との記載があるように、原告Kを被写体とする写真を大量に掲載した写真集である。

 すなわち、本件書籍4は、表紙のほか、112頁全てにわたり、主に原告Kを被写体とするカラー写真180枚を掲載したものであり、しかも、その大部分は、写真だけか、写真の脇に短い記述を添えただけのものである。そして、各章(「Introduction」、「PART1」ないし「PART4」及び「SPECIAL PART」)の冒頭には見出しとともに前文があるが、いずれの前文も、写真を掲載した各章の導入としての意義があるというにとどまり、これを超えて、独立した意義があるということはできない。また、「Column①」及び「Column②」の各コラムには比較的まとまった文章があるが、その具体的な内容と掲載された写真との間に格別の関連はないから、掲載された写真が、上記コラムの内容を補足するものということはできず、かえって、本件各写真の枚数やその取り扱われ方等に照らすと、上記コラムは、本件各写真の添え物であって独立した意義があるとは認められない。

 これらの事情に照らすと、本件書籍4は、本件各写真を鑑賞の対象とすることを目的とするものというべきである。

 そうすると、被告が本件各写真を本件書籍4に掲載する行為は、原告Kの肖像等それ自体を独立して鑑賞の対象となる商品等として使用して、専ら原告Kの肖像等の有する顧客吸引力の利用を目的とするものであるから、原告Kのパブリシティ権を侵害するものとして、不法行為法上違法となるというべきである。

   オ 本件書籍5について

 (ア) 証拠(甲5)によれば、次の事実が認められる。

  a 本件書籍5は、「嵐 L コンプリートお宝フォトファイルTheTops」という題名の、A5判サイズで全112頁の書籍である。

 本件書籍5には、その表表紙、裏表紙及び表表紙の袖を含めて、主に原告Lを被写体とするカラー写真が合計180枚(写真甲5-1ないし180)掲載されており、各写真が掲載された頁、各頁に複数の写真が掲載された場合の各写真の位置、各写真の被写体とされた原告は、別紙個別主張一覧表(5)の「原告らの主張」の「掲載ページ」欄、「掲載場所」欄及び「被撮影者」欄に記載のとおりであり、また、各写真の大きさは、同表の「被告の主張及び原告らの認否」の「写真の大きさ」欄の「被告」欄に記載のとおりである(ただし、写真甲5-47は28頁の中央に、写真甲5-49は29頁の左下に、写真甲5-106は68頁の左下に、写真甲5-107は68頁の右下に、写真甲5-108は69頁の下に、写真甲5-138は88頁の左下に、写真甲5-140は89頁の左下に掲載されている。また、写真甲5-34の大きさは「B」であり、写真甲5-38の大きさは「B」である。)。

  b 表表紙には、「ARASHI 嵐 コンプリートお宝フォトファイルL The Tops」、「秘蔵お宝写真170カットで綴る情熱のメモリー」と記載され、写真甲5-1ないし3が掲載されている。また、背表紙には、「嵐 ARASHI L コンプリートお宝フォトファイル」と記載されている。そして、表表紙の袖には、写真甲5-4及び5が掲載されている。

  c 1頁には、「ARASHI 嵐 コンプリートお宝フォトファイルL The Tops」、「秘蔵お宝写真170カットで綴る情熱のメモリー」と記載され、写真甲5-6及び7が掲載されている。

 2頁には、「CONTENTS L」との見出しの下に、次のような目次が記載されて、写真甲5-8が掲載され、3頁には、写真甲5-9が掲載されている。

 「●Introduction ……………………………………4

 ●PART1 躍動の軌跡 1999-2001  …………14

        Column① 生一本 ……………………28

 ●PART2 トップアイドルの挑戦 2002-2006

    ……………………………………………………42

 ●PART3 L’s Jr.days

       ~Jr.時代~ ………………………………56

 ●PART4 Do the best 2007-2008

     …………………………………………………64

        Column② 役者の本領 ………………88

 ●SPECIAL PART Precious Shots

                   of L   ……………106

 ●PROFILE   ……………………………………110」

  d 4ないし13頁は、「Introduction」の章で、5頁には、上記見出しの下に、原告Lを紹介する前文があり、4ないし13頁には、写真甲5-10ないし27が掲載されている。

  e 14ないし41頁は、「PART1 躍動の軌跡 1999-2001」の章で、14頁には、上記見出しの下に、嵐がデビュー直後から破格の扱いだったことなどを記述する前文があり、14ないし27、30ないし41頁には、写真甲5-28ないし45、50ないし64が掲載され、14ないし17、19ないし21、23、26、30、33及び34頁には、それぞれの写真の脇に原告L又は嵐に関する短い記述がある。

 28及び29頁は、「Column① 生一本」との小見出しのコラムで、2頁にわたり、写真甲5-46及び48を背景に、原告Lの一本気な性格などを記述する文章があり、写真甲5-47及び49が掲載されている。しかし、コラムの具体的な内容と掲載された写真との間に格別の関連はない。

  f 42ないし55頁は、「PART2 2002-2006 トップアイドルの挑戦」の章で、42頁には、上記見出しの下に、2002年以降における原告Lの活躍などを記述する前文があり、42ないし55頁には、写真甲5-65ないし86が掲載され、42ないし44、46ないし48、50、51、53ないし55頁には、それぞれの写真の脇に原告L又は嵐に関する短い記述がある。

  g 56ないし63頁は、「PART3 L's Jr.days ~Jr.時代~」の章で、56頁には、見出しの下、ジャニーズJr.時代の原告Lを記述する前文があり、56ないし63頁には、写真甲5-87ないし100が掲載され、57、58及び60頁には、それぞれの写真の脇に原告Lに関する短い記述がある。

  h 64ないし105頁は、「PART4 Do the best 2007-2008」の章で、64頁には、上記見出しの下に、2007、2008年における嵐の活躍などを記述する前文があり、64ないし87、90ないし105頁には、写真甲5-101ないし136、141ないし162が掲載され、65、69、71、77、82、83、90、92、95、101、104及び105頁には、それぞれの写真の脇に原告Lに関する短い記述がある。

 88及び89頁は、「Column② 役者の本領」との小見出しのコラムで、2頁にわたり、写真甲5-137及び139を背景に、役者としての原告Lの評価などなどを記述する文章があり、写真甲5-138及び140が掲載されている。しかし、コラムの具体的な内容と掲載された写真との間に格別の関連はない。

  i 106ないし109頁は、「SPECIAL PART Precious Shots of L」の章で、106及び107頁には、上記見出しの下に、原告Lのファッションを記述する前文があり、106ないし109頁には、写真甲5-163ないし170が掲載され、109頁には、写真の脇に原告Lに関する短い記述がある。

  j 110頁は、「ARASHI PROFILE」との小見出しの下に、嵐のCDのタイトルやコンサートの題名等の情報が記載され、写真甲5-171が掲載されている。

 111頁には、「L PROFILE」との見出しの下に、原告Lの生年月日、出身地等の情報とともに、原告Lが出演したドラマ、映画、舞台、CMの題名等の情報が記載され、写真甲5-172及び173が掲載されている。

  k 112頁には、奥付と同書籍の編著者の紹介が記載され、写真甲5-174ないし178が掲載されている。

  l 裏表紙には、目次が記載され、写真甲5-179及び180が掲載されている。

 (イ) 本件書籍5は、その題名を「L コンプリートお宝フォトファイル」とし、その表表紙に「秘蔵お宝写真170カットで綴る情熱のメモリー」との記載があるように、原告Lを被写体とする写真を大量に掲載した写真集である。

 すなわち、本件書籍5は、表紙のほか、112頁全てにわたり、原告Lを被写体とするカラー写真180枚を掲載したものであり、しかも、その大部分は、写真だけか、写真の脇に短い記述を添えただけのものである。そして、各章(「Introduction」、「PART1」ないし「PART4」及び「SPECIAL PART」)の冒頭には見出しとともに前文があるが、いずれの前文も、写真を掲載した各章の導入としての意義があるというにとどまり、これを超えて、独立した意義があるということはできない。また、「Column①」及び「Column②」の各コラムには比較的まとまった文章があるが、その具体的な内容と掲載された写真との間に格別の関連はないから、掲載された写真が、上記コラムの内容を補足するものということはできず、かえって、本件各写真の枚数やその取り扱われ方等に照らすと、上記コラムは、本件各写真の添え物であって独立した意義があるとは認められない。

 これらの事情に照らすと、本件書籍5は、本件各写真を鑑賞の対象とすることを目的とするものというべきである。

 そうすると、被告が本件各写真を本件書籍5に掲載する行為は、原告Lの肖像等それ自体を独立して鑑賞の対象となる商品等として使用し、専ら原告Lの肖像等の有する顧客吸引力の利用を目的とするものであるから、原告Lのパブリシティ権を侵害するものとして、不法行為法上違法となるというべきである。

   カ 本件書籍6について

 (ア) 証拠(甲6)によれば、次の事実が認められる。

  a 本件書籍6は、「嵐 お宝フォトBOOK BIG WAVE」という題名の、A5判サイズで全128頁の書籍である。

 本件書籍6には、その表表紙、表表紙の袖、裏表紙及び裏表紙の袖を含めて、嵐のメンバーである原告H、原告I、原告J、原告K又は原告Lを被写体とする写真がカラーで227枚、白黒で15枚合計242枚(写真甲6-1ないし242。写真甲6-222ないし236が白黒写真であり、そのほかがカラー写真である。)の写真が掲載されており、各写真が掲載された頁、各頁に複数の写真が掲載された場合の各写真の位置、各写真の被写体とされた原告は、別紙個別主張一覧表(6)の「原告らの主張」の「掲載ページ」欄、「掲載場所」欄及び「被撮影者」欄に記載のとおりであり、また、各写真の大きさは、同表の「被告の主張及び原告らの認否」の「写真の大きさ」欄の「被告」欄に記載のとおりである(ただし、写真甲6-69の大きさは「D」、写真甲6-157の大きさは「E」、写真甲6-209の大きさは「D」である。)。

  b 表表紙には、「嵐 ARASHI お宝フォトBOOK BIG WAVE」、「永久保存版」、「お宝フォト全220カットで綴る“嵐”それぞれの成長の軌跡」と記載され、写真甲6-1ないし5が掲載されている。また、背表紙には、「嵐 ARASHI お宝フォトBOOK BIG WAVE」、「永久保存版」と記載されている。そして、表表紙の袖には、写真甲6-6ないし10が掲載されている。

  c 1頁には、「嵐 ARASHI お宝フォトBOOK BIG WAVE」、「永久保存版」、「お宝フォト全220カットで綴る“嵐”それぞれの成長の軌跡」と記載され、写真甲6-11ないし15が掲載されている。

 2頁には「CONTENTS」との見出しの下に、次のような目次が記載され、2及び3頁には写真甲6-16が掲載されている。

 「●Intoroduction 4

 ●Wave1 J 12

      バラエティの救世主!?

 ●Wave2 K 32

      アイドルは観察がお好き?

 ●Wave3 L 52

      世界のファンを魅了しろ!

 ●Wave4 H 72

      異色のリーダー

 ●Wave5 I 88

      知性がピカイチ!

 ●Wave6 嵐の軌跡 108

 ★Complete Profile 1994~2007

                      124」

  d 4ないし11頁は、「Introduction」の章で、4及び5頁には、「Introduction 2007 嵐、ドーム上陸!!」との見出しの下に、2007年における嵐の東京ドーム公演を記述する前文があり、4ないし11頁には、写真甲6-17ないし24が掲載されている。

  e 12ないし31頁は、「WAVE1 J」の章で、12頁には、上記見出しの下に、生年月日等の情報や原告Jを紹介する前文があり、末尾に「バラエティの救世主!?」との記載がある。そして、12ないし31頁には、写真甲25ないし65が掲載され、13ないし17、23、24及び26頁には、それぞれの写真の脇に原告Jに関する短い記述がある。

 18頁には、「天然ボケのパイオニア」との小見出しのコラムがあり、原告Jの天然ぼけのキャラクターなどを記述する文章がある。また、28頁には、「Aの嵐!」との小見出しのコラムがあり、原告Jのテレビ番組での活躍などについて述べる文章が掲載されている。しかし、コラムの具体的な内容と掲載された写真との間に格別の関連はない。

  f 32ないし51頁は「WAVE2 K」の章で、32頁には、上記見出しの下に、生年月日等の情報や原告Kを紹介する前文があり、末尾に「アイドルは観察がお好き?」との記載がある。そして、32ないし51頁には、写真甲6-66ないし107が掲載され、33、34、36ないし39、44ないし47頁には、それぞれの写真の脇に原告Kに関する短い記述がある。

 40頁には、「和製ジェームス・ディーン?」との小見出しのコラムがあり、役者としての原告Kについて記述する文章がある。また、49頁には、「時代にフィットした「省エネ主義」」との小見出しのコラムがあり、原告Kの性格などを記述する文章がある。しかし、コラムの具体的な内容と掲載された写真との間に格別の関連はない。

  g 52ないし71頁は、「WAVE3 L」の章で、53頁には、上記見出しの下に、生年月日等の情報や原告Lを紹介する前文があり、末尾に「世界のファンを魅了しろ!」との記載がある。そして、52ないし71頁には、写真甲6-108ないし148が掲載され、52、54、55、57、63、65及び66頁には、それぞれの写真の脇に原告Lに関する短い記述がある。

 58頁には、「スペオキ中のスペオキ」との小見出しのコラムがあり、役者としての原告Lの成長などを記述する文章がある。また、69頁には、「嵐の減らず口大王」との小見出しのコラムがあり、原告Lの性格などを記述する文章がある。しかし、コラムの具体的な内容と掲載された写真との間に格別の関連はない。

  h 72ないし87頁は、「WAVE4 H」の章で、72頁には、上記見出しの下に、生年月日等の情報や原告Hを紹介する前文があり、末尾に「異色のリーダー」との記載がある。そして、72ないし87頁には、写真甲6-149ないし181が掲載され、74、75、80ないし83頁には、それぞれの写真の脇に原告Hに関する短い記述がある。

 77頁には、「Hといったら……」との小見出しのコラムがあり、原告Hの描画の才能などを記述する文章がある。また、85頁には、「キャプテンシップを取れ!」との小見出しのコラムがあり、原告Hのリーダーとしての在り方などを記述する文章がある。しかし、コラムの具体的な内容と掲載された写真との間に格別の関連はない。

  i 88ないし107頁は、「WAVE5 I」の章で、88頁には、上記見出しの下に、生年月日等の情報や原告Iを紹介する前文があり、末尾に「知性がピカイチ!」との記載がある。そして、88ないし107頁には、写真甲6-182ないし221が掲載され、90、91、93、99ないし103頁には、それぞれの写真の脇に原告Iに関する短い記述がある。

 94頁には、「果てしなきチャレンジャー」との小見出しのコラムがあり、原告Iが様々なことに挑戦していることなどを記述する文章がある。また、104頁には、「でっかく広がれ、友達の輪!」との小見出しのコラムがあり、原告Iの友人との関係などを記述する文章がある。しかし、コラムの具体的な内容と掲載された写真との間に格別の関連はない。

  j 108ないし123頁は、「WAVE6 嵐の軌跡」の章で、上記見出しの下に、109ないし123頁には、嵐のデビューから2007年までの活躍などを記述する文章があり、108、109、111、113、115、117、119、121及び122頁には、写真甲6-222ないし231が掲載されている。しかし、文章の具体的な内容と掲載された写真との間に格別の関連はない。

  k 124ないし127頁は、「嵐 Complete Profile1994~2007」の章で、上記見出しの下に、124及び125頁には、嵐に関する1999年から2006年までの主な出来事、嵐のCD、ビデオ、DVD、書籍、写真集のタイトル等や嵐が出演したドラマ、映画、コンサートの題名等の情報が記載され、126及び127頁には、原告J、原告K、原告L、原告H及び原告Iのそれぞれについて、生年月日、出身地等の情報のほか、出演したドラマ、映画、舞台、CM、ソロコンサート等の情報が記載されている。そして、124及び127頁には、写真甲6-232及び233が掲載されている。

  l 128頁には、奥付と同書籍の編著者の紹介が記載され、写真甲6-234ないし236が掲載されている。

  m 裏表紙には、「嵐 ARASHI お宝フォトBOOK BIG WAVE」と記載され、写真甲6-242が掲載されている。そして、裏表紙の袖には、写真甲6-237ないし241写真が掲載されている。

 (イ) 本件書籍6は、その題名を「嵐 お宝フォトBOOK BIG WAVE」とし、その表表紙に「お宝フォト全220カットで綴る“嵐”それぞれの成長の軌跡」との記載があるように、嵐のメンバーである原告H、原告I、原告J、原告K及び原告Lを被写体とする写真を大量に掲載した写真集である。

 すなわち、本件書籍6は、表紙のほか、全128頁のうち119頁にわたり、上記原告らを被写体とする写真242枚(そのうち227枚がカラー写真である。)を掲載したものであり、しかも、その大部分は、写真だけか、写真の脇に短い記述を添えただけのものである。そして、各章(「Introduction」、「WAVE1」ないし「WAVE5」)の冒頭には見出しとともに前文があるが、いずれの前文も、写真を掲載した各章、各「Chapter」の導入としての意義があるというにとどまり、これを超えて、独立した意義があるということはできない。また、「WAVE1」ないし「WAVE5」の各章には二つずつのコラムに比較的まとまった文章があり、「WAVE6」の章には15頁にわたる嵐の活躍などを記述する文章があるが、その具体的な内容と掲載された写真との間に格別の関連はないから、掲載された写真が、上記コラムや記事の内容を補足するものということはできず、かえって、本件各写真の枚数やその取り扱われ方等に照らすと、上記コラムや記事は、本件各写真の添え物であって独立した意義があるとは認められない。

 そうすると、被告が本件各写真を本件書籍6に掲載する行為は、原告H、原告I、原告J、原告K及び原告Lの肖像等それ自体を独立して鑑賞の対象となる商品等として使用し、専ら上記原告らの肖像等の有する顧客吸引力の利用を目的とするものであるから、上記原告らのパブリシティ権を侵害するものとして、不法行為法上違法となるというべきである。

   キ 本件書籍7について

 (ア) 証拠(甲7)によれば、次の事実が認められる。

  a 本件書籍7は、「KAT-TUN N&M コンプリートお宝フォトファイル Brilliant」という題名の、A5判サイズで全112頁の書籍である。

 本件書籍7には、その表表紙、裏表紙、表表紙の袖及び裏表紙の袖を含めて、主に原告N又は原告Mを被写体とするカラー写真が合計192枚(写真甲7-1ないし182、185、187、189ないし196)掲載されており、各写真が掲載された頁、各頁に複数の写真が掲載された場合の各写真の位置、各写真の被写体とされた原告は、個別主張一覧表(7)の「原告らの主張」の「掲載ページ」欄、「掲載場所」欄及び「被撮影者」欄に記載のとおりであり、また、各写真の大きさは、同表の「被告の主張及び原告らの認否」の「写真の大きさ」欄の「被告」欄に記載のとおりである(ただし、写真甲7-169の大きさは「D」である。)。

  b 表表紙には、「KAT-TUN N&M コンプリートお宝フォトファイル Brilliant」、「永久保存版」、「Jr.時代からメジャーデビューまで、お宝190カットでつづる成長の軌跡」と記載され、写真甲7-1及び2が掲載されている。また、背表紙には、「KAT-TUN N&M コンプリートお宝フォトファイル」と記載されている。そして、本件書籍7の表表紙の袖には、写真甲7-3が掲載されている。

  c 1頁には、「KAT-TUN N&M コンプリートお宝フォトファイル Brilliant」、「永久保存版」との記載があり、写真甲4ないし6が掲載されている。

 2頁には、「Contents N」との見出しの下に、次のような目次が記載され、写真甲7-7が掲載されている。

 「Introduction 4

 PART1 〈軌跡〉オンリー・ワン 10

 PART2 〈オリキ時間〉ナル&ナル 28

 PART3 スクール&フレンズ 46

 Column1 N、変節す 17

 Column2 アドレナリンが止まらない!! 33

 Column3 愛を感じる男… 41

 Column4 ポーカーがめちゃくちゃ強いわけ 48

 Column5 恐怖のアクセ 54

 N語録①~④ 19/23/36/44」

 3頁には、「Contents M」との見出しの下に、次のような目次が記載され、写真甲7-8が掲載されている。

 「Introduction 56

 PART1 〈軌跡〉マイ・ウェイ 64

    CAP&HAT 76

 PART2 〈オリキ時間〉スィート&テンダー 86

 PART3 オフ&フレンズ 94

 Column1 知らぬは本人ばかりなり 69

 Column2 Oとキス 79

 Column3 無常観…って!? 90

 Column4 すばるに「オラオラ」 99

 Column5 オヤジ 106

 M語録①~④ 70/82/97/103

 KAT-TUN PROFILE 110」

  d 4ないし9頁には、「Introduction」との章で、4及び5頁には、頁の約半分を占める大きな文字で「N」と記載され、「NIntroduction」との見出しの下に、原告Nを紹介する前文があり、4ないし9頁には、写真甲7-9ないし13が掲載されている。

  e 10ないし27頁は、「N N PART1 〈軌跡〉オンリー・ワン」の章で、11頁には、上記見出しの下に、原告Nの髪型を記述する前文があり、10ないし16、18ないし27頁には、写真甲7-14ないし46が掲載され、11、12、14ないし16、19、24ないし26頁には、それぞれの写真の脇に原告Nに関する短い記述がある。

 17頁には、「Column1 N、変節す」との小見出しの下に、原告Nがかつてある歌手を意識していたことなどを記述する文章がある。しかし、コラムの具体的な内容と掲載された写真との間に格別の関連はない。

 19及び23頁には、「N語録」と題する、原告Nや他のKAT-TUNのメンバーの発言の体裁をとった短い文章から成る囲み記事がある。しかし、記事の具体的な内容と掲載された写真との間に格別の関連はない。

  f 28ないし45頁は、「N N PART2 〈オリキ時間〉ナル&ナル」の章で、28頁には、上記見出しの下に、原告Nとそのファンとの関係を記述する前文があり、28ないし32、34ないし40、42ないし45頁には、写真甲7-47ないし74が掲載され、29ないし32、34、36、38、42及び44頁には、それぞれの写真の脇に原告Nに関する短い記述がある。

 33頁には、「Column2 アドレナリンが止まらない!!」との小見出しの下に、原告Nがけんか早いことなどを記述する文章があり、41頁には、「Column3 愛を感じる男…」との小見出しの下に、原告Nが苦労して高校に通学したことなどを記述する文章がある。しかし、コラムの具体的な内容と掲載された写真との間に格別の関連はない。

 36及び44頁には、「N語録」と題する、前述の囲み記事があるが、記事の具体的な内容と掲載された写真との間に格別の関連はない。

  g 46ないし55頁は、「N N PART3 スクール&フレンズ」の章で、46頁には、上記見出しの下に、原告Nの高校への通学を記述する前文があり、46、47、49ないし55頁には、写真甲7-75ないし92が掲載され、52及び53頁には、それぞれの写真の脇に原告Nに関する短い記述がある。

 48頁には、「Column4 ポーカーがめちゃくちゃ強いわけ」との小見出しの下に、原告Nが髪型の変更を繰り返したことなどを記述する文章があり、54及び55頁には、「Column5 恐怖のアクセ」との小見出しの下に、原告Nのアクセサリー、中でもとげを基調としたブレスレットとネックレスにまつわるエピソードなどを記述する文章がある。しかし、コラムの具体的な内容と掲載された写真との間に格別の関連はない。

  h 56ないし59頁は、「Introduction」の章で、57頁には、頁の約半分を占める大きな文字で「M」と記載され、「M Introduction」との見出しの下に、原告Mを紹介する前文があり、56、58ないし63頁には、写真甲7-93ないし99が掲載されている。

  i 64ないし85頁は、「M M PART1 〈軌跡〉マイ・ウェイ」の章で、64頁には、上記見出しの下に、原告Mについて記述する前文があり、64ないし68、70ないし78、80ないし85頁には、写真甲7-100ないし138が掲載され、65ないし67、70ないし78、80ないし82及び85頁には、それぞれの写真の脇に原告Mに関する短い記述がある。

 70及び82頁には、「M語録」と題する、原告Mや他のKAT-TUNのメンバーの発言の体裁をとった短い文章から成る囲み記事があるが、記事の具体的な内容と掲載された写真との間に格別の関連はない。

 76頁には、「CAP&HAT」との小見出しの下に、原告Mの帽子について記述する前文があり、写真甲7-121ないし128は、帽子を着用した原告Mを被写体とするものである。

 69頁には、「Column1 知らぬは本人ばかりなり」との小見出しの下に、原告Mのギターの腕前などを記述する文章があり、79頁には、「Column2 Oとキス」との小見出しの下に、原告Mと原告Oの仲が良いことなどを記述する文章がある。しかし、コラムの具体的な内容と掲載された写真との間に格別の関連はない。

  j 86ないし93頁は、「M M PART2 〈オリキ時間〉スィート&テンダー」の章で、86頁には、上記見出しの下に、原告Mとそのファンとの関係を記述する前文があり、86ないし93頁には、写真甲7-139ないし153が枚掲載され、87、89ないし92頁には、それぞれの写真の脇に原告Mに関する短い記述がある。

 90及び91頁には、「Column3 無常観…って!?」との小見出しの下に、原告Mに詩人のようなところがあることなどを記述する文章がある。しかし、コラムの具体的な内容と掲載された写真との間に格別の関連はない。

  k 94ないし109頁は「M M PART3 オフ&フレンズ」の章で、94頁には、上記見出しの下に、原告Mの交友関係を記述する前文があり、94ないし98、100ないし105、107ないし109頁には、写真甲7-154ないし180が掲載され、95ないし98、100ないし104頁には、それぞれの写真の脇に原告Mに関する短い記述がある。

 97及び103頁には「M語録」と題する、前述の囲み記事があるが、記事の具体的な内容と掲載された写真との間に格別の関連はない。

 99頁には、「Column4 すばるに「オラオラ」」との小見出しの下に、原告Mに注意力に欠けるところがあることなどを記述する文章があり、106頁には、「Column5 オヤジ」との小見出しの下に、原告Mの家族のことなどを記述する文章がある。しかし、コラムの具体的な内容と掲載された写真との間に格別の関連はない。

  l 110及び111頁には、「KAT-TUN PROFILE 1998-2006」との見出しの下に、KAT-TUNに関する1998年から2006年までの主な出来事が記載され、写真甲7-181ないし188が掲載されている。

  m 112頁には、奥付と同書籍の編著者の紹介が記載され、写真甲7-189ないし194が掲載されている。

  n 裏表紙には、「KAT-TUN N&M コンプリートお宝フォトファイル Brilliant」と記載され、写真甲7-196が掲載されている。また、同裏表紙の袖には、写真甲7-195が掲載されている。

 (イ) 本件書籍7は、その題名を「KAT-TUN N&M コンプリートお宝フォトファイル」とし、その表表紙に「Jr.時代からメジャーデビューまで、お宝190カットでつづる成長の軌跡」との記載があるように、原告N又は原告Mを被写体とする写真を大量に掲載した写真集である。

 すなわち、本件書籍7は、表紙のほか、全112頁のうち103頁にわたり、原告N又は原告Mを被写体とするカラー写真192枚を掲載したものであり、しかも、その大部分は、写真だけか、写真の脇に短い記述を添えただけのものである。そして、原告N及び原告Mについての各章(「Introduction」、「PART1」ないし「PART3」)や原告Mについての「CAP&HAT」の冒頭には見出しとともに前文があるが、いずれの前文も、写真を掲載した各章等の導入としての意義があるというにとどまり、これを超えて、独立した意義があるということはできない。また、原告N及び原告Mそれぞれの「Column1」ないし「Column5」の各コラムや「N語録」又は「M語録」と題する囲み記事には比較的まとまった文章があるが、その具体的な内容と掲載された写真との間に格別の関連はないから、掲載された写真が、上記コラムや記事の内容を補足するものということはできず、かえって、本件各写真の枚数やその取り扱われ方等に照らすと、上記コラムや記事は、本件各写真の添え物であって独立した意義があるとは認められない。

 これらの事情に照らすと、本件書籍7は、本件各写真を鑑賞の対象とすることを目的とするものというべきである。

 そうすると、被告が本件各写真を本件書籍7に掲載する行為は、原告N及び原告Mの肖像等それ自体を独立して鑑賞の対象となる商品等として使用し、専ら上記原告らの肖像等の有する顧客吸引力の利用を目的とするものであり、上記原告らのパブリシティ権を侵害するものとして、不法行為法上違法となるというべきである。

   ク 本件書籍8について

 (ア) 証拠(甲8)によれば、次の事実が認められる。

  a 本件書籍8は、「KAT-TUN P&O コンプリートお宝フォトファイル Amazing!」という題名の、A5判サイズで全112頁の書籍である。

 本件書籍8には、その表表紙、裏表紙、表表紙の袖及び裏表紙の袖を含めると、主に原告P又は原告Oを被写体とするカラー写真が合計193枚(写真甲8-1ないし180、183ないし185、188ないし197)掲載されており、各写真が掲載された頁、各頁に複数の写真が掲載された場合の各写真の位置、各写真の被写体とされた原告は、別紙個別主張一覧表(8)の「原告らの主張」の「掲載ページ」欄、「掲載場所」欄及び「被撮影者」欄に記載のとおりであり、また、各写真の大きさは、同表の「被告の主張及び原告らの認否」の「写真の大きさ」欄の「被告」欄に記載のとおりである(ただし、写真甲8-59の大きさは「D」である。)。

  b 表表紙には、「KAT-TUN P&O コンプリートお宝フォトファイル Amazing!」、「永久保存版」、「Jr.時代からメジャーデビューまで、お宝180カットでつづる成長の軌跡」と記載され、写真甲8-1及び2が掲載されている。また、背表紙には、「KAT-TUN P&O コンプリートお宝フォトファイル」と記載されている。そして、本件書籍8の表表紙の袖には、写真甲8-3が掲載されている。

  c 1頁には、「KAT-TUN P&O コンプリートお宝フォトファイル Amazing!」、「永久保存版」との記載があり、写真甲8-4ないし6が掲載されている。

 2頁には、「Contents P」との見出しの下に、次のような目次が記載され、写真甲8-7が掲載されている。

 「Introduction 4

 PART1 〈軌跡〉ホップ&ステップ 12

 PART2 〈オリキ時間〉スマイル&ガッツ 28

 PART3 スクール&フレンズ 42

 Column1 Pのまわりはたいへんだ! 16

 Column2 バナナひと房のこころ 23

 Column3 バランサーとして 33

 Column4 ストレスなんて蹴散らしてしまえ! 44

 Column5 心配のタネは尽きず…… 53

 P語録①~④ 20/31/36/51」

 3頁には、「Contents O」との見出しの下に、次のような目次が記載され、写真甲8-8が掲載されている。

 「Introduction 56

 PART1 〈軌跡〉チェンジ&チェンジ 63

 PART2 〈オリキ時間〉コワモテ&フレンドリー 82

 PART3 スクール&フレンズ 96

 Column1 よく眠れ!さあ、食べろ! 67

 Column2 本当の自分を隠してたんだ… 77

 Column3 ヴィン・ディーゼルを目指せ! 87

 Column4 うちのが一番!! 99

 Column5 ブルーチーズの魅力? 107

 O語録①~④ 70/80/90/100

 KAT-TUN PROFILE 110」

  d 4ないし11頁は、「Introduction」の章で、5頁には、頁の半分以上を占める大きな文字で「P」と記載され、「Introduction P」との見出しの下に、原告Pを紹介する前文があり、4、6ないし11頁には、写真甲8-9ないし15が掲載されている。

  e 12ないし27頁は、「P P PART1 〈軌跡〉ホップ&ステップ」の章で、12頁には、上記見出しの下に、原告PのジャニーズJr.時代のキャリアが短いことなどを記述する前文があり、12ないし15、17ないし27頁には、写真甲8-16ないし44が掲載され、13ないし15、17、18、20ないし22、24ないし27頁には、それぞれの写真の脇に原告Pに関する短い記述がある。

 16頁には、「Column1 Pのまわりはたいへんだ!」との小見出しの下に、原告Pが駄洒落をよく言うことなどを記述する文章があり、23頁には、「Column2 バナナひと房のこころ」との小見出しの下に、原告Pが入院したときに原告Oらが見舞いに来たことなどを記述する文章がある。しかし、コラムの具体的な内容と掲載された写真との間に格別の関連はない。

 20頁には、「P語録」と題する、原告Pや他のKAT-TUNのメンバーの発言の体裁をとった短い文章から成る囲み記事があるが、記事の具体的な内容と掲載された写真との間に格別の関連はない。

  f 28ないし41頁には、「P P PART2 〈オリキ時間〉スマイル&ガッツ」の章で、28頁には、上記見出しの下に、原告Pとそのファンとの関係を記述する前文があり、28ないし32、34ないし41頁には、写真甲8-45ないし69が掲載され、29、36、37、39ないし41頁には、それぞれの写真の脇に原告Pに関する短い記述がある。

 31及び36頁には、「P語録」と題する、前述の囲み記事があるが、記事の具体的な内容と掲載された写真との間に格別の関連はない。

 33頁には、「Column3 バランサーとして」との小見出しの下に、原告Pがジャグリングやビバップをコンサートで披露していることなどを記述する文章がある。しかし、コラムの具体的な内容と掲載された写真との間に格別の関連はない。

  g 42ないし55頁は、「P P PART3 スクール&フレンズ」の章で、42頁には、上記見出しの下に、原告Pの制服姿を記述する前文があり、42、43、45ないし52、54、55頁には、写真甲8-70ないし88が掲載され、43、45、47ないし49頁には、それぞれの写真の脇に原告Pに関する短い記述がある。

 51頁には、「P語録」と題する、前述の囲み記事があるが、記事の具体的な内容と掲載された写真との間に格別の関連はない。

 44頁には、「Column4 ストレスなんて蹴散らしてしまえ!」との小見出しの下に、原告Pがゲーム好きであることを記述する文章があり、53頁には、「Column5 心配のタネは尽きず……」との小見出しの下に、原告Pのファッションのセンスが2005年ころから向上したことについて記述する文章がある。しかし、コラムの具体的な内容と掲載された写真との間に格別の関連はない。

  h 56ないし62頁は、「Introduction」の章で、56頁には、頁の約半分を占める大きな文字で「O」と記載され、「Introduction O」との見出しの下に、原告Oを紹介する前文があり、57ないし62頁には、写真甲8-89ないし94が掲載されている。

  i 63ないし81頁は、「O O PART1 〈軌跡〉チェンジ&チェンジ」の章で、63頁には、上記見出しの下に、原告Oがイメージを大きく変えたことを記述する前文があり、63ないし66、68ないし76、78ないし81頁には、写真甲8-95ないし135が掲載され、64ないし66、68ないし70、72、75、76、78、79、81頁には、それぞれの写真の脇に原告Pに関する短い記述がある。

 67頁には、「Column1 よく眠れ!さあ、食べろ!」との小見出しの下に、原告Oの睡眠や食事について記述する文章があるが、その具体的な内容と掲載されている写真との間に格別の関連はない。また、77頁には、「Column2 本当の自分を隠してたんだ…」との小見出しの下に、原告Oがシューズをたくさん持っていること、KAT-TUNが結成された2001年からヒップホップのファッションを身にまとうようになったことなど、そのファッションについて記述する文章があり、76頁には、「ヒップホップ色をより鮮明に打ち出し始めた頃」との記載とともに、写真甲8-123が掲載されている。

 70、80頁には「O語録」と題する、原告Oや他のKAT-TUNのメンバーの発言の体裁をとった短い文章から成る囲み記事があるが、記事の具体的な内容と掲載された写真との間に格別の関連はない。

  j 82ないし95頁は、「O O PART2 〈オリキ時間〉コワモテ&フレンドリー」の章で、82頁には、上記見出しの下に、原告Oとそのファンとの関係を記述する前文があり、82ないし86、88ないし95頁には、写真甲8-136ないし164が掲載され、83、85、86、88、89、93及び95頁に、それぞれの写真の脇に原告Oに関する短い記述がある。

 87頁には、「Column3 ヴィン・ディーゼルを目指せ!」との小見出しの下に、原告Oが筋力トレーニングに励んでいることを記述する文章があるが、その具体的な内容と各頁に掲載された写真との間に格別の関連はない。

 90頁には、「O語録」と題する、前述の囲み記事があるが、記事の具体的な内容と各頁に掲載された写真との間に格別の関連はない。

  k 96ないし109頁は、「O O PART3 スクール&フレンズ」の章で、96頁に、上記見出しの下に、原告Oの突飛な行動を記述する前文があり、96ないし98、100ないし106、108及び109頁には、写真甲8-165ないし179が掲載され、97、98、100ないし103頁には、それぞれの写真の脇に原告Pに関する短い記述がある。

 99頁には、「Column4 うちのが一番!!」との小見出しの下に、原告Oが愛犬をかわいがっていることなどを記述する文章があるが、その具体的な内容と掲載されている写真との間に格別の関連はない。また、107頁には、「Column5 ブルーチーズの魅力?」との小見出しの下に、「こけた頬に金にブリーチした丸刈り頭。」などと原告Oの強い個性を記述する文章があり、106頁には、ブリーチをした丸刈り頭の原告Oを被写体とする写真(写真甲8-178)が掲載されている。

 100頁には「O語録」と題する、前述の囲み記事があるが、これらの記事の具体的な内容と各頁に掲載された写真との間に格別の関連はない。

  l 110及び111頁には、「KAT-TUN PROFILE 1998-2006」との見出しの下に、KAT-TUNに関する1998年から2006年までの主な出来事が記載され、写真甲8-180ないし187が掲載されている。

  m 112頁には、奥付と同書籍の編著者の紹介が記載され、写真甲8-188ないし195が掲載されている。

  n 裏表紙には、「KAT-TUN P&O コンプリートお宝フォトファイル Amazing!」と記載され、写真甲8-197が掲載されている。また、裏表紙の袖には、写真甲8-196が掲載されている。

 (イ) 本件書籍8は、その題名を「KAT-TUN P&O コンプリートお宝フォトファイル」とし、その表表紙に「Jr.時代からメジャーデビューまで、お宝180カットでつづる成長の軌跡」との記載があるように、原告P又は原告Oを被写体とする写真を大量に掲載した写真集である。

 すなわち、本件書籍8は、表紙のほか、全112頁のうち101頁にわたり、原告P又は原告Oを被写体とするカラー写真193枚を掲載したものであり、しかも、その大部分は、写真だけか、写真の脇に短い記述を添えただけのものである。そして、原告P及び原告Oそれぞれの各章(「Introduction」、「PART1」ないし「PART3」)の冒頭には、見出しとともに前文があるが、いずれの前文も、写真を掲載した各章の導入としての意義があるというにとどまり、これを超えて、独立した意義があるは認められない。また、原告P及び原告Oそれぞれの「Column1」ないし「Column5」の各コラムや「P語録」又は「O語録」と題する囲み記事には比較的まとまった文章があり、特に、原告Oの「Column2」の見開き頁に、「ヒップホップ色をより鮮明に打ち出し始めた頃」との記載とともに、原告Oを被写体とする写真が掲載され、原告Oの「Column5」の見開き頁に、ブリーチをした丸刈り頭の原告Oの被写体とする写真が掲載されているところ、上記写真がコラムの内容を補足するものであるということができるとしても、その他のコラムや記事の具体的な内容と本件各写真との間に格別の関連はないから、書籍全体としてみると、本件各写真が、上記コラムや記事の内容を補足するものということはできず、かえって、本件各写真の枚数やその取り扱われ方等に照らすと、上記コラムや記事は、本件各写真の添え物であって、独立した意義があるとは認められない。

 これらの事情に照らすと、本件書籍8は、本件各写真を鑑賞の対象とすることを目的とするものというべきである。

 そうすると、被告が本件各写真を本件書籍8に掲載する行為は、原告P又は原告Oの肖像等それ自体を独立して鑑賞の対象となる商品等として使用し、専ら上記原告らの肖像等の有する顧客吸引力の利用を目的とするものであるから、上記原告らのパブリシティ権を侵害するものとして、不法行為法上違法となるというべきである。

   ケ 本件書籍9について

 (ア) 証拠(甲9)によれば、次の事実が認められる。

  a 本件書籍9は、「KAT-TUN Q コンプリートお宝フォトファイル Shine」という題名の、A5判サイズで全112頁の書籍である。

 本件書籍9には、その表表紙、裏表紙、表表紙の袖及び裏表紙の袖を含めて、主に原告Qを被写体とするカラー写真が合計164枚(写真甲9-1ないし155、157、159、163ないし169)掲載されており、各写真が掲載された頁、各頁に複数の写真が掲載された場合の各写真の位置、各写真の被写体とされた原告は、別紙個別主張一覧表(9)の「原告らの主張」の「掲載ページ」欄、「掲載場所」欄及び「被撮影者」欄に記載のとおりであり、また、各写真の大きさは、同表の「被告の主張及び原告らの認否」の「写真の大きさ」欄の「被告」欄に記載のとおりである(ただし、写真甲9-9の大きさは「B」、写真甲9-13の大きさは「C」、写真甲9-15の大きさは「C」、写真甲9-16の大きさは「C」、写真甲9-24の大きさは「E」、写真甲9-26の大きさは「C」、写真甲9-102の大きさは「D」、写真甲9-103の大きさは「B」である。)。

  b 表表紙には、「KAT-TUN Q コンプリートお宝フォトファイル Shine」、「永久保存版」、「Jr.時代から、CDデビューまで、お宝150カットでつづる栄光のブレイク・ロード」と記載され、写真甲9-1が掲載されている。また、背表紙には、「KAT-TUN Q コンプリートお宝フォトファイル」との題名が記載されている。そして、表表紙の袖には、写真甲9-2が掲載されている。

  c 1頁には、「KAT-TUN Q コンプリートお宝フォトファイルShine」、「永久保存版」と記載され、写真甲9-3及び4が掲載されている。

 2頁には「Contents KAT-TUN Q コンプリートお宝フォトファイル Shine」との見出しの下に、次のような目次が記載され、3ないし13頁には、写真甲9-5ないし12が掲載され、5、8、11頁には、それぞれの写真の脇に原告Qに関する短い記述がある。

 「Introduction Q

 2006 疾走    …………………………………………3

 PART1 Q ON STAGE~2005       … … … 14

 PART2 Q 素顔の変遷   ……………………………38

 PART3 Qクンの《お蔵出し写真館》  …………………58

 Column1 『LOVE or LIKE』        …………20

      2 さらに研ぎ澄ませ!   ………………………31

      3 天賦の才 ……………………………………65

      4 Qの辞書に“負け”の文字はない?   ……88

      5 友情のかたち  ……………………………101

 Q語録①~⑫…18/25/37/45/50/60/66/

      75/85/93/99/109

 KAT-TUN PROFILE  …………………………110」

  d 14ないし37頁は、「PART1 Q ON STAGE~2005」の章で、15頁には、上記見出しの下に、原告Qを紹介する前文があり、14ないし19、21ないし30、32ないし37頁には、写真甲9-13ないし39が掲載され、14ないし19、21、22、26、27、30、33、34、36及び37頁には、それぞれの写真の脇に原告Qに関する短い記述がある。

 18、25及び37頁には、「Q語録」と題する、原告Qや他のKAT-TUNのメンバーの発言の体裁をとった短い文章から成る囲み記事があるが、記事の具体的な内容と掲載された写真との間に格別の関連はない。

 20頁には、「Column1『LOVE or LIKE』「寝ているときと、歌っているときが一番幸せ!」」との小見出しの下に、原告Qが歌が好きで歌唱力があることなどを記述する文章があり、31頁には、「Column2 さらに研ぎ澄ませ!」」との小見出しの下に、原告Qの特別な個性などを記述する文章がある。しかし、コラムの具体的な内容と掲載された写真との間に格別の関連はない。

  e 38ないし57頁は、「PART2 Q 素顔の変遷」の章で、39頁には、上記見出しの下に、原告Qの容貌などを記述する前文があり、38ないし57頁には、写真甲9-40ないし67が掲載され、38ないし45、47ないし49、51ないし57頁には、それぞれの写真の脇に原告Qに関する短い記述がある。

 45、50頁には、「Q語録」と題する、前述の囲み記事があるが、記事の具体的な内容と掲載された写真との間に格別の関連はない。

  f 58ないし109頁は、「PART3 Qクンの「お蔵出し写真館」」の章で、58頁には、上記見出しの下に、原告Qを知る上で欠かせない要素を記述する前文がある。

 59頁には、「Chapter Ⅰ Cap&Hat」との見出しの下に、原告Qの帽子を記述する前文があり、58ないし64、66ないし71頁には、写真甲9-68ないし88が掲載され、58ないし64、67、69ないし71頁には、それぞれの写真の脇に原告Qに関する短い記述がある。

 72頁には、「Chapter Ⅱ In Harajuku」との見出しの下に、原告Qの公衆の面前での振る舞いなどを記述する前文があり、72ないし75頁には、写真甲9-89ないし96が掲載されている。

 76頁には、「Chapter Ⅲ After 22:00」との見出しの下に、原告Qが良く訪れたラーメン店などを記述する前文があり、76ないし79頁には、写真甲9-97ないし103が掲載され、78及び79頁には、それぞれの写真の脇に原告Qに関する短い記述がある。

 80頁には、「Chapter Ⅲ With ORIKI」との見出しの下に、ファンが原告Qに手紙を渡すことなどを記述する前文があり、80ないし87、89ないし95頁には、写真甲9-104ないし131が掲載され、80、82、83、85ないし87、89、91、92、94及び95頁には、それぞれの写真の脇に原告Qに関する短い記述がある。

 96頁には、「Chapter Ⅴ KEITAI」との見出しの下に、原告Qと携帯電話のメールについて記述する前文があり、96ないし100頁には、写真甲9-132ないし139が掲載され、97ないし100頁には、それぞれの写真の脇に原告Qに関する短い記述がある。

 102頁には、「Chapter Ⅵ With Friends」との見出しの下に、原告Qの人間関係などを記述する前文があり、102ないし109頁には、写真甲9-140ないし154が掲載され、103ないし109頁には、それぞれの写真の脇に原告Qに関する短い記述がある。

 60、66、75、85、93、99及び109頁には「Q語録」と題する、前述の囲み記事があるが、記事の具体的な内容と掲載された写真との間に格別の関連はない。

 65頁には、「Column3 天賦の才」との小見出しの下に、原告Qの性格などを記述する文章があり、88頁には、「Column4 Qの辞書に“負け”の文字はない?」との小見出しの下に、原告Qが負けず嫌いであることなどを記述する文章があり、101頁には、「Column5 友情のかたち」との小見出しの下に、原告Qの友達付き合いを記述する文章がある。しかし、コラムの具体的な内容と掲載された写真との間に格別の関連はない。

  g 110及び111頁には、「KAT-TUN PROFILE 1998-2006」との小見出しの下に、KAT-TUNに関する1998年から2006年までの主な出来事が記載され、写真甲9-155ないし162が掲載されている。

  h 112頁には、奥付と同書籍の編著者の紹介が記載され、写真甲9-163ないし167が掲載されている。

  i 裏表紙には、「KAT-TUN Q コンプリートお宝フォトファイル Shine」と記載され、写真甲9-169が掲載されている。

 また、裏表紙の袖には、写真甲9-168が掲載されている。

 (イ) 本件書籍9は、その題名を「KAT-TUN Q コンプリートお宝フォトファイル」とし、その表表紙に「Jr.時代から、CDデビューまで、お宝150カットでつづる栄光のブレイク・ロード」との記載があるように、原告Qを被写体とする写真を大量に掲載した写真集である。

 すなわち、本件書籍9は、表紙のほか、全112頁のうち106頁にわたり、原告Qを被写体とするカラー写真164枚を掲載したものであり、しかも、その大部分は、写真だけか、写真の脇に短い記述を添えただけのものである。そして、各章(「PART1」ないし「PART3」)や「PART3」の各「Chapter」の冒頭には見出しとともに前文があるが、いずれの前文も、写真を掲載した各章や各「Chapter」の導入としての意義があるというにとどまり、これを超えて、独立した意義があるということはできない。また、「Column1」ないし「Column5」のコラムや「Q語録」と題する囲み記事には比較的まとまった文章があるが、その具体的な内容と掲載された写真との間に格別の関連はないから、掲載された写真が、上記コラムや記事の内容を補足するものということはできず、かえって、本件各写真の枚数やその取り扱われ方等に照らすと、上記コラムや記事は、本件各写真の添え物であって独立した意義があるとは認められない。

 これらの事情に照らすと、本件書籍9は、本件各写真を鑑賞の対象とすることを目的とするものというべきである。

 そうすると、被告が本件各写真を本件書籍9に掲載する行為は、原告Qの肖像等それ自体を独立して鑑賞の対象となる商品等として使用し、専ら原告Qの肖像等の有する顧客吸引力の利用を目的とするものであるから、原告Qのパブリシティ権を侵害するものとして、不法行為法上違法となるというべきである。

   コ 本件書籍10について

 (ア) 証拠(甲10)によれば、次の事実が認められる。

  a 本件書籍10は、「KAT-TUN R コンプリートお宝フォトファイル Winning」という題名の、A5判サイズで全112頁の書籍である。

 本件書籍10には、その表表紙、裏表紙、表表紙の袖及び裏表紙の袖を含めて、主に原告Rを被写体とするカラー写真が合計155枚(写真甲10-1ないし151、157ないし160)掲載されており、各写真が掲載された頁、各頁に複数の写真が掲載された場合の各写真の位置、各写真の被写体とされた原告は、別紙個別主張一覧表(10)の「原告らの主張」の「掲載ページ」欄、「掲載場所」欄及び「被撮影者」欄に記載のとおりであり、また、各写真の大きさは、同表の「被告の主張及び原告らの認否」の「写真の大きさ」欄の「被告」欄に記載のとおりである(ただし、写真甲10-151は110及び111頁の背景に使用され、写真甲10-152ないし154は110頁に、写真甲10-155ないし157は111頁に掲載されている。また、写真甲10-9の大きさは「D」、写真甲10-102の大きさは「C」である。)。

  b 表表紙には、「KAT-TUN R コンプリートお宝フォトファイル Winning」、「永久保存版」、「お宝写真150カットでよみがえるRの“青春譜”」と記載され、写真甲10-1が掲載されている。また、背表紙には、「KAT-TUN R コンプリートお宝フォトファイル」との題名が記載されている。そして、表表紙の袖には、写真甲10-2が掲載されている。

  c 1頁には、「KAT-TUN R コンプリートお宝フォトファイルWinning」、「永久保存版」と記載され、写真甲10-3及び4が掲載されている。

 2頁には「Contents」との見出しの下に、次のような目次が記載され、2ないし5頁には、写真甲10-5および6が掲載されている。

 「PART1 …………………………………………………………6

   PLAY BACK R

   あの“瞬間”をふたたび…

 PART2   ………………………………………………………36

   “お宝”PHOTO PROFILE R

   素顔の少年。オーラの源泉

 PART3   ………………………………………………………62

   SPECIAL SCENE R

   とっておきのお宝シーン“お蔵だし”

     in Harajuku もう原宿では会えない

     at night アフター22時?

     with ORIKI いつもいっしょだった

     in school uniform 鍛錬の日々…

     Cap&Hat センスはいかほど…?

     KEITAI 肌身はなさず

     with friends 根っこにあるもの

 Column1 受け継がれる心     ……………………………11

      2 人材不足!?     ………………………………21

      3 ジャニーズ・マニア!       ……………………31

      4 「やだやだ、やだー」       ……………………82

      5 最大のライバル       …………………………103

 R語録①~⑩ …39/41/45/47/49/54/67/74/90

  KAT-TUN PROFILE     …………………………110」

  d 6ないし35頁は、「PART1 PLAY BACK R あの“瞬間”をふたたび…」の章で、7頁には、上記見出しの下に、KAT-TUNのメジャーデビューを記述する前文があり、6ないし35頁には、写真甲10-7ないし49が掲載され、8、15、18、23、29及び33頁には、それぞれの写真の脇に原告Rに関する短い記述がある。

 11頁には、「Column1 受け継がれる心」との小見出しの下に、原告Rがジャニーズ事務所の先輩アイドルから学んだことなどを記述する文章があり、21頁には、「Column2 人材不足!?」との小見出しの下に、原告RがどうしてKAT-TUNのリーダーになったのかを記述する文章があり、31頁には、「Column3 ジャニーズ・マニア!」との小見出しの下に、原告Rがジャニーズ事務所のアイドルに詳しいことなどを記述する文章がある。しかし、コラムの具体的な内容と掲載された写真との間に格別の関連はない。

  e 36ないし61頁は、「PART2 お宝PHOTO PROFILE R 素顔の少年。オーラの源泉」の章で、37頁には、上記の見出しの下に、原告Rの変貌を記述する前文があり、36ないし61頁には、写真甲10-50ないし83が掲載され、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、58及び61頁には、それぞれの写真の脇に原告Rに関する短い記述がある。

 39、41、45、47、49及び54頁には、「R語録」と題する、原告Rや他のKAT-TUNのメンバーの発言の体裁をとった短い文章から成る囲み記事がある。記事の具体的な内容と掲載された写真との間に格別の関連はない。

  f 62ないし109頁は、「PART3 SPECIAL SCENER とっておきのお宝シーン お蔵出し」の章で、63頁には、上記見出しが記載されている。

 62頁には、「in Harajuku もう原宿では会えない」との小見出しの下に、かつて原告Rの姿を原宿駅やその周辺で目撃することができたことを記述する前文があり、62ないし67頁には、写真甲10-84ないし93が掲載され、62、64頁に、それぞれの写真の脇に原告Rに関する短い記述がある。

 68頁には、「at night アフター22時?」との小見出しの下に、原告Rが番組の収録後にラーメン店などに現れたことなどを記述する前文があり、68ないし71頁には、写真甲10-94ないし100が掲載され、71頁には、写真の脇に原告Rに関する短い記述がある。

 72頁には、「with ORIKI いつもいっしょだった」との小見出しの下に、原告Rを追いかけるファンについて記述する前文があり、72ないし80頁には、写真甲10-101ないし113が掲載され、77及び79頁には、それぞれの写真の脇に原告Rに関する短い記述がある。

 81頁には、「in school uniform 鍛錬の日々…」との小見出しの下に、原告Rの学生服姿が貴重であることを記述する前文があり、81ないし85頁には、写真甲10-114ないし120が掲載されている

 86頁には、「Cap & Hat センスはいかほど…?」との小見出しの下に、原告Rが身につける帽子について記述する前文があり、86ないし93頁には、写真甲10-121ないし136が掲載され、88及び92頁には、それぞれの写真の脇に原告Rに関する短い記述がある。

 95頁には、「KEITAI 肌身はなさず」との小見出しの下に、原告Rと携帯電話について記述する前文があり、94ないし97頁には、写真甲10-137ないし142が掲載され、95及び96頁に、それぞれの写真の脇に原告Rに関する短い記述がある。

 98頁には、「with friends 根っこにあるもの」との小見出しの下に、原告Rとジャニーズ事務所の先輩アイドルや友人との人間関係を記述する前文があり、98ないし109頁には、写真甲10-143ないし150が掲載され、99、101、106及び108頁に、それぞれの写真の脇に原告Rに関する短い記述がある。

 67、74及び90頁には「R語録」と題する、前述の囲み記事があるが、記事の具体的な内容と掲載された写真との間に格別の関連はない。

 82頁には、「Column4 「やだやだ、やだー」」との小見出しの下に、原告Rがジェットコースターを苦手としていることなどを記述する文章があり、103頁には、「Column5 最大のライバル……」との小見出しの下に、原告Rが原告Nに関心を持っていることなどを記述する文章がある。しかし、コラムの具体的な内容と掲載された写真との間に格別の関連はない。

  g 110及び111頁には、写真甲10-151を背景に、「KAT-TUN PROFILE 1998-2006」との見出しの下に、KAT-TUNに関する1998年から2006年までの主な出来事が記載され、写真甲10-152ないし157が掲載されている。

  h 112頁には、奥付と同書籍の編著者の紹介が記載され、写真甲10-158が掲載されている。

  i 裏表紙には、「KAT-TUN R コンプリートお宝フォトファイル Winning」と記載され、写真甲10-160が掲載されている。また、同裏表紙の袖には、写真甲10-159が掲載されている。

 (イ) 本件書籍10は、その題名を「KAT-TUN R コンプリートお宝フォトファイル」とし、その表表紙に「お宝写真150カットでよみがえるRの“青春譜”」との記載があるように、原告Rを被写体とする写真を大量に掲載した写真集である。

 すなわち、本件書籍10は、表紙のほか、112頁の全てわたり、原告Rを被写体とするカラー写真155枚を掲載したものであり、しかも、その大部分は、写真だけか、写真の脇に短い記述を添えただけのものである。そして、各章(PART1、PART2)及び「PART3」の中にある「in Harajuku」をはじめとする7つのパートの冒頭には見出しとともに前文があるが、いずれの前文も、写真を掲載した各章、各パートの導入としての意義があるというにとどまり、これを超えて、独立した意義があるということはできない。また、「Column1」ないし「Column5」の各コラムや「R語録」と題する囲み記事には比較的まとまった文章があるが、その具体的な内容と掲載された写真との間に格別の関連はないから、掲載された写真が、上記コラムや記事の内容を補足するものということはできず、かえって、本件各写真の枚数やその取り扱われ方等に照らすと、上記コラムや記事は、本件各写真の添え物であって独立した意義があるとは認められない。

 これらの事情に照らすと、本件書籍10は、本件各写真を鑑賞の対象とすることを目的とするものというべきである。

 そうすると、被告が本件各写真を本件書籍10に掲載する行為は、原告Rの肖像等それ自体を独立して鑑賞の対象となる商品等として使用し、専ら原告Rの肖像等の有する顧客吸引力の利用を目的とするものであるから、原告Rのパブリシティ権を侵害するものとして、不法行為法上違法となるというべきである。

   サ 本件書籍11について

 (ア) 証拠(甲11)によれば、次の事実が認められる。

  a 本件書籍11は、「KAT-TUN お宝フォトBOOK BOMB!」という題名の、A5判サイズで全128頁の書籍である。本件書籍11には、その表表紙、表表紙の袖及び裏表紙を含めて、原告M、原告N、原告O、原告P、原告Q又は原告Rを被写体とするカラー写真が合計235枚(写真甲11-1ないし235)掲載されており、各写真が掲載された頁、各頁に複数の写真が掲載された場合の各写真の位置、各写真の被写体とされた原告は、別紙個別主張一覧表(11)の「原告らの主張」の「掲載ページ」欄、「掲載場所」欄及び「被撮影者」欄に記載のとおりであり、また、各写真の大きさは、同表の「被告の主張及び原告らの認否」の「写真の大きさ」欄の「被告」欄に記載のとおりである(ただし、写真甲11-21は2、3頁の見開きで中央に掲載され、写真甲11-22、23は2頁に、写真甲11-24ないし29は3頁に掲載されている。また、写真甲11-4の大きさは「E」、写真甲11-5の大きさは「E」、写真甲11-210の大きさは「E」である。)。

  b 表表紙には、「KAT-TUN お宝フォトBOOK BOMB!」、「永久保存版」、「250カットで綴るKAT-TUN、それぞれの軌跡」と記載され、写真甲11-1ないし7が掲載されている。また、背表紙には、「永久保存版 KAT-TUN お宝フォトBOOK」と記載されている。そして、表表紙の袖には、写真甲11-8ないし13が掲載されている。

  c 1頁には、「KAT-TUN お宝フォトBOOK BOMB!」、「永久保存版」と記載され、写真甲11-14ないし20が掲載されている。

 2頁には「KAT-TUN」と記載され、「Contents」との見出しの下に、次のような目次が記載され、2、3頁には、写真甲11-21ないし29が掲載されている。

 「軌跡 PART1

   1998-1999 ……………………………………………4

   2000-2001 ……………………………………………6

   2002-2003 ……………………………………………8

   2004-2005  …………………………………………10

 R R                          ……………12

   “野球くん”のハートの奥底に …………………………18

   節操はある…、それとも、ない? ………………………22

   噂・ウワサ・うわさ  ………………………………………28

   KAT-TUNイチ押しのロマンチスト …………………32

 Q Q                   …………………………38

   平成の“杉良”も最初はつまづいた  …………………40

  天然さで、独走中  ………………………………………46

   「しょっぱい車」 …………………………………………52

   本当は“お子ちゃま”かも!? …………………………58

 O O                 ……………………………64

   やんちゃな“時限爆弾”!?  …………………………68

   熱い男は慕われる  ……………………………………74

 P P                             ………80

  抜群の微笑みのバックグラウンド  ………………………82

   そのセンス、マジヤバ!? ……………………………88

 N N                    ………………………94

   一筋の光をたよりに、指先に集中すれば  ……………98

   ビッグなやつって…???  …………………………104

 M M                        ……………108

   キミは「M宇宙論」を聞いたか?    …………………110

   影の支配者は“遅刻魔”でダッシュ好き  ……………118

 軌跡 PART2

   03.5.12 & 03.8.10      …………………122

   03.8.20 & 04.1.31      …………………124

   04.8.10 & 05.1.5      ……………………126」

  d 4ないし11頁は、「KAT-TUN 軌跡 PART1」の章で、5頁に1998年から1999年まで、7頁に2000年から2001年まで、8頁に2003年、9頁に2002年、10頁に2004年、11頁に2005年のKAT-TUNに関わる主な出来事が記載され、4ないし11頁には、写真甲11-30ないし53が掲載されている。

  e 12ないし37頁は、「KAT-TUN R R」の章で、12頁には、上記見出しが記載され、13頁には、「R Profile」として、生年月日、血液型など原告Rに関する11項目の情報が小さな囲み記事で記載され、12ないし17、19ないし22、24ないし28、30、31、33ないし37頁には、写真甲11-54ないし90が掲載されている。

 18及び19頁には、「“野球くん”のハートの奥底に…」との小見出しの下に、原告Rが野球を得意とすることなどを記述する文章があり、22及び23頁には、「節操はある…、それとも、ない?」との小見出しの下に、原告Rが様々なスポーツに取り組んできたことを記述する文章があり、28及び29頁には、「噂・ウワサ・うわさ…」との小見出しの下に、原告Rと様々な女性タレントとのうわさ話などを記述する文章があり、32及び33頁には、「KAT-TUNイチ押しのロマンチスト」との小見出しの下に、原告Rの恋愛観などを記述する文章がある。しかし、コラムの具体的な内容と掲載された写真との間に格別の関連はない。

  f 38ないし63頁は、「KAT-TUN Q Q」の章で、38頁には、上記見出しが記載され、39頁には、「Q Profile」として、生年月日、血液型など原告Qに関する11項目の情報が小さな囲み記事で記載され、38、39、41ないし51、53ないし63頁には、写真甲11-91ないし129が掲載されている。

 40及び41頁には、「平成の“杉良”も最初はつまづいた」との小見出しの下に、原告Qが選考されたオーディションについて記述する文章があり、46及び47頁には、「天然さで、独走中」との小見出しの下に、原告Qのキャラクターについて記述する文章があり、52及び53頁には、「しょっぱい車」との小見出しの下に、原告Qの自動車の運転について記述する文章があり、58及び59頁には、「本当は“お子ちゃま”かも!?」との小見出しの下に、原告Qの無邪気な人柄について記述する文章がある。しかし、コラムの具体的な内容と掲載された写真との間に格別の関連はない。

  g 64ないし79頁には、「KAT-TUN O O」の章で、64頁には、上記見出しが記載され、65頁には、「O Profile」として、生年月日、血液型など原告Oに関する11項目の情報が小さな囲み記事で記載され、64ないし67、69ないし74、76ないし79頁には、写真甲11-130ないし155が掲載されている。

 68及び69頁には、「やんちゃな“時限爆弾”!?」との小見出しの下に、原告Oの問題とされた行動を記述する文章があり、74及び75頁には、「熱い男は慕われる」との小見出しの下に、原告Oの友人らを大切にする人柄を記述する文章がある。しかし、コラムの具体的な内容と掲載された写真との間に格別の関連はない。

  h 80ないし93頁は、「KAT-TUN P P」の章で、80頁には、上記見出しが記載され、81頁には、「P Profile」として、生年月日、血液型など原告Pに関する11項目の情報が小さな囲み記事で記載され、80、81、83ないし88、90ないし93頁には、写真甲11-156ないし176が掲載されている。

 82及び83頁には、「抜群の微笑みのバックグラウンド」との小見出しの下に、原告Pの笑顔や駄洒落などについて記述する文章があるが、その具体的な内容と掲載された写真との間に格別の関連はない。また、88及び89頁には、「そのセンス、マジヤバ!?」との小見出しの下に、原告Pが最近プライベートでジーンズとTシャツを身につけるのが定番となったことなど、原告Pのファッションセンスについて記述する文章があり、88頁には、ジーンズとシャツを身につけた原告Pを被写体とする写真(写真甲11-169)が掲載されている。

  i 94ないし107頁は、「KAT-TUN N N」の章で、94頁には、上記見出しが記載され、95頁には、「N Profile」として、生年月日、血液型など原告Nに関する11項目の情報が小さな囲み記事で記載され、94ないし97、99ないし103、105ないし107頁には、写真甲11-177ないし194が掲載されている。

 98及び99頁には、「一筋の光をたよりに、指先に集中すれば…」との小見出しの下に、原告Nの不思議な発言などについて記述する文章があるが、その具体的な内容と掲載された写真との間に格別の関連はない。また、104及び105頁には、「ビッグなやつって…???」との小見出しの下に、あるミュージシャンに影響された原告Nのファッションについて記述する文章があり、105頁には、そのファッションを身にまとった原告Nを被写体とする写真(写真甲11-192)が掲載されている。

  j 108ないし121頁は、「KAT-TUN M M」の章で、108頁には、上記見出しが記載され、109頁には、「M Profile」として、生年月日、血液型など原告Mに関する11項目の情報が小さな囲み記事で記載され、108、109、111ないし117、119ないし121頁には、写真甲11-195ないし215が掲載されている。

 110及び111頁には、「キミは「M宇宙論」を聞いたか?」との小見出しの下に、原告Mが宇宙に深い興味を持っていることについて記述する文章があり、118及び119頁には、「影の支配者は“遅刻魔”でダッシュ好き」との小見出しの下に、原告Mが遅刻を繰り返すことなどについて記述する文章がある。しかし、コラムの具体的な内容と掲載された写真との間に格別の関連はない。

  k 122ないし127頁は、「KAT-TUN 軌跡 PART2」の章で、122頁に「2003.5.12」、123頁に「2003.8.10」、124頁に「2004.1.31」、125頁に「2003.8.20」、126頁には「2004.8.10」、127頁には「2005.1.5」との各小見出しの下に、それぞれの日に行われたコンサート等のイベント説明する文章があり、これと並んで、写真甲11-216ないし221が掲載されている。

  l 128頁には、奥付と同書籍の編著者の紹介が記載され、写真甲11-222ないし234が掲載されている。

  m 裏表紙には、「KAT-TUN お宝フォトBOOK」と記載され、写真甲11-235が掲載されている。

 (イ) 本件書籍11は、その題名を「KAT-TUN お宝フォトBOOK」とし、その表表紙に「250カットで綴るKAT-TUN、それぞれの軌跡」との記載があるように、KAT-TUNのメンバーである原告M、原告N、原告O、原告P、原告Q又は原告Rを被写体とする写真を大量に掲載した写真集である。

 すなわち、本件書籍11は、表紙のほか、128頁のうち114頁にわたり、原告M、原告N、原告O、原告P、原告Q又は原告Rを被写体とするカラー写真235枚したものであり、しかも、その大部分は、写真だけか、写真の脇に短い記述を添えただけのものである。そして、原告M、原告N、原告O、原告P、原告Q又は原告Rについての各コラムには比較的まとまった文章があり、特に、原告Pについての「そのセンス、マジヤバ!?」との小見出しのコラムが掲載された頁には、ジーンズとシャツを身につけた原告Pを被写体とする写真(写真甲11-169)が掲載され、原告Nについての「ビッグなやつって…???」との小見出しのコラムが掲載された頁には、コラムの記載に沿うようなファッションを身にまとった原告Nを被写体とする写真(写真甲11-192)が掲載されているところ、上記写真がコラムの内容を補足するものであるということができるとしても、その他のコラムや記事の具体的な内容と本件各写真との間に格別の関連はないから、書籍全体としてみると、本件各写真が、上記コラムや記事の内容を補足するものということはできず、かえって、本件各写真の枚数やその取り扱われ方等に照らすと、上記コラムや記事は、本件各写真の添え物であって、独立した意義があるとは認められない。

 これらの事情に照らすと、本件書籍11は、本件各写真を鑑賞の対象とすることを目的とするものというべきである。

 そうすると、被告が本件各写真を本件書籍11に掲載する行為は、原告M、原告N、原告O、原告P、原告Q又は原告Rの肖像等それ自体を独立して鑑賞の対象となる商品等として使用し、専ら上記原告らの肖像等の有する顧客吸引力の利用を目的とするものであるから、上記原告らのパブリシティ権を侵害するものとして、不法行為法上違法となるというべきである。

   シ 本件書籍12について

 (ア) 証拠(甲12)によれば、次の事実が認められる。

  a 本件書籍12は、「KAT-TUN Photo&Episode Tough Guys」という題名の、A5判サイズで全112頁の書籍である。

 本件書籍12には、表表紙、表表紙の袖、裏表紙及び裏表紙の袖を含めて、KAT-TUNのメンバーである原告M、原告N、原告O、原告P、原告Q又は原告Rを被写体とするカラー写真が142枚、白黒写真が34枚合計176枚(写真甲12-1ないし177。なお、写真甲12-54と甲12-55は一枚の写真である。写真甲12-7ないし10、16、17、24、27、33、36、47、53、56、69、73、76、86、93、99、104、117、118、121、126、136、142、152、159、167ないし172の写真が白黒写真であり、そのほかがカラー写真である。)掲載されており、各写真が掲載された頁、各頁に複数の写真が掲載された場合の各写真の位置、各写真の被写体とされた原告は、別紙個別主張一覧表(12)の「原告らの主張」の「掲載ページ」欄、「掲載場所」欄及び「被撮影者」欄記載のとおりであり、また、各写真の大きさについては、同表の「被告の主張及び原告らの認否」の「写真の大きさ」の「被告」欄記載のとおりである(ただし、写真甲12-95の大きさは「D」、写真甲12-96の大きさは「D」である。)。

  b 表表紙には、「KAT-TUN Photo&Episode Tough Guys」、「全160カットお宝プライベートフォト&ライブ写真満載!」と記載され、写真甲12-1ないし4が掲載されている。また、背表紙には、「KAT-TUN Photo&Episode Tough Guys」、「お宝フォト満載」と記載されている。そして、表表紙の袖には、写真甲12-5及び6が掲載されている。

  c 1頁には、「KAT-TUN Photo&Episode Tough Guys」、「全160カットお宝プライベートフォト&ライブ写真満載!」と記載され、写真甲12-7ないし10が掲載されている。

 2頁には「Contents」との見出しの下に、次のような目次が記載され、2及び3頁には、写真甲12-11が掲載されている。

 「はじめに                         4

序章 一心同体の輝きを放つとき           8

第1章 Q ヤンチャ印は永遠に不滅です     30

第2章 R 男だからこそ貫く想い           44

第3章 O 反逆児アイドル、かく戦う         58

第4章 P ずっこけ魂でつき抜けろ         76

第5章 N 新しい息吹は歌とともに          90

第6章 M どっこいサイエンスを極めよう     100

 KAT-TUNお宝ショット館

 ① Q 34/②R 46/③O 60/④P 78/

 ⑤N 92/⑥M 102

 KAT-TUN Special Profile

 1998~2008                                 110」

  d 4及び5頁は、「はじめに」の章で、2頁にわたり、KAT-TUNの現状などを記述する前文があり、6及び7頁には、写真甲12-12及び13が掲載され、それぞれの写真の脇に各原告に関する短い記述がある。

  e 8ないし29頁は、「序章 一心同体の輝きを放つとき」の章で、8、9、12、13、16、18、22、23、26及び27頁に、KAT-TUNが個性の強い6人の集まりであること、今後の活躍が期待されることなどを記述する前文があり、12、13、19、23及び26には、写真甲12-16、17、24、27及び33が掲載されているが、各写真についての説明はない。

 10、11、14、15、17、20、21、24、25、28及び29頁には、写真甲12-14、18ないし23、25、26、28ないし32、34および35が掲載され、10、11、14、15、20、21、24、28及び29頁には、それぞれの写真の脇に各原告に関する短い記述があるが、その内容とそれぞれの写真との間に格別の関連はない。

  f 30ないし43頁は、「第1章 Q Q ヤンチャ印は永遠に不滅です」の章で、30、31、33、36、37及び41頁に、原告Qについて、様々な女性との交際が報じられたこと、仕事よりもプライベートを優先する考えを持っていることなどなどを記述する文章があり、31、37頁及び40頁には、写真甲12-36、47及び53が掲載されているが、各写真についての説明はない。

 32、38、39、42及び43頁には、写真甲12-37、48ないし52、54及び55が7枚掲載され、32、39及び43頁には、それぞれの写真の脇に各原告に関する短い記述があるが、その内容とそれぞれの写真との間に格別の関連はない。

 34及び35頁には、「KAT-TUNお宝ショット館① Q」との小見出しの下に、写真甲12-38ないし46が掲載され、4か所に原告Qに関する短い記述がある。

  g 44ないし57頁は、「第2章 R R 男だからこそ貫く想い」の章で、44、45、48、50、54及び55頁に、原告Rについて、主演したドラマの視聴率が振るわなかったこと、ある女優との交際が終了した理由などを記述する文章があり、45、51及び54頁には、写真甲12-56、69および73が掲載されているが、各写真についての説明はない。

 49、52、53、56及び57頁には、写真甲12-66ないし68、70ないし72、74および75が掲載され、49、52、53、56及び57頁には、それぞれの写真の脇に各原告に関する短い記述があるが、その内容とそれぞれの写真との間に格別の関連はない。

 46及び47頁には、「KAT-TUNお宝ショット館② R」との小見出しの下に、写真甲12-57ないし65が掲載され、3か所に原告Rに関する短い記述がある。

  h 58ないし75頁は、「第3章 O O 反逆児アイドル、かく戦う」の章で、58、59、62、63、65、68、69、72及び73頁に、原告Oについて、初めてドラマの主演を務め大きなプレッシャーを受けたこと、ラップに傾倒していることなどを記述する文章があり、59、63、69及び72頁には、写真甲12-76、86、93及び99が掲載されているが、各写真についての説明はない。

 64、66、67、70、71、74及び75頁には、写真甲12-87ないし92、94ないし98、100ないし103が掲載され、66、67、71及び75頁には、それぞれの写真の脇に各原告に関する短い記述があるが、その内容とそれぞれの写真との間に格別の関連はない。

 60及び61頁には、「KAT-TUNお宝ショット館③ O」との小見出しの下に、写真甲12-77ないし85が掲載され、3か所に原告Oに関する短い記述がある。

  i 76ないし89頁は、「第4章 P P ずっこけ魂でつき抜けろ」の章で、76、77、80、82、83、86及び87頁に、原告Pについて、ファッションや駄洒落を披露することなどを記述する文章があり、77、82、83及び86頁には、写真甲12-104、117、118及び121が掲載されているが、各写真についての説明はない。

 81、84、85、88及び89頁には、写真甲12-114ないし116、119、120、122ないし125が掲載され、これらには、それぞれの写真の脇に各原告に関する短い記述があるが、その内容とそれぞれの写真との間に格別の関連はない。

 78及び79頁には、「KAT-TUNお宝ショット館④ P」との小見出しの下に、写真甲12-105ないし113が掲載され、3か所に原告Pに関する短い記述がある。

  j 90ないし99頁は、「第5章 N N 新しい息吹は歌とともに」の章で、90、91、94、95及び97頁に、原告Nについて、自分を見つめ直して自分らしさを取り戻したこと、ソロコンサートが予定されていることなどを記述する文章があり、91及び95頁には、写真甲12-126および136が掲載されているが、各写真についての説明はない。

 96、98及び99頁には、写真甲12-137ないし141が掲載され、これらには、それぞれの写真の脇に各原告に関する短い記述があるが、その内容とそれぞれの写真との間に格別の関連はない。

 92及び93頁には、「KAT-TUNお宝ショット館⑤ N」との小見出しの下に、写真甲12-127ないし135が掲載され、3か所に原告Nに関する短い記述がある。

  k 100ないし111頁は、「第6章 M M どっこいサイエンスを極めよう」の章で、100、101、104、105、108及び109頁に、原告Mについて、努力家であり、冷静な目を持っていること、単独での舞台が予定されていることなどを記述する文章があり、101、105及び108頁には、写真甲12-142、152及び159が掲載されているが、各写真についての説明はない。

 106及び107頁には、写真甲12-153ないし158が掲載され、これらには、それぞれの写真の脇に各原告に関する短い記述があるが、その内容とそれぞれの写真との間に格別の関連はない。

 102及び103頁には、「KAT-TUNお宝ショット館⑥ M」との小見出しの下に、写真甲12-143ないし151が掲載され、2か所に原告Mに関する短い記述がある。

  l 110及び111頁には、「KAT-TUN Special Profile 1998~2008」との小見出しの下に、KAT-TUNに関する1998年から2008年までの主な出来事が記載され、写真甲12-160ないし166が掲載されている。

  m 112頁には、奥付と編著者の紹介が記載され、写真甲12-167ないし172が掲載されている。

  n 裏表紙には、目次とともに、「KAT-TUN Photo&Episode Tough Guys」、「KAT-TUNお宝ショット館」と記載され、写真甲12-177が掲載されている。そして、裏表紙の袖には、写真甲12-173ないし176が掲載されている。

 (イ) 本件書籍12は、その題名を「KAT-TUN Photo&Episode Tough Guys」とし、表表紙に「全160カットお宝プライベートフォト&ライブ写真満載!」、背表紙に「お宝フォト満載」及び裏表紙に「KAT-TUNお宝ショット館」との記載があるように、KAT-TUNのメンバーである原告M、原告N、原告O、原告P、原告Q又は原告Rを被写体とする写真を大量に掲載した写真集である。

 すなわち、本件書籍12は、全112頁のうち83頁にわたり、上記原告らを被写体とする写真176枚(そのうち142枚がカラー写真である。)を掲載したものであり、しかも、その大部分は、写真だけか、写真の脇に短い記述を添えただけのものである。そして、序章及び第1章ないし第6章の各章には、それぞれKAT-TUNやそのメンバーである各原告に関する記述があり、そのページ数は、序章から順次10頁、6頁、6頁、9頁、7頁、5頁、6頁になるが、これらの記述の内容と本件各写真の枚数やその取り扱われ方等に照らすと、いずれの記述も、本件各写真の添え物として、写真を掲載した各章の導入としての意義があるというにとどまり、これを超えて、独立した意義があるということはできない。

 これらの事情に照らすと、本件書籍12は、本件各写真を鑑賞の対象とすることを目的とするものというべきである。

 そうすると、被告が本件各写真を本件書籍12に掲載する行為は、原告M、原告N、原告O、原告P、原告Q又は原告Rの肖像等それ自体を独立して鑑賞の対象となる商品等として使用し、専ら上記原告らの肖像等の有する顧客吸引力の利用を目的とするものであるから、上記原告らのパブリシティ権を侵害するものとして、不法行為法上違法となるというべきである。

 2 次いで、争点3のうち、パブリシティ権の侵害により原告らが受けた損害の額について、判断する。

  (1) 被告が本件各写真を本件各書籍に掲載する行為は、原告らのパブリシティ権を侵害するものであるところ、パブリシティ権は、先に判示したように、肖像等が有する商品の販売等を促進する顧客吸引力を排他的に利用する権利であるから、原告らは、それぞれ、被告の行為により、本件各書籍の出版に当たり、それぞれを被写体とする写真の使用を許諾する場合に通常受領すべき金銭に相当する額の損害を受けたものと認められる。

  (2) そこで、原告らが、本件各書籍の出版に当たり、それぞれを被写体とする写真の使用を許諾する場合に通常受領すべき金銭の額についてみる。

   ア 証拠(甲13ないし17、18の1及び2、19、乙7ないし10)及び弁論の全趣旨によれば、次の事実が認められる。

 (ア) ●(省略)●は、原告H、原告I、原告J、原告K及び原告Lからそれぞれの肖像に関する権利等の管理の委託を受けて、平成14年5月10日、株式会社マガジンハウスとの間で、●(省略)●が株式会社マガジンハウスに対し、嵐のメンバーの肖像写真により構成する「嵐 1st写真集 in a rush!」という題名の写真集の製作、発行を許諾し、株式会社マガジンハウスが●(省略)●に対し、次の計算式による出演料を支払うことを合意した。

 ●(省略)●

 (イ) ●(省略)●は、平成19年1月1日、原告H、原告I、原告J、原告K及び原告Lの肖像に関する権利等を管理する●(省略)●に対し、嵐のメンバーの肖像写真により構成する「ARASHI AROUNDASIA」という題名の写真集について、印税として●(省略)●を支払うことを約した。

 (ウ) 株式会社集英社は、平成20年9月3日に「ARASHI IS ALIVE!」という題名の写真集を発行するに当たり、●(省略)●に対し、次の計算式●(省略)●による許諾料を支払うことを約した。

 ●(省略)●

 (エ) ●(省略)●は、原告M、原告N、原告O、原告P、原告Q及び原告Rからそれぞれの肖像に関する権利等の管理の委託を受けて、平成15年12月25日、株式会社ワニブックス(以下「ワニブックス」という。)との間で、●(省略)●がワニブックスに対し、KAT-TUNのメンバーの肖像写真により構成する「KAT-TUN 1st.inNEW YORK」という題名の写真集の出版権を設定し、ワニブックスが●(省略)●に対し、●(省略)●

 (オ) ●(省略)●は、平成21年8月3日、●(省略)●との間で、●(省略)●が●(省略)●に対し、KAT-TUNのメンバーの肖像写真により構成する「KAT-TUN LIVE DOCUMENT PHOTOBOOK “BREAK the RECORDS”」という題名の写真集の制作、発行及び販売を許諾し、●(省略)●が●(省略)●に対し、次の計算式による権利使用料を支払うことを合意した。

 ●(省略)●

   イ 上記ア認定の事実によれば、●(省略)●は、原告らの肖像写真により構成する写真集の出版等を許諾した場合に、出版社から、●(省略)●を受領しているから、本件各書籍の出版に当たり、原告らがそれぞれを被写体とする写真の使用を許諾する場合に通常受領すべき金銭の額は、本件各書籍の本体価格の10%に相当する額に発行部数を乗じた金額を下らないものと認められる。

   ウ 証拠(乙1の1ないし12)及び弁論の全趣旨によれば、次の事実が認められる。

 (ア) 被告は、本件書籍1の印刷、製本を城南グラビヤ株式会社(以下「城南グラビヤ」という。)に依頼し、城南グラビヤは、平成20年9月17日から平成21年2月3日までに本件書籍1を合計2万8000部印刷、製本して、被告に納品し、被告は、平成20年10月1日ころに本件書籍1の販売を開始して、少なくとも2万7294部販売した。

 (イ) 被告は、本件書籍2の印刷、製本を城南グラビヤに依頼し、城南グラビヤは、平成20年10月27日から平成21年8月7日までに本件書籍2を合計2万4000部印刷、製本して、被告に納品し、被告は、平成20年11月5日ころに本件書籍2の販売を開始して、少なくとも2万1555部販売した。

 (ウ) 被告は、本件書籍3の印刷、製本を城南グラビヤに依頼し、城南グラビヤは、平成20年10月27日から平成21年1月21日までに、本件書籍3を合計1万9000部印刷、製本して、被告に納品し、被告は、平成20年11月5日ころに本件書籍3の販売を開始して、少なくとも1万7064部販売した。

 (エ) 被告は、本件書籍4の印刷、製本を城南グラビヤに依頼し、城南グラビヤは、平成20年10月9日から平成21年2月23日までに本件書籍4を合計2万5000部印刷、製本して、被告に納品し、被告は、平成20年10月25日ころ、本件書籍4の販売を開始して、現在に至るまで、少なくとも2万2837部販売した。

 (オ) 被告は、本件書籍5の印刷、製本を城南グラビヤに依頼し、城南グラビヤは、平成20年9月17日から平成21年1月21日までに本件書籍5を合計3万1000部印刷、製本して、被告に納品し、被告は、平成20年10月1日ころに本件書籍5の販売を開始して、少なくとも2万9985部販売した。

 (カ) 被告は、本件書籍6の印刷、製本を城南グラビヤに依頼し、城南グラビヤは、平成19年9月25日から平成21年8月17日までに本件書籍6を合計3万9000部印刷、製本して、被告に納品し、被告は、平成19年9月28日ころに本件書籍6の販売を開始して、少なくとも3万6386部販売した。

 (キ) 被告は、本件書籍7の印刷、製本を城南グラビヤに依頼し、城南グラビヤは、平成18年8月30日に本件書籍7を2万部印刷、製本して、被告に納品し、被告は、平成18年9月5日ころに本件書籍7の販売を開始して、少なくとも7663部販売した。

 (ク) 被告は、本件書籍8の印刷、製本を城南グラビヤに依頼し、城南グラビヤは、平成18年8月30日に本件書籍8を2万部印刷、製本して、被告に納品し、被告は、平成18年9月5日ころに本件書籍8の販売を開始して、少なくとも5798部販売した。

 (ケ) 被告は、本件書籍9の印刷、製本を城南グラビヤに依頼し、城南グラビヤは、平成18年4月28日から平成21年5月20日までに本件書籍9を合計4万6500部印刷、製本して、被告に納品し、被告は、平成18年5月15日ころに本件書籍9の販売を開始して、少なくとも4万4829部販売した。

 (コ) 被告は、本件書籍10の印刷、製本を城南グラビヤに依頼し、城南グラビヤは、平成18年3月2日から平成18年6月21日までに本件書籍10を合計4万5000部印刷、製本して、被告に納品し、被告は、平成18年3月15日ころに本件書籍10の販売を開始して、少なくとも4万2218部販売した。

 (サ) 被告は、本件書籍11の印刷、製本を城南グラビヤに依頼し、城南グラビヤは、平成17年8月24日から平成18年8月7日までに本件書籍11を合計6万9000部印刷、製本して、被告に納品し、被告は、平成17年8月30日ころに本件書籍11の販売を開始して、少なくとも6万6670部販売した。

 (シ) 被告は、本件書籍12の印刷、製本を城南グラビヤに依頼し、城南グラビヤは、平成20年7月25日から平成20年10月2日までに本件書籍12を合計1万2500部印刷、製本して、被告に納品し、被告は、平成20年8月11日ころに本件書籍12の販売を開始して、少なくとも1万1007部販売した。

   エ 本件各書籍の本体価格は、いずれも定価1300円であるところ、上記ウ認定の事実によれば、本件各書籍の発行部数は、本件書籍1が2万8000部、本件書籍2が2万4000部、本件書籍3が1万9000部、本件書籍4が2万5000部、本件書籍5が3万1000部、本件書籍6が3万9000部、本件書籍7が2万部、本件書籍8が2万部、本件書籍9が4万6500部、本件書籍10が4万5000部、本件書籍11が6万9000部、本件書籍12が1万2500部であるから、原告らがそれぞれを被写体とする写真の使用を許諾する場合に通常受領すべき金銭の額、すなわち、本件各書籍の本体価格の10%に相当する額に発行部数を乗じた金額は、次のとおりである。

 (ア) 本件書籍1  364万円(1300円×10%×2万8000部)

 (イ) 本件書籍2  312万円(1300円×10%×2万4000部)

 (ウ) 本件書籍3  247万円(1300円×10%×1万9000部)

 (エ) 本件書籍4  325万円(1300円×10%×2万5000部)

 (オ) 本件書籍5  403万円(1300円×10%×3万1000部)

 (カ) 本件書籍6  507万円(1300円×10%×3万9000部)

 (キ) 本件書籍7  260万円(1300円×10%×2万部)

 (ク) 本件書籍8  260万円(1300円×10%×2万部)

 (ケ) 本件書籍9  604万5000円

                   (1300円×10%×4万6500部)

 (コ) 本件書籍10 585万円(1300円×10%×4万5000部)

 (サ) 本件書籍11 897万円(1300円×10%×6万9000部)

 (シ) 本件書籍12 162万5000円

   (1300円×10%×1万2500部)

  (3) 以上に基づき、各原告らが受けた損害の額を算定する。

   ア 原告Hについて

 (ア) 原告Hは、本件各写真を本件書籍1及び6に掲載する行為により、パブリシティ権を侵害されたところ、原告Hが自己を被写体とする写真の使用を許諾する場合に通常受領すべき金銭の額は、本件書籍1については全額の364万円、本件書籍6については5分の1の101万4000円であるから、原告Hは、これらを合算した465万4000円の損害を受けたものと認められる。

 (イ) 本件事案の内容、認容額及び本件訴訟の経過等を総合すると、被告の不法行為と相当因果関係のある弁護士費用に相当する損害の額は、46万5400円と認めるのが相当である。

 (ウ) そうすると、原告Hが受けた損害の額は、合計511万9400円になる。

   イ 原告Iについて

 (ア) 原告Iは、本件各写真を本件書籍2及び6に掲載する行為により、パブリシティ権を侵害されたところ、原告Iが自己を被写体とする写真の使用を許諾する場合に通常受領すべき金銭の額は、本件書籍2については全額の312万円、本件書籍6については5分の1の101万4000円であるから、原告Iは、これらを合算した413万4000円の損害を受けたものと認められる。

 (イ) 本件事案の内容、認容額及び本件訴訟の経過等を総合すると、被告の不法行為と相当因果関係のある弁護士費用に相当する損害の額は、41万3400円と認めるのが相当である。

 (ウ) そうすると、原告Iが受けた損害の額は、合計454万7400円になる。

   ウ 原告Jについて

 (ア) 原告Jは、本件各写真を本件書籍3及び6に掲載する行為により、パブリシティ権を侵害されたところ、原告Jが自己を被写体とする写真の使用を許諾する場合に通常受領すべき金銭の額は、本件書籍3については全額の247万円、本件書籍6については5分の1の101万4000円であるから、原告Jは、これらを合算した348万4000円の損害を受けたものと認められる。

 (イ) 本件事案の内容、認容額及び本件訴訟の経過等を総合すると、被告の不法行為と相当因果関係のある弁護士費用に相当する損害の額は、34万8400円と認めるのが相当である。

 (ウ) そうすると、原告Jが受けた損害の額は、合計383万2400円になる。

   エ 原告Kについて

 (ア) 原告Kは、本件各写真を本件書籍4及び6に掲載する行為により、パブリシティ権を侵害されたところ、原告Kが自己を被写体とする写真の使用を許諾する場合に通常受領すべき金銭の額は、本件書籍4については全額の325万円、本件書籍6については5分の1の101万4000円であるから、原告Kは、これらを合算した426万4000円の損害を受けたものと認められる。

 (イ) 本件事案の内容、認容額及び本件訴訟の経過等を総合すると、被告の不法行為と相当因果関係のある弁護士費用に相当する損害の額は、42万6400円と認めるのが相当である。

 (ウ) そうすると、原告Kが受けた損害の額は、合計469万0400円になる。

   オ 原告Lについて

 (ア) 原告Lは、本件各写真を本件書籍5及び6に掲載する行為により、パブリシティ権を侵害されたところ、原告Lが自己を被写体とする写真の使用を許諾する場合に通常受領すべき金銭の額は、本件書籍5については全額の403万円、本件書籍6については5分の1の101万4000円であるから、原告Lは、これらを合算した504万4000円の損害を受けたものと認められる。

 (イ) 本件事案の内容、認容額及び本件訴訟の経過等を総合すると、被告の不法行為と相当因果関係のある弁護士費用に相当する損害の額は、50万4400円と認めるのが相当である。

 (ウ) そうすると、原告Lが受けた損害の額は、合計554万8400円になる。

   カ 原告Mについて

 (ア) 原告Mは、本件各写真を本件書籍7、11及び12に掲載する行為により、パブリシティ権を侵害されたところ、原告Mが自己を被写体とする写真の使用を許諾する場合に通常受領すべき金銭の額は、本件書籍7については2分の1の130万円、本件書籍11については6分の1の149万5000円、本件書籍12については6分の1の27万0833円(円未満切捨て。以下同じ。)であるから、原告Mは、これらを合算した306万5833円の損害を受けたものと認められる。

 (イ) 本件事案の内容、認容額及び本件訴訟の経過等を総合すると、被告の不法行為と相当因果関係のある弁護士費用に相当する損害の額は、30万6583円と認めるのが相当である。

 (ウ) そうすると、原告Mが受けた損害の額は、合計337万2416円になる。

   キ 原告Nについて

 (ア) 原告Nは、本件各写真を本件書籍7、11及び12に掲載する行為により、パブリシティ権を侵害されたところ、原告Nが自己を被写体とする写真の使用を許諾する場合に通常受領すべき金銭の額は、本件書籍7については2分の1の130万円、本件書籍11については6分の1の149万5000円、本件書籍12については6分の1の27万0833円であるから、原告Nは、これらを合算した306万5833円の損害を受けたものと認められる。

 (イ) 本件事案の内容、認容額及び本件訴訟の経過等を総合すると、被告の不法行為と相当因果関係のある弁護士費用に相当する損害の額は、30万6583円と認めるのが相当である。

 (ウ) そうすると、原告Nが受けた損害の額は、合計337万2416円になる。

   ク 原告Oについて

 (ア) 原告Oは、本件各写真を本件書籍8、11及び12に掲載する行為により、パブリシティ権を侵害されたところ、原告Oが自己を被写体とする写真の使用を許諾する場合に通常受領すべき金銭の額は、本件書籍8については2分の1の130万円、本件書籍11については6分の1の149万5000円、本件書籍12については6分の1の27万0833円であるから、原告Oは、これらを合算した306万5833円の損害を受けたものと認められる。

 (イ) 本件事案の内容、認容額及び本件訴訟の経過等を総合すると、被告の不法行為と相当因果関係のある弁護士費用に相当する損害の額は、30万6583円と認めるのが相当である。

 (ウ) そうすると、原告Oが受けた損害の額は、合計337万2416円になる。

   ケ 原告Pについて

 (ア) 原告Pは、本件各写真を本件書籍8、11及び12に掲載する行為により、パブリシティ権を侵害されたところ、原告Pが自己を被写体とする写真の使用を許諾する場合に通常受領すべき金銭の額は、本件書籍8については2分の1の130万円、本件書籍11については6分の1の149万5000円、本件書籍12については6分の1の27万0833円であるから、原告Pは、これらを合算した306万5833円の損害を受けたものと認められる。

 (イ) 本件事案の内容、認容額及び本件訴訟の経過等を総合すると、被告の不法行為と相当因果関係のある弁護士費用に相当する損害の額は、30万6583円と認めるのが相当である。

 (ウ) そうすると、原告Pが受けた損害の額は、合計337万2416円になる。

   コ 原告Qについて

 (ア) 原告Qは、本件各写真を本件書籍9、11及び12に掲載する行為により、パブリシティ権を侵害されたところ、原告Qが自己を被写体とする写真の使用を許諾する場合に通常受領すべき金銭の額は、本件書籍9については全額の604万5000円、本件書籍11については6分の1の149万5000円、本件書籍12については6分の1の27万0833円であるから、原告Qは、これらを合算した781万0833円の損害を受けたものと認められる。

 (イ) 本件事案の内容、認容額及び本件訴訟の経過等を総合すると、被告の不法行為と相当因果関係のある弁護士費用に相当する損害の額は、78万1083円と認めるのが相当である。

 (ウ) そうすると、原告Qが受けた損害の額は、合計859万1916円になる。

   サ 原告Rについて

 (ア) 原告Rは、本件各写真を本件書籍10ないし12に掲載する行為により、パブリシティ権を侵害されたところ、原告Rが自己を被写体とする写真の使用を許諾する場合に通常受領すべき金銭の額は、本件書籍10については全額の585万円、本件書籍11については6分の1の149万5000円、本件書籍12については6分の1の27万0833円であるから、原告Rは、これらを合算した761万5833円の損害を受けたものと認められる。

 (イ) 本件事案の内容、認容額及び本件訴訟の経過等を総合すると、被告の不法行為と相当因果関係のある弁護士費用に相当する損害の額は、76万1583円と認めるのが相当である。

 (ウ) そうすると、原告Rが受けた損害の額は、合計837万7416円になる。

  (4) したがって、被告は、原告Hに対し511万9400円、原告Iに対し454万7400円、原告Jに対し383万2400円、原告Kに対し469万0400円、原告Lに対し554万8400円、原告M、原告N、原告O及び原告Pに対しそれぞれ337万2416円、原告Qに対し859万1916円、原告Rに対し837万7416円並びに上記各金員に対する不法行為の後の日である平成21年8月26日(訴状送達の日)から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金を支払う義務がある。

 3 そこで、争点2(被告が本件各写真を撮影し、これを本件各書籍に掲載する行為が、みだりに自己の容貌等を撮影されず、また、自己の容貌を撮影された写真をみだりに公表されない人格的利益を侵害するか否か)について、判断する。

 原告らは、被告の行為により、上記利益を侵害され、その結果、被告が本件各書籍を出版するについて、その肖像写真、氏名及びグループ名等の使用を許諾した場合に得ることができる利益に相当する額及び弁護士費用相当損害金の損害を受けたと主張する。

 ところで、仮に被告が本件各写真を撮影し、これを本件各書籍に掲載する行為が原告らの上記利益を侵害するものであるとしても、このことから、直ちに、原告が写真等の使用を許諾した場合に得ることができる利益に相当する額及び弁護士費用相当損害金の損害を受けることにはならず、本件において、原告らが上記のような損害を受けたことを認めるに足りる証拠もない。

 したがって、原告らの上記利益の侵害を理由とする損害賠償請求は、その余の点について判断するまでもなく、理由がない。

 4 争点4(原告らが被告に対し本件各書籍の出版及び販売の差止め並びに廃棄を請求することができるか否か)について、判断する。

 弁論の全趣旨によれば、被告は、本件各書籍の販売を継続していることが認められ、また、被告は、本件各書籍を出版、販売することが原告らのパブリシティ権を侵害するものではないと主張しているから、これらの事情によれば、被告は、今後、本件各書籍を出版してこれを販売し、又は占有する本件各書籍を販売するおそれがあるものと認められる。

 そして、パブリシティ権が人格権に由来する権利の一内容を構成するものあることに鑑みれば、原告らは、被告に対し、原告らのパブリシティ権の侵害の停止又は予防のために、本件各書籍の出版及び販売の差止め並びに被告が占有する本件各書籍の廃棄を求めることができるというべきである。

第4 結論

 以上のとおりであって、原告らの請求は、主文第1ないし第3項に記載の限度で理由があるが、その余は理由がない。

 よって、主文のとおり判決する。

主文

 1 本件控訴を棄却する。

 原判決は、控訴人が上記各写真を上記各書籍に掲載する行為は被控訴人らのパブリシティ権を侵害するものであるとした上で、控訴人に対し、被控訴人らの各損害賠償請求及び遅延損害金請求の一部についての支払、上記各書籍の出版、販売の差止め及び廃棄を命じる限度で被控訴人らの請求を認容した。これに対し控訴人がその敗訴部分につき控訴した。

 2 前提となる事実(当事者間に争いのない事実)、争点及び争点についての当事者の主張

 前提となる事実(当事者間に争いのない事実)、争点及び争点についての当事者の主張は、次のとおり原判決を補正するほかは、原判決「事実及び理由」の第2の1ないし3記載のとおりであるから、これを引用する(以下、原判決を引用する場合は、「原告」を「被控訴人」と、「被告」を「控訴人」と、それぞれ読み替える。)。

  (1) 原判決5頁22行目から6頁1行目にかけての「本件各書籍は、」から同頁5行目の「すぎない。」までを次のとおり改める。

 「本件各書籍は、それぞれ1個の商品としてみると、被控訴人らに関する様々なエピソードを紹介しつつ、被控訴人らの芸能人としての歩みを論ずるものであり、その中心は、被控訴人らに関する文章であって、これらの文章はファンにとって有益な情報提供するという独立の価値を有するものである。これに対し、本件各写真は、おおむね被控訴人らに関する解説記事と関連する形で掲載されているほか、本件各書籍における文章が必ずしもそこに掲載されている写真を補足するものばかりでなく、写真には現れないエピソード等を解説するものも少なからずある。さらに、本件各写真は、その容貌やファッション等の変遷や主たる芸能活動の歴史を視覚的に表現するのに必要な限度で用いられているにすぎない。このように、本件各書籍において、各文章は独立した意味のない添え物ではない。」

  (2) 原判決18頁3行目末尾に、改行の上、次のとおり加える。

 「(イ) 本件各書籍を購入した消費者が被控訴人らの許諾を得て制作された写真集を購入しなくなることはないし、控訴人が本件各書籍を出版しなかったとしても、被控訴人らが本件各書籍と同内容の書籍を自ら出版し又は第三者が出版することに許諾を与えていたはずだともいえない。したがって、本件各書籍の出版に当たり被控訴人それぞれを被写体とする写真の使用を許諾する場合に通常受領すべき金銭に相当する額の損害は、控訴人による本件各書籍の出版、販売から通常生ずべき損害ではない。」

  (3) 原判決18頁4行目「(イ)」を「(ウ)」と改める。

  (4) 原判決18頁8行目「使用料率等は、」の次に「印税や写真集への出演料等とされているものがある上に、ジャニーズ事務所やそのグループ会社間のものも含まれているほか、ジャニーズ事務所の許諾を得て制作された被控訴人らの写真集では、出版社が指定するロケ地に被控訴人らを派遣し、要求されるポーズをとらせるといった付加価値が提供されており、出版社から支払われる金員にはこれらに対する報酬が含まれるなど、」を加える。

  (5) 原判決18頁9行目「ジャニーズ事務所」を「被控訴人ら」と改める。

  (6) 原判決18頁13行目末尾に、改行の上、次のとおり加える。

 「 また、本件各書籍は、一流のライターに委託して作成された相当量のコラム等を掲載しており、本件各書籍における被控訴人らの肖像等の寄与度は被控訴人らの正規の写真集における寄与度よりも低い。

 さらに、損害額を算定するに当たっては、本件各書籍の発行部数でなく、実売部数を基礎とすべきである。」

  (7) 原判決19頁9行目冒頭に「最高裁平成13年(オ)第851号、同年(受)第837号同14年9月24日第三小法廷判決・集民207号243頁(以下「平成14年判決」という。)に照らすと、権利侵害により生ずべき損失が金銭賠償によっては回復が困難であるという特別な事情がない限り、パブリシティ権に基づく書籍等の出版、販売の差止めは許されないと解すべきところ、」を加える。

第3 当裁判所の判断

 当裁判所も、控訴人が本件各写真を本件各書籍に掲載する行為は被控訴人らのパブリシティ権を侵害するものであるので、被控訴人らの請求は、原判決の認容した額の限度での損害金及び遅延損害金の支払請求、本件各書籍の出版及び販売の差止請求並びに控訴人の占有する本件各書籍の廃棄請求につき理由があるものと判断する。

 その理由は、次のとおり原判決を補正する(以下、掲記の証拠のうち、枝番のあるものは枝番を含む。)ほかは、原判決「事実及び理由」の第3の1ないし4記載のとおりであるから、これを引用する。

 1 原判決20頁20行目「顧客吸引力」の次に「を」を加える。

 2 原判決104頁8行目末尾に、改行の上、次のとおり加える。

 「(4)これに対し、控訴人は、本件各書籍において文章は独立した意味のない添え物ではなく、本件各書籍は、肖像等それ自体を独立して鑑賞の対象となる商品等として使用したものではないので、専ら肖像等の有する顧客吸引力の利用を目的とするものとはいえない旨種々主張する。

 しかし、上記(3)認定の本件各書籍における本件各写真の大きさや枚数等の掲載態様、コラム等の文章の内容や分量、本件各写真とコラムとの関連性の程度等に照らすと、控訴人の種々主張する点は、いずれも本件各書籍への本件各写真の掲載が、被控訴人らの肖像等それ自体を独立して鑑賞の対象となる商品等として使用し、専ら上記被控訴人らの肖像等の有する顧客吸引力の利用を目的とするものであるとの認定を左右するものとはいえない。

 よって、控訴人の上記主張を採用することはできない。」

 3 原判決104頁16行目末尾に、改行の上、次のとおり加える。

 「 控訴人は、本件各書籍の出版に当たり、被控訴人それぞれを被写体とする写真の使用を許諾する場合に通常受領すべき金銭に相当する額の損害は、控訴人による本件各書籍の出版、販売から通常生ずべき損害ではない旨主張する。

 しかし、パブリシティ権を侵害する態様で被控訴人それぞれを被写体とする写真を使用する場合には被控訴人それぞれから許諾を得る必要があるところ、パブリシティ権が肖像等それ自体の商業的価値に基づくものである以上、通常、上記の許諾を得るためにはその対価の支払が必要となるものと認められる。そして、無許諾で上記のような写真が使用されれば、被控訴人らは上記の許諾の対価を得られなくなる以上、被控訴人それぞれを被写体とする写真の使用を許諾する場合に被控訴人それぞれが通常受領すべき金銭に相当する額は、控訴人による本件各書籍の出版、販売から通常生ずべき損害であるといえる。

 よって、控訴人の上記主張を採用することはできない。」

 4 原判決106頁14行目「イ」の次に「(ア)」を加える。

 5 原判決106頁20行目末尾に、改行の上、次のとおり加える。

 「 (イ) 控訴人は、被控訴人らの正規の写真集に係る契約における使用料率等は、印税や写真集への出演料等とされているものもある上に、ジャニーズ事務所やそのグループ会社間のものも含まれているほか、ジャニーズ事務所の許諾を得て制作された被控訴人らの写真集では、出版社が指定するロケ地に被控訴人らを派遣し、要求されるポーズをとらせるといった付加価値が提供されており、出版社から支払われる金員にはこれらに対する報酬が含まれるので、上記使用料率等は被控訴人らに支払われる肖像等の使用料を適切に反映したものではないとか、仮に出版社等から被控訴人らに使用料等が支払われるとしても、そのうちの一定額は、仲介手数料等としてジャニーズ事務所に徴収されるのであるから、被控訴人らの正規の写真集に係る契約書の内容は、本件各書籍で被控訴人らの肖像等が使用されたことによって被控訴人らが被った損害の額を算定する際の参考にはならないなどと種々主張する。

 しかし、被控訴人らの正規の写真集に係る契約書(甲16~19)は、それぞれ専ら被控訴人らの肖像を利用する写真集(乙7~10)の出版に関わるものである上に、その契約内容に照らしても、支払われた対価は、その名目に関わらず、被控訴人らの肖像等の使用に対して支払われたものであるものと認められる。

 また、被控訴人らの提出した被控訴人らの正規の写真集に係る契約書には、ジャニーズ事務所のグループ会社ではない出版社との間のもの(甲16、18)も含まれている。

 さらに、出版社が指定するロケ地に被控訴人らを派遣すること等が、被控訴人らの正規の写真集に係る契約における使用料率等に反映されていることを裏付ける的確な客観的証拠はない。

 仮に出版社等から被控訴人らに支払われた使用料等の一定額が仲介手数料等としてジャニーズ事務所に支払われたとしても、それは被控訴人らとジャニーズ事務所との間の問題であって、これが本件各書籍で被控訴人らの肖像等が使用されたことによって被控訴人らが被った損害の額に影響を及ぼすものとはいえない。

 そして、控訴人が他に種々主張する点も、いずれも上記(ア)の認定を左右するものではない。

 以上に加え、本判決の認定する使用料率が10%であり、被控訴人らの正規の写真集に係る契約(甲16~19)におけるものより低率であることも併せ考えると、控訴人の上記主張はいずれも採用することができない。

   (ウ) 控訴人は、本件各書籍は、一流のライターに委託して作成された相当量のコラム等を掲載しており、本件各書籍における被控訴人らの肖像等の寄与度は被控訴人らの正規の写真集における寄与度よりも低いなどと主張する。

 しかし、前記1認定のとおり、控訴人が本件各写真を本件各書籍に掲載する行為は、被控訴人らの肖像等それ自体を独立して鑑賞の対象となる商品等として使用し、専ら上記被控訴人らの肖像等の有する顧客吸引力の利用を目的とするものである上に、本判決の認定する使用料率が10%であり、被控訴人らの正規の写真集に係る契約書(甲16~19)におけるものより低率であることも併せ考えると、本件各書籍にコラム等が掲載されているからといって、前記(ア)の認定が左右されるものではなく、控訴人の上記主張を採用することはできない。

   (エ) 控訴人は、損害金を算定するに当たっては、本件各書籍の発行部数でなく、実売部数を基礎とすべきである旨主張する。

 しかし、控訴人は被控訴人らの許諾を受けない限り本件各書籍を発行することができない以上、控訴人が本件各書籍を発行すること自体が被控訴人らのパブリシティ権の侵害行為となるものと解される上に、被控訴人らの正規の写真集に係る契約(甲16~19)においても発行部数に応じて対価が定められていることに照らすと、控訴人の上記主張を採用することはできない。」

 6 原判決118頁10行目から同頁11行目にかけての「あること」を「であり、かつ、顧客吸引力を排他的に利用する権利をその内容とすること」と改める。

 7 原判決118頁13行目末尾に、改行の上、次のとおり加える。

 「 控訴人は、平成14年判決に照らすと、権利侵害により生ずべき損失が金銭賠償によっては回復が困難であるという特別な事情がない限り、パブリシティ権に基づく書籍等の出版、販売の差止めは許されないと解すべきであるなどと主張する。

 しかし、平成14年判決は、名誉権ないしはプライバシーの利益等に基づく書籍の出版等の差止めに関する事案であり、本件とは事案を異にするので、控訴人の上記主張はその前提を欠くというほかないし、上記のパブリシティ権の性質に照らしても、控訴人の上記主張を採用することはできない。」

第4 結論

 以上によれば、原判決は相当であって、本件控訴は理由がないのでこれを棄却することとし、主文のとおり判決する。