推測する力をつける(ジャマンなるみ)

                             リーガル事務 ジャマンなるみ

 なぜ学ぶのかと子どもに聞かれたら何と答えるかという話を,昨年辻本先生がスタッフにしてくださったことがありました。

 そしてタイミングの良いことに,その数日後に私の知人から学ぶ理由についての話を伺う機会がありました。その方は,NHKのテレビ番組『ろうを生きる 難聴を生きる「聞こえないセンパイの課外授業 難聴の医師」』をご覧になって,学ぶのは,わからないものごとに対応するときに,そのものごとをいまある知識から可能な限り推測するためともいえるのかもしれないと教えてくださいました。

 その番組では,難聴の医師が高校のクラスで,口の動きだけを見せて単語を当てさせるクイズをします。学生は,スイカやツバメなどの知っている単語であれば当てることができました。最後に「鼻鉗子(はなかんし)」という医療機器名を出題したところ,答えられたのは,看護師を目指している学生のみでした。看護を学びその単語を知っていたから,口の動きから推測できたようです。医師は,「僕たちは聞こえない。会話を完璧に聞き取ることが,ほぼできない。何で埋めるか。知識で埋めていくしかない。」とおっしゃっていました。

 ろうや難聴に限らず,わからないことをいまある知識から推測して対応する場面が多くあると,仕事でも何度も考えさせられました。学びによって,わからないことにも立ち向かえる力をつけたいと思います。

NHK HP (令和2年12月30日閲覧。)
https://www.nhk.or.jp/heart-net/program/rounan/1255/