前編 相続のお話

営業 秘書 田村 司

 

いつもご愛読いただき誠にありがとうございます。

時事問題の「所有者不明の土地」の難しい解説から始めてしまったことを,後悔しています。そこで入口段階から分かり易く説明致します。

 

相続は日常茶飯事起きることではなく,亡くなられたときはじめて必要になる知識として認識されておられる方も多いと思います。そうです。通常は,相続について,考えることはありません。

 

事業をされている方でしたら,長い期間をかけて後継者の教育指導が必要になります。事業資産も長い期間をかけて後継者に引継ぐ必要があります。つまり,長期的視野からに,事業承継対策,相続税対策をする必要があります。突然の相続の発生で,相続人間で争いの防止にもなります。

ではどうすれば良いかは一概に言えません。個々に調査判断が必要となります。

 

相続については「財産を与える立場」(これを被相続人)と「財産をもらう立場」(法定相続人,受遺者)に分類できると思います。

 

最初に「財産をもらう立場」について,ご説明いたします。

 

・いつから相続開始となるのか,

それは被相続人の死亡時点からです。

その死亡届(死亡診断書又は死体検案書)を提出したあとは戸籍謄本に記載されます。

 

当たり前のようですが実は死亡の日時それが重要になる場合もあります。

親子が自動車事故で同じような時刻に死亡した場合はどうなるか。難しい要素を含んでいますので弁護士にご相談下さい。

 

・だれが相続人となるのか,

相続人になる優先順位が決まっていています。

(配偶者が生存している場合は各々の順位と同順位です。相続割合が違ってきます。)

その最初の順位を第1順位と呼びます。

相続割合(相続財産をもらうことが出来る権利) 「子」が1/2となります。胎児も相続人となります。配偶者1/2です。

「子」が3人いれば,各々1/6になります。

「子」が死亡して「孫」がいるとその者が子に代わって相続人(代襲相続人)となりなす。3名の「子」の内1名が既に死亡して,「孫,曾孫,玄孫,」などの代襲相続人になる者がいなければ,2名で1/2を分けることになり,各々1/4になります。当初から「子」がおらず「養子」がいれば,養子が相続人になりますので,戸籍で確認してください。

そして「子」,「孫,曾孫,玄孫」全員死亡の場合,次の順位に行きます。

 

次の順位を第2順位と呼びます。

父・母 両方又はどちらか一方が生きている場合はその者が相続人となります。

両親死亡の場合は祖父・祖母の両方又はどちらか一方が生きている場合はその者が相続人となります。相続割合1/3となります。配偶者は2/3の割合となります。

2順位全員が全員死亡していると次の順位にいきます。

 

その次の順位を3順位とよびます。

兄弟姉妹が相続人となります,甥,姪までが代襲相続人となります。

相続割合1/4となります。配偶者3/4の割合となります。

 

尚,配偶者が死亡している場合は,配偶者を除くそれぞれの順位の者が,全額を取得することになります。

配偶者のみ生存のときは,配偶者が全額受け取ります。

 

相続人であることの確認資料は何か。

死亡の記載のある戸籍謄本(又は戸籍全部事項証明書)から,出生までの連続し戸籍謄本を準備しないと分からない。(これが一苦労します,費用がかかるが専門家に依頼する方が良い場合もある。)注:法定相続情報証明書の発行は実施平成29年5月29日から実施済。

特に注意を要するに事例として,養子縁組による養親(夫婦)と養子(連れ子がいる)場合は,弁護士に確認しながら進めて下さい。下図はイメージ図

遺言については後編で説明をします。