わたくしと行政事件

弁護士 中野 仁

わたくしが現在のオレンジ法律事務所を作る前に勤務していた事務所のボス弁が,地方公共団体の顧問弁護士をしていた関係で,勤務弁護士時代は,地方公共団体からの法律相談や地方公共団体が当事者となる訴訟(国家賠償訴訟,行政訴訟)等の業務を多く担当していた。

相談・事件の内容は,公立学校での問題や,河川付近の土地を巡る問題,下水管設置を巡る問題,公園遊具設置を巡る問題,墓地建設を巡る問題などのようなわたくしたち市民の生活に近いところの問題から,都市再開発事業,介護保険,独占禁止法違反などのような社会的な問題まで本当に幅広く,各相談・事件について理解していく中で,市政に関する様々な知識・理解が深まっていくことが本当に楽しかった。

 

行政事件に携わる中で特に感じていたことは,行政訴訟に関するノウハウを知っていることは勿論のこと,市民側の代理人としては,どのような種類・内容の書類が行政側に保管されているかを把握することが重要であるということである。

 

例えば,公園の遊具での事故の場合,過去に同じ公園で同様の事故があったかどうか(救急が呼ばれたことがあったかどうか)について行政側に記録があることがあり,この記録が,遊具の危険性や行政側の認識についての立証のための重要な証拠となる場合がある。

どのような種類・内容の書類が行政側に保管されているかを理解しているかどうかで,立証,ひいては訴訟の勝敗が大きく変わってくることもあるだろう。

その点では,行政側の代理人としての立場で色々学ぶことができたのは,本当に貴重な経験であった。

 

独立開業してオレンジ法律事務所を設立した後は,上記の地方公共団体の顧問業務からは離れてしまい,今では,地方公共団体からは,知的財産関係で相談を受けたり,知的財産関係の事件でスポット的に代理人を務めたりすることがある程度となっているが,近時,行政事件関係の書籍を執筆する機会があったので,わたくしの経験などを踏まえ,分かる範囲で実務的な部分についても言及することを心がけた。

 

新日本法規出版『行政紛争処理マニュアル -新しい行政争訟制度から紛争類型別訴訟まで-』

 

行政本 写真2

 

上記の書籍のうち,第4章の7「土地区画整理関係訴訟」,第5章「国家賠償請求訴訟」,第6章「損失補償請求訴訟」を担当させて頂いた。

編集者・執筆者の先生方は,わたくしを除いて,いずれも行政事件の世界ではいずれも著名な方々であり,編集会議では恐縮しきりだったが,色々と勉強させて頂き,大いに刺激を受けた。

当事務所には,昨年12月に,前職が埼玉県庁勤務で,主に廃棄物残土対策業務に従事していた上床栄次朗弁護士が入所した。

さすがに,廃棄物処理業務については相当詳しく,行政の文書,実務的対応等について色々レクチャーしてもらった。

最近では数年ぶりに先輩弁護士から連絡があったと思ったら,「廃棄物処理に詳しい上床弁護士に聞きたい」と,わたくしを飛び越して,上床弁護士にオファーがある始末だ。心強い限りである。

事務所内に行政事件に強いチームを作り,いつかまた,地方公共団体の顧問弁護士に返り咲きたい。

それが,わたくしの秘かな夢であり,野望である。

結論:誰か,地方公共団体の顧問の話,下さい~。

合掌。

弁護士 中野 仁

 

さて,

オレンジ法律事務所は,大宮駅東口徒歩3分に位置しております。

 

当事務所には,特許庁で特許審査業務を担当していた弁護士や埼玉県庁職員で廃棄物・残土対策業務を担当していた弁護士,金融機関に勤務し銀行実務に精通した弁護士,プログラミング等理系畑出身の弁護士など,それぞれ異なったバックグラウンドを持った弁護士がおり(詳細は当事務所HP弁護士紹介をご覧下さい),各弁護士が協力しながら,よりよいリーガルサービスを提供できるよう日々努力を重ねております。

 

一般的な民事紛争,離婚・相続等の家事事件,企業法務全般,刑事事件などの一般事件から,インターネット,プログラム,プラットフォームビジネス等のIT関係,特許や商標等の知的財産事件,役員責任追求事件,新ビジネスのシステム構築等の専門的な事件まで対応をさせて頂いておりますので,まずは,お気軽にご相談下さい。
(大宮のみならず,全国の案件を対応させて頂いております。)

 

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